石川「獅子の里 超辛純米」表面がギザギザな旨味が酸渋を従えて、チクチクとした感触に終始する | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

お気に入りの銘酒居酒屋にお邪魔して、気になったお酒を次々といただくことにしました。

最後の6本目はこれです。

 

 

獅子の里(ししのさと)超辛純米」。石川県加賀市の松浦酒造さんが醸しているお酒です。

 

松浦酒造は創業が1772(安永元)年創業の非常に歴史のある蔵です。

山中温泉の中心地に蔵があり、温泉地の発展と軌を一にして栄えてきましたが、オイルショック後の日本酒の低迷で苦境に。

 

このため、十四代目蔵元の松浦文昭さんは改革を決意します。

1994年に帰蔵して、南部杜氏の八重樫正志さんの下で酒造りを学び、2002BYから蔵元杜氏になっています。

 

温泉地の旅館向けの安い普通酒とは決別し、蔵元自らが手作りで少量の付加価値の高い酒で勝負をかけるためだったそうです。

現在は300石程度の醸造量でこだわりの酒造りに力を入れています。

 

さて、今夜いただくのは、地元産米65%精米の定番、純米酒です。いただきます。

 

 

上立ち香は酒のチリチリとしたエキスの香りが仄かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、表面にうっすらととろみ層を乗せて、ゆらゆらと揺れながら、ゆっくりと転がり込んできます。

 

受け止めて舌の上で転がすと、促されるままにのんびりとした態度で膨らみ、拡散しながら、適度な大きさの硬いゴム様の粒々を連射してきます。

粒から現出してくるのは、甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のからりとしたタイプ、旨味は表面がギザギザで力強さがあり、甘味はすぐに儚く萎えてしまい、旨味のチクチクとした世界が描かれるのです。

 

流れてくる含み香は酒エキスの濃い香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れると、旨味はそれらを従えて、ジグザグに駆け回り、味わいは最後まで落ち着くことなく、神経質なまま終盤を迎えるのです。飲み下した後の余韻は地味なものでした。

 

 

ごくごく普通の超辛口酒でした。

 

お酒の情報(20年202銘柄目)

銘柄名「獅子の里(ししのさと)超辛純米 2019BY」

酒蔵「松浦酒造(石川県加賀市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税抜)「1800ml=2660円」

評価「★★★★(4.2点)」