ここ数日、本木雅弘がバラエティに出まくっております。


「黒牢城」の番宣で、菅田将暉、吉高由里子、宮舘涼太に、青木崇高、柄本佑など、普段バラエティでは見かけない方々が、これでもかと、TBSに出ておりました。

 

主役級の方ばかりですから、番組側とすれば、美味しいブッキングでしょうが、バラエティでゲームに興じている役者を見て、映画を見たいと思うものなのでしょうか?


ましてや、黒沢清監督ですよ?


私は、「キュア」、「散歩する侵略者」、「スパイの妻」

「クリーピー」、「贖罪」、「トウキョウソナタ」、「岸辺の旅」、「ドッペルゲンガー」、「クラウド」等、結構黒沢清監督作品を見ております。


ほとんどが、万人向けとは思えないのです。独特の黒沢ワールドで、エグい作風のものも多数あります。


私はまだ、「黒牢城」は見ていないので、何ともいえませんが、正直、あのようなバラエティの番宣と本編が、全く繋がりません。しかも、出過ぎです。


黒沢清監督初の時代劇ですから、注目されるのもわかりますが、番宣バラエティにつられて見に行ったところ、血みどろの作品だったら、なかなか強烈な体験にはなりますわなあ。


ただでさえ、録画をしておいて、見ていない映画がどんどんたまっているのに、WOWOWは実に心憎い作品を放送します。おかげで、なかなか録画した映画が、逆に増えております。


昨日は、「旅と日々」を録画し、朝一で見ようと思っていたところに、なんと!朝っぱらから「サイドカーに犬」を放送するではないですか!


このあたりの映画が、私は大好物で、しかもまだ見ておりません。おかげで、リアルタイムで見てしまいました。


オープニングで、ミムラ扮する、不動産屋に勤める女性が描かれます。その女性が何者なのかは、きちんと見ていればわかります。


鈴木砂羽扮する、小学生のカオルの母親が、アパートを出ていきます。残されたのは、古田新太扮する父親と、弟の、トオルです。父親は、怪しげな中古車販売を始め、母親はそのことに愛想をつかしたのでした。


そこに現れたのが、竹内結子扮するヨーコです。この竹内結子が抜群です。いつも自転車でやってくるのですが、どうやら父親の愛人のようです。


カオルは、このヨーコと、なぜか馬が合います。大雑把で、母親とは対照的な性格のですが、カオルは彼女に惹かれていきます。


父親の商売仲間が、椎名桔平、トミーズ雅、山本浩司で、これがまた実に胡散臭い。この面子だけで、父親の商売が、相当怪しいことがわかります。


カオルを演じる松本花奈もいい。いい加減な父親を、いつも醒めた目で観察しており、母親ともべったりではありません。そういう難しいキャラクターを、よく演じておりました。


監督は、根岸吉太郎。「ウホッホ探検隊」もそうですが、大きな事件がおきるわけでもなく、淡々とした日常を描いた作品のほうが、私とは相性が良いようです。


それにしても、竹内結子は、もうこの世にいないのですね。あまりに残念です。


※以前、一度書いたと思いますが、恵比寿の焼肉屋で、竹内結子を見かけたことがあります。隣のテーブルだったので、どきどきしたことを覚えております。

まずは、松本清張原作、野村芳太郎監督の、「張り込み」を見ました。高峰秀子が主演だと思い込んでいたのですが、若き頃の大木実でした。


何が驚いたかと申しますと、タイトルが出るまで、10分ほどあり、数人の主要人物と主要スタッフだけがクレジットされ、エンディングで初めて全てがクレジットされるのです。今では普通のことですが、今から半世紀以上前なのです。しかも、キャスト、スタッフと記されているのです。


大木実扮する柚木と宮口精二扮する下岡という、ふたりの刑事が、強盗事件の犯人を追って、かつての恋人、さだ子が住んでいる佐賀に行き、彼女の家の向かいの旅館から、ずっと張り込みを続けます。犯人が田村高廣扮する石井で、さだ子が高峰秀子です。この面子は、パーフェクトです。


彼女は、銀行員の後妻なのですが、夫はとんでもない吝嗇家で、子供がふたりいるにも関わらず、生活費を一日1000円しか渡しません。ふたりの刑事は、彼女が何の楽しみもない、極めて平凡な毎日を送っていることを、張り込みで知ります。


さだ子の張り込みを続けているとき、柚木は、高千穂ひづる扮する、自分の恋人を思い出しておりました。恋人の家も貧しく、そのことを引け目にして、彼女は結婚をためらっていたのです。


張り込みは淡々と行われ、ストーリーに大きな起伏があるわけではないのですが、モノクロの画面は緊張感にあふれ、全く退屈いたしません。


ここから15年ほど後に、野村芳太郎は、同じ松本清張の、「砂の器」を監督いたします。お薦めです。


※何せクレジットがエンディングなので、誰が出てくるか皆目わからなかったのですが、私が確認出来ただけで、浦部粂子、菅井きん、藤原釜足、多々良純がおりました。他にも大物が出ていたようなので、改めて確認いたします。