都内の超人気銘酒居酒屋にでかけました。
たくさんのお酒をいただいた中から一部を紹介します。2~4本目はこれです。
「仙禽(せんきん)初槽 あらばしり&なかどり&せめ」。
栃木県さくら市のせんきんさんが醸しているお酒です。
日本酒は仕込みタンクで育った醪が、搾るタイミングがくると圧搾するわけですが、その際、槽口から最初に出てくる澱が混ざったのが「あらばしり、荒走り」といい、続いて澱が消えて清澄になった部分を「なかどり、中取り、中汲み」、さらに醪へかける圧力を高めて残りのお酒を搾ると出てくる部分を「せめ、攻め、責め」と呼んでいます。
通常はそれらをまとめて受けタンクに入れて、澱を下げてから瓶詰めをして出荷します。
それをあえて3つの種類に分けて、「あらばしり」だけ単独で出す蔵が結構あります。
また、「中取り」だけを大事な銘柄に使い、「あらばしり」と「せめ」は別の安い銘柄に使うという蔵もあります。
10年ほど前には最後の「せめ」だけを瓶詰めして販売する酒蔵も結構ありましたが、近年はだんだんとやる蔵が少なくなっています。
しかし、日本酒に関心を持ち、もっと日本酒の味わいに詳しくなりたい、と考える人たちにとっては、3種類のお酒を吞み比べてみたいものです。
そんなニーズが一部にあることから、せんきんは頑張って、冬場の最初の醪で毎年、トリオで出しています。
麹に山田錦50%精米、掛米に山田錦60%精米を使った“純米吟醸”規格の無濾過生原酒です。
いつもと違う表現になります。
「あらばしり」はもちろん、一番ガス感が強くてシュワシュワしているうえに、澱が絡んでいるので甘旨味は余り大きく広がらずに、味わいはドライ感さえあるスレンダーなものでした。
「なかどり」はガス感はなく、若干の澱が残るので、太めで上質な甘旨味を適度に引き締め、そこに酸味と渋味が加わって、非常にバランスのよい仕上がりでした。
「せめ」は甘味が中取りと似ており、旨味は中取りよりも多彩で、それに酸味というよりは個性的な渋味が参戦して極彩色の世界を描きます。それでも無駄に大きくは広がらずに終盤まで活性度高く舞うのです。
同じ醪ですから、ほとんど同じ味わいですが、どれが一番かと問われれば、「せめ」を選びます。
しかも、「あらばしり」や「なかどり」よりも安いのだから驚きです。
お酒の情報(21年40銘柄目)
銘柄名「仙禽(せんきん)初槽 あらばしり 2020BY」
酒蔵「せんきん(栃木県さくら市)」
分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」
原料米「山田錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「麹米=50%、掛米=60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「1800ml=3600円」
評価「★★★★★(4.4点=95点)」
お酒の情報(21年41銘柄目)
銘柄名「仙禽(せんきん)初槽 なかどり 2020BY」
酒蔵「せんきん(栃木県さくら市)」
分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」
原料米「山田錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「麹米=50%、掛米=60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「1800ml=3600円」
評価「★★★★★(4.4点=96点)」
お酒の情報(21年42銘柄目)
銘柄名「仙禽(せんきん)初槽 せめ 2020BY」
酒蔵「せんきん(栃木県さくら市)」
分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」
原料米「山田錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「麹米=50%、掛米=60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「1800ml=3400円」
評価「★★★★★(4.4点=97点)」