兵庫「長谷川 純米大吟醸 五割」鍛え上げられたスレンダーな甘旨味が酸渋とキレ味鋭く駆け回る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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兵庫県姫路市のヤヱガキ酒造さんが2018年秋に売り出したプレミアム酒ブランド「長谷川栄雅(はせがわえいが)」のお酒をまとめていただく機会がありました。

吞んだお酒の感想を順番に報告します。

4本目はこれです。

 

 

「長谷川(はせがわ)純米大吟醸 五割」。

 

ヤヱガキ酒造が2018年に「長谷川栄雅」のリリースに合わせて開いた酒販売兼有料テイスティングサービスを提供する直営店「長谷川栄雅」の日本酒体験に実際に行ってきました。

会場となる和室は8畳。

シンプルなデザインで、茶室のようなおこもり感を演出していました。

最初から酒に合わせる酒肴5種類と酒器が5つ並べられていて、酒肴は銀座の日本料理店「和郷」の小澤敬氏が担当しています。

お酒は7~8分おきに提供(各40ml程度)され、そのお酒に合わせる酒肴が紹介されます。

 

 

お酒の提供の合間に、ヤヱガキ酒造の歴史と風土、地元で獲れる山田錦と水、長谷川栄雅の酒造り様子などについて、担当者が説明をしてくれました。

提供されたお酒と、それに合わせた酒肴は以下の通りです。

 

①    栄雅 純米大吟醸(720ml=税別30000円)×蛤酒蒸しに菜の花と白アスパラ添え

②    栄雅 特別純米(25000円)×桜鯛と桜鱒のお造り、花山葵醤油漬け添え

③    長谷川 純米大吟醸三割五分(15000円)×春キャベツと釜揚げしらすと桜海老のお浸し

④    長谷川 純米大吟醸五割(10000円)×筍飯蒸しに炙り唐墨乗せ

⑤    長谷川 特別純米(5000円)×和牛(ロース)蒸しにふき味噌添え

 

 

5点の組み合わせ後、木の芽と海老のすり流しが運ばれます。

最後に番外編として「栄雅 純米大吟醸 生酒」(50000円)が少量、供されてお開きとなりました。

所要時間は65分、至福の時間でした。

 

さて、4本目のお酒は50%精米の純米大吟醸です。

 

 

上立ち香は爽快な春風のようなさっぱりとした香りです。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、まっしぐらに駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自立的にキビキビとした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプルでよく鍛え上げられたマッスルの印象で、両者は足並みを揃えて、スレンダーで隙の無い舞いを披露します。

流れてくる含み香は米由来のシャープな酒エキスの香りで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が適量現れて、味わいをさらに引き締めるのです。

終盤になると僅かに辛さも加わって、反転縮退して昇華して行きました。

 

三割五分との味わいの違いが明快で面白く感じました。

それでは、「長谷川栄雅」のお酒、最後の5本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(24年144銘柄目)

銘柄名「長谷川(はせがわ)純米大吟醸 五割 2023BY」

酒蔵「ヤヱガキ酒造(兵庫県姫路市)」

分類「純米大吟醸酒」

原料米「山田錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=11000円」

評価「★★★★★(7.6点)」