昆虫食に対する 率直な疑問② やっと学会も調査に乗り出したか | 広田鉄磨のブログ

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食用昆虫におけるヒ素・重金属および農薬の残留調査

 

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近年,持続的に調達可能な代替食料源の探索が進められており,栄養学的に問題がなく,大量生産が可能な食用昆虫に注目が集まっている.現在,日本では食用昆虫に対して,品質管理やリスク評価に関する法的な規制はなく,食用昆虫による健康影響への理解は十分とは言いがたい.本研究では国内で入手可能な食用昆虫14種を対象に,ヒ素・重金属および残留農薬の測定を行った.結果,各元素の最大値は,Asが6.15,Cdが0.82,Hgが0.50,Pbが0.67,Cuが297.7 ppmであり,残留農薬はGC-MS/MS分析にてフェノブカルブ(またはBPMC)を3.17 ppmの濃度で検出した.本研究は,日本国内で流通する食用昆虫中のヒ素・重金属および農薬の残留調査を初めて実施した例である.今後,日本国内においても昆虫食の摂取頻度の増加が予想されることを踏まえ,その安全性を確保するためリスク評価の取り組みを進めるべきと考える.

 

引用文献 (16)