山口「天美 純米吟醸 生原酒」洗練されたスレンダーな甘旨味がチャーミングに踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌に山口県下関市の長州酒造さんのお酒をまとめて取り寄せて吞み比べることにしました。

3本目はこれです。

「天美(てんび)純米吟醸 生原酒」。

 

杜氏に採用されて2007年に神奈川県小田原市に引っ越してきた藤岡美樹さんですが、それから数ヶ月後に相田酒造店が廃業してしまい、途方に暮れます。

そんな折に手を差し伸べてくれたのが、藤岡さんが農大時代に研修先として足を運んだ香川県・川鶴酒造の蔵元でした。

川鶴酒造はその時、造りの体制には不足がなかったこともあり、藤岡さんは商品開発の仕事に就きます。

「お酒は造るだけでなく、売る努力も必要」と痛感した直後だったので、藤岡さんは生き生きと仕事に携わり、日本酒ベースのリキュールや酸っぱい低アルコールにごり酒の「讃岐くらうでぃ」などを商品化して、ヒットをさせていくのでした。

 

さて、3本目は2本目と同じ今年の新酒、純米吟醸、生原酒です。

上立ち香にはイソアミルの香りに麹バナの香りが混じって鼻腔をくすぐります。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を包含したとろみ層を適度に乗せて、瑞々しい雰囲気で滑り込んできます。

 

受け止めて保持すると、気泡の破裂をBGMにして軽快に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味は純度の高いザラメ糖系のタイプ、旨味はシンプルで滑らかな印象で、両者は仲良く、チャーミングな舞いを披露します。

 

流れてくる含み香は鮮度の高いフルーティーな香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れ、爽快なメリハリを作ります。

終盤まで、洗練されたスレンダーな甘旨味の舞いが続き、最後に飲み下した後の余韻は短く、さっぱりしたものでした。

2造り目に入った天美。是非、ラインナップを増やして欲しいところです。

 

お酒の情報(22年26銘柄目)

銘柄名「天美(てんび)純米吟醸 生原酒 2021BY」

酒蔵「長州酒造(山口県下関市)」

分類「純米吟醸酒」「生酒」「原酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=3300円」

評価「★★★★★(98点)」