自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。
「ニャン齢(にゃんれい)=万齢(まんれい)仕込18号 特別純米 生酒」。
佐賀県唐津市の小松酒造さんが醸しているお酒です。
このお酒は今季(2021by)にデビューした新製品です。
お酒のラベルに猫を取り入れて、癒やしの雰囲気を出すことで、お酒の販売促進に繋げようという目論見をする酒蔵は結構な数、あるのですが、小松酒造もそれを真似ることにしました。
しかし、単純に真似るのではつまらないと考えたようで、ラベルに描かれた猫は蔵元と蔵人5人の計6人をモチーフにして、イラストレーターの河瀬かわこさんが描いています。
裏ラベルには「弊社製造スタッフ5名をモチーフに」となっていますが、ラベルの右下の麹の世話をしているメガネをかけた猫はどう見たって、蔵元の小松大祐さんです。
また、話題作りにと、河瀬さんが蔵の洗米作業を手伝うユーチューブが配信されていますが、ご丁寧に全員が猫の耳をつけて、雰囲気を盛り上げています。
お酒の方は食前か食事前半に楽しめる軽快な酒を目指して造ったようで、アルコール度数も14度の原酒です。
上立ち香は搾りたての初々しくフレッシュな麹バナの香りが。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を纏って、半ば浮き上がるようにして滑り込んできます。
受け止めて保持すると、気泡のプチプチとした破裂をBGMに膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。
甘味は流動性はあるもののしっかりと蜂蜜由来を感じ、旨味はシンプル無垢な肌理の細かな印象で、両者は足並みを揃えて奥ゆかしくも蕩けるような舞いを披露します。
流れてくる含み香は洋梨系の甘い香りで煌びやかにデコレート。
後から酸味が結構な量、現れるのですが、青リンゴ主体の酸味は甘旨味に覆い被さって、どんどん内部へと溶け込んで甘酸っぱい世界へと変身していくのです。
終盤まで甘酸の活力ある舞いが続き、最後は反転縮退して昇華して行きました。
まさに、夕食の一杯目を飾るのに最適な味わいでした。
お酒の情報(22年113銘柄目)
銘柄名「ニャン齢(にゃんれい)=万齢(まんれい)仕込18号
特別純米 生酒 2021BY」
酒蔵「小松酒造(佐賀県唐津市)」
分類「特別純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「55%」
アルコール度数「14度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「720ml=1513円」
評価「★★★★★(98点)」