広島「うごのつき 特別純米」やや緩めの甘旨味がほんわかと舞い、最後にコクがプクリと膨らむ | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌に、広島県呉市の相原酒造さんのお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べることにしました。

3本目はこれです。

うごのつき 特別純米」。

 

1986BYで金賞を取って、昔の金賞酒までも“在庫一掃”となったことで、蔵元の相原準一郎さんも欲が出て、翌1987BYには出品酒を仕込み3本分造ったのです。

ところが、以後はなかなか金賞を取れなくなり、相原さんは頭を抱えます。

一方で、近くの安芸津町(現東広島市)の堀本酒造に蔵元息子の堀本敦志さんが帰って来て、蔵元杜氏になった1年目から金賞を獲得して、その後も金賞を数多く獲得していくのでした。

その辺りについては空太郎がSAKEStreetに記事を書きましたので、是非、読んでください。

1999BYから相原酒造に来た堀本さんによる出品酒の結果は、この21年間で15回が金賞という驚くべき好成績です。

 

さて、3本目は八反錦60%精米の特別純米酒、火入れです。

上立ち香は酒エキスの香りが遠慮がちに漂ってきます。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触をアピールしながら、ゆったりとした雰囲気で滑り込んできます。

 

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプルでやや硬めな印象で、両者はゆっくりとふわふわとした舞いを展開。

 

流れてくる含み香も甘美というよりは酒エキスの香りで静かに薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が少量現れて、甘旨味を遠巻きにして囃します。

甘旨味は余り引き締まることなく終盤までフワフワと浮遊し、最後にコクがぷっくりと膨らんだ後、そのまま喉の奥へと渦を巻いて、消えていきました。

それでは相原酒造の美酒、4本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(22年134銘柄目)

銘柄名「うごのつき 特別純米 2021BY」

酒蔵「相原酒造(広島県呉市)」

分類「特別純米酒」「一回火入れ」

原料米「八反錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=2640円」

評価「★★★★★(96点)」