自宅の晩酌にお酒を選びました。
これです。
静岡県掛川市の土井酒造場さんが醸しているお酒です。
土井酒造場の5代目蔵元、土井弥市さんの夫人、土井彩子さんは、つい最近、地元紙の静岡新聞の夕刊1面のコラム「窓辺」を担当し、13回に渡って、コラムを執筆しました。
ご苦労様でした。
彼女がブログに載せてくれたおかげですべての記事を読ませて頂きましたが、彼女の人柄が滲み出ていて、山陰から掛川に結婚で移り住んで、現在までの14年間の苦労が偲ばれるものでした。
彩子さんは島根県で「七冠馬」を醸す簸上清酒の蔵元の親戚で、同じ島根県浜田市に生まれ、東京で大学生活を送っていた際、簸上清酒の都内での試飲会を手伝った縁で、土井さんと2010年に結婚して、掛川に来ています。
そんな彼女はコラムの1本目で書いたのが、新天地では「正月が晴れ」だったことだそうです。
当然、それを前向きに受け止めており、掛川の人たちが受け入れてくれたのも、そんな気候が背景にあったのでは、と書いています。
天候だけですべてが決まるわけではありませんが、もし、彩子さんの結婚による引っ越しが逆だったらどうだったろうかと、想像してしまいます。
話の続きは次回に。
1本目にいただくのは岡山県赤磐産雄町、55%精米の純米酒、火入れです。
上立ち香は抑制の利いたシックな薄甘い香りが。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、サラサラな感触をアピールしながら、まっしぐらに滑り込んできます。
受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。
粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。
甘味は上白糖系のさらりとしたタイプ、旨味はシンプルで表面に産毛が生えているようなテクスチャーで、両者は足並みを揃えて、無駄のない粛々とした舞いを披露します。
流れてくる含み香は上立ち香同様、控え目な柔らかい香りで薄化粧を付与。
後から酸味と渋味が少量現れて、薄氷の輪郭を形成。
味わいは終盤まで引き締まったマグロの赤身のような世界を描き切るのでした。
それでは土井酒造場のお酒、もう1本いただくことにします。
お酒の情報(24年294銘柄目)
銘柄名「開運(かいうん)純米 雄町 2023BY」
酒蔵「土井酒造場(静岡県掛川市)」
分類「純米酒」「無濾過酒」
原料米「赤磐産雄町」
酵母「不明」
精米歩合「55%」
アルコール度数「16度」
日本酒度「+4」
酸度「1.8」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込み)「720ml=1640円」
評価「★★★★★(7.6点)」



