自宅の晩酌にお酒を選びました。
これです。
「五色彩雲(ごしきのくも)Nusamai 山廃純米」
北海道釧路市の福司酒造さんが醸しているお酒です。
「福司」を昔からの主力銘柄にしていた蔵が、新たな飛躍を目論んで昨年(2023)7月にデビューさせたのが「五色彩雲」です。
発売に当たって蔵が発したリリースの概要をご紹介します。
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●ブランドメッセージ
釧路で酒造りを始めて104年。これまで福司酒造は、釧路で唯一の酒蔵として地域の方々と共に歩みを進めてきました。
この先も、釧路で酒造りを続けていくために、我々が今やるべきことは何なのか。
それは進化する北海道の食文化に相応しい地酒の在り方を追求し、地域の可能性を切り拓いていくことだと考えるようになりました。
従来の日本酒のイメージにとらわれることなく、柔軟な発想と技術で北海道ならではの地酒を造る。
次世代を担う造り手と、土地に根ざした酒の価値を育て、世界中から人がやってくるような地域を目指す。
そんなチャレンジの場として、福司酒造のセカンドラインとなるブランドを立ち上げます。
新ブランドの名前は「五色彩雲(ごしきのくも)」。
幸運を招く酒を造りたいという想いで命名された福司の精神を受け継ぎ、吉兆の証とされる「五色の彩雲」から付けました。
福司の製造部には若手5名が在籍しています。
新ブランドはこうした若き技術集団が主体となり手掛けたものです。
福司では年齢に関わらず、製造部がさまざまなチャレンジに取り組める仕組みづくりを採用しています。
セカンドブランドへの挑戦を通して、若き造り手の成長を図りながら、その成果を福司ブランドにもフィードバックすることが、釧路の皆様への還元にも繋がると感じています。
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まったく無風だった北海道の日本酒市場に、2017年に登場した上川大雪酒造は、以後、北海道の日本酒市場を大活性化してきました。
岐阜の三千櫻酒造がこれに加わり、既存の酒蔵は漫然としていればじり貧となるのは間違いない状況です。
こうなれば、自らも変身を図るしかないと思います。
福司酒造もその流れの一環です。
頑張って欲しいです。
さて、今夜頂くのは、そんなセカンドブランドの山廃純米酒です。
上立ち香は地味で平坦な酒エキスの香りが。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に人工芝を敷き詰めて、周囲をゴシゴシと擦りながら、まっしぐらに転がり込んできます。
受け止めて保持すると、促されるままにややだるそうな態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさの硬めの粒々を連射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味6割、旨味4割。
甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプルながら粗削りな印象で、両者は摩擦熱を発しながらジグザグに駆け回るのです。
流れてくる含み香は微量の酢酸エチル混じりの癖のある歪んだ薄甘い香り。
後から酸味が僅少、渋味が多めに現れて、渋味がエネルギッシュに甘旨味に絡みつきます。
活性度はさらに低下し、最後は重い余韻を伸ばしながら退場して行くのでした。
風変わりな山廃酒でした。
今後の進化に期待します。
お酒の情報(24年289銘柄目)
銘柄名「五色彩雲(ごしきのくも)Nusamai 山廃純米 2023BY」
酒蔵「福司酒造(北海道釧路市)」
分類「純米酒」「山廃酒」
原料米「不明」
酵母「不明」
精米歩合「60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込み)「720ml=2250円」
評価「★★★★(7.4点)」