自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。
「人気一(にんきいち)初しぼり 純米吟醸 生酒」。
福島県二本松市の人気酒造さんが醸しているお酒です。
人気酒造は2007年創業。奥の松酒造の蔵元次男だった遊佐勇人さんが、「特定名称酒だけの銘酒蔵を作りたい」と考え、二本松市にあった大内酒造の経営権を取得し、社名を変更してスタートした会社でした。
当初は大内酒造の蔵の建物を利用して、最新の洗米機などを導入して酒造りを始めていましたが、2011年の東日本大震災で古い蔵は打撃を受け、結局、その後、別の場所に新しい蔵を建てています。小ロット洗米、小仕込み、全量瓶貯蔵などを実践していて、立ち上がりから評判の高いお酒を造ってきています。
今夜いただくのは2019BYの仕込み1号の生酒です。いただきます。
上立ち香はフレッシュな生酒特有の麹バナの香りがほんのりと。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触を振り撒きながら、元気よく滑り込んできます。
受け止めて保持すると、自律的に軽快なテンポで膨らみ、拡散しながら適度な大きさのガラス玉様の粒粒を速射してきます。
粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。
甘味はひんやりとした氷砂糖を思わせるタイプ、旨味は肌理の細かなとろりとした印象で、両者は端からヘルシーでエモーショナルな踊りを展開します。
流れてくる含み香はフレッシュフルーティーな初々しい香りでデコレート。
後から渋味が適量やってきて、隠し味役を受け持ち、味わいの舞台の前面は終盤まで甘旨味が受け持って踏ん張り、飲み下した後の余韻も優しい甘さでした。
福島県のお酒は特定名称酒に限れば、ほとんどが文句ないレベルです。
お酒の情報(20年87銘柄目)
銘柄名「人気一(にんきいち)初しぼり 純米吟醸 生酒 2019BY」
酒蔵「人気酒造(福島県二本松市)」
分類「純米吟醸酒」「生酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「60%」
アルコール度数「16度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税抜)「720ml=1360円」
評価「★★★★★(4.4点)」