長野「大信州 風穴貯蔵 純米吟醸」すべてがひっかかりのない円やかな世界を描く | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌に長野県松本市の大信州酒造さんのお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

1本目はこれです。

 

 

「大信州(だいしんしゅう)風穴貯蔵 純米吟醸」。

 

大信州酒造の年間会員企画「豊醸俱楽部」に入会し、その体験記をずっと報告してきましたが、今回は醸造体験企画に参加してきましたので、そのご報告です。

 

2月の末に実施された企画の案内が来たのが1月下旬。以下のようなメニューでした。

 

 

初日

0900~1200 放冷仕事(放冷~麹室仕事)

0900~1200 仕込み仕事(添仕込みなど)

1300~1500 麹室仕事 

1300~1500 洗米仕事 

 

2日目

0900~1200 放冷仕事 

0900~1200 洗米仕事 

1300~1500 麹室仕事 

 

3日目

0900~1200 仕込み仕事

0900~1200 洗米仕事 

1300~1500 麹室仕事 

 

以上の作業のうち、会員は希望の作業を申し込みます。

定員はなく、会員は都合があえば、いくつでも参加できる仕組みで、申込み者が殺到した場合の対策はなさそうでした。

結果として、それぞれのプログラムに申し込んだ人数は以下の通りでした。

 

 

初日

放冷仕事=3人、仕込み仕事=9人、麹室仕事=9人、洗米仕事=2人

2日目

放冷仕事=5人、洗米仕事=3人、麹室仕事=8人

3日目

放冷仕事=12人、洗米仕事=2人、麹室仕事=12人

 

空太郎は3日間に渡って、4回プログラムに参加したので、その模様を明日以降、報告します。

 

さて、いただくお酒は松本地区の酒蔵が共同で実施している市内の稲核の風穴内で貯蔵した59%精米の純米吟醸酒です。

 

 

上立ち香はつるりとした薄甘い香りが鼻腔を撫でます。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄らととろみ層を乗せて、ほっこりとしたムードで忍び入ってきます。

 

受け止めて保持すると、促されるままに滑らかに膨らみ、拡散して、適度な大きさのウエットな粒々を速射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系の適度に押しのあるタイプ、旨味は2~3種類のコクがトロトロになった印象で、両者は仲良くマイルドで官能的な世界を描くのです。

 

流れてくる含み香も熟が進んだとろりとした甘い香りでデコレート。

後から酸味と渋味は僅少現れて、隠し味役にとどまり、終盤まで穏やかで大人びた世界を描き切るのでした。

 

 

適度な熟で好感が持てました。

それでは、大信州酒造のお酒、2本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(24年169銘柄目)

銘柄名「大信州(だいしんしゅう)風穴貯蔵 純米吟醸 2022BY」

酒蔵「大信州酒造(長野県松本市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「59%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格(税込み)「720ml=1870円」

評価「★★★★★(7.6点)」