佐賀「東一 GOMARU 純米」均整の取れた甘旨味がマイルドな世界を描く | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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コロナが沈静化に向かい、3年半ぶりに海外旅行にでかけました。

使ったエアラインは日本航空でしたので、出発前はさくらラウンジを利用しました。

いただけた日本酒はこれです。

東一(あづまいち)GOMARU(ごまる)純米」。

佐賀県嬉野市の五町田酒造さんが醸しているお酒です。

 

さくらラウンジには、これまでの経験だとワインと一緒の場所に、開栓した4合瓶の日本酒が2~3種類置かれていて、好きなだけ飲めるスタイルでした。

それが、コロナの流行時に売り出されて、各地の酒蔵の直売所に普及した冷蔵サーバーに収容するスタイルになっていました。

これだと開栓された日本酒が空になるまで空気に触れずに保管できて、品質の劣化が最小限になるので、非常によろしいかと思います。

ただし、残念ながらサーバー内には「東一」のお酒しかなく、あれこれ飲みたい呑兵衛にとっては、ちょっとがっかりでした。

是非、複数の日本酒をサーバーに収容して欲しいものです。

 

さて、いただくお酒は、山田錦64%精米の純米酒、火入れです。

上立ち香は控えめな薄甘い香りがほんのりと。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

 

受け止めて保持すると、自律的に粛々とした態度で膨らみ、拡散しながら適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢な印象で、両者は足並みを揃えて、マイルドでまったりとしたハーモニーを奏でるのです。

 

流れてくる含み香は痩身の甘い香りで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が極少現れて隠し味役を担います。

甘旨味は終盤までマイペースを守って優雅に踊り続け、飲み下した後の余韻も細く伸びるのでした。

それでは、続いて、JALの機内でいただいた日本酒をご紹介します。

 

お酒の情報(23年34銘柄目)

銘柄名「東一(あづまいち)GOMARU(ごまる)純米 2021BY」

酒蔵「五町田酒造(佐賀県嬉野市)」

分類「純米酒」

原料米「山田錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「64%」

アルコール度数「14度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=3080円」

評価「★★★★★(97点)」