自宅の晩酌にお酒を選びました。
これです。
神奈川県海老名市の泉橋酒造さんが醸しているお酒です。
近年、高額の日本酒に、それが正規品であることと、まだ開封前であることが確認できるシールを貼る例が増えてきています。
泉橋酒造も今回、初めてそのサービスを利用したお酒を出しましたが、それが今夜いただくお酒です。
その仕組みは以下の通りです。
酒蔵は該当するお酒を蔵から出荷する段階で、お酒を詰めた瓶ごとにシリアルナンバーを付与し、スペックを含めた情報をRFIDのタグに入ったICチップに埋め込み、銅箔線を埋めたシールと共に瓶に貼って出荷します。
すべての情報はクラウド上のデータベースに置いておきます。
該当するお酒を購入した消費者はお酒の瓶に貼り付けられたRFIDのシール部分にスマホをかざすと、NFCという非接触通信規格によって、スマホに該当アプリが立ち上がります。
クラウド上のデータベースにアクセスし、このお酒が正規品かつ未開封であることを確認できます。
お酒の詳細な情報も閲覧できます。
シールは瓶本体から抜栓するフタ部分までしっかりと貼り付けられており、飲むためにはシールの途中を横に引き裂かなければなりません。
銅箔線が途中で切断されることとなり、この後、再度、スマホをかざすと開封済と表示される仕組みです。
切断された銅箔線を再度つなごうとしても、データベースを書き換えることはできないので、この瓶に別の酒を詰めてごまかすことはできないというわけです。
日本酒ではまだまれだと思いますが、人気のお酒の空瓶に別の安いお酒を詰めて、本物らしくして販売するのを防ぐためです。
海外、とりわけ中国では贋物が横行していることもあり、今後、中国への輸出に力を入れたい酒蔵はこうした対策は必要かも知れません。
今回、購入したお酒は1260本出荷したお酒の231番目とのシールもありましたが、スマホをかざしても、同じデータが確認できました。
いただくお酒は泉橋酒造が「とんぼ」ラベルのお酒を出して20周年を記念して、海老名産山田錦を20%まで磨いた純米大吟醸、火入れです。
上立ち香から見事なカプロン酸エチルのゴージャスな香りが漂ってきます。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、よく磨き込んで鏡面になった表面にワックスを塗って、ツルツルの感触をアピールしながら、なめらかに滑り込んできます。
受け止めて保持すると、促されるままに流麗に膨らみ、拡散して、適度な大きさのクリスタル様の粒々を連射してきます。
甘味は99.99%純度の高貴で甘美なタイプ、旨味はシンプル無垢のつやつやした印象で、甘味主体で麗しいワルツを踊ります。
流れてくる含み香も豪華で芳醇な甘い香りで派手めにデコレート。
後から酸味は皆無、渋味がほんの少し現れて、わずかにメリハリを付与。
20%精米ですが、淡くは無く、甘味がしっかり主張する仕上がりでした。
お酒の情報(24年65銘柄目)
銘柄名「泉橋(いづみばし)TONBO20 純米大吟醸 2022BY」
酒蔵「泉橋酒造(神奈川県海老名市)」
分類「純米大吟醸酒」
原料米「海老名産山田錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「20%」
アルコール度数「14度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「720ml=22000円」
評価「★★★★★(7.6点)」