『メタンフェタミン』という薬物を知っていますでしょうか?
 
名前くらいは聞いたことあるのではないでしょうか?
どんな薬物か知っている方は、知識人か理系の方でしょう。
悪用したことがある人は、これを機会に警察に自首しましょう。
 
というわけで、『メタンフェタミン』は覚せい剤の一つです。
 
現在、「覚せい剤取締法」で規制されている覚せい剤の成分は2種類あります。
「アンフェタミン」と『メタンフェタミン』です。
「アンフェタミン」は、1887年にルーマニアの化学者ラザル・エデレアーヌ氏が「エフェドリン」から合成に成功しています。
そして、異称「the queen of ice(氷の女王)」と言われている『メタンフェタミン』は1988年に日本の薬学者の長井長義氏が開発した薬物になります。
(長井氏は1899年、勅令第344号により学位に「薬学」が加えられた際に、薬学博士第1号となった人物です。)
開発したといっても、それを目的に作ったわけではなく、喘息の薬の研究中に偶然できた薬物なのです。
(ちなみに、ラザル氏と長井氏は同じ大学の同窓生です。
また、以前紹介した「アドレナリン」を発見した人高峰譲吉氏とは、同時期に長崎で学んでおり、上野彦馬写真館というところで舎密学(化学)に加え、薬の取り扱い方を学んだとされています。
この上野彦馬氏は日本最初の戦場カメラマンとしても有名で、坂本龍馬や高杉晋作ら幕末に活躍した若き志士や明治時代の高官、名士の肖像写真を数多く撮影した人物です。)
 
『メタンフェタミン』の合成に成功した当時は、今のような覚醒作用は発見いなかったため、第二次世界大戦当時には連合国軍と枢軸国軍の双方で、航空機や潜水艦の搭乗員を中心に、「士気向上」や「疲労回復」の目的で用いられていたそうです。
ナチスは「戦車用チョコレート」「パイロットの塩」として兵士に支給しており、日本でも、「疲労をポンと取る」または「ギリシア語のピロポノス(労働を愛する)」という意味で「ヒロポン」という名前で使われていました。
「ヒロポン」は「本土決戦兵器」の一つとして日本国内で量産され、終戦時でも大量に備蓄されており、終戦後はその備蓄品が市場に流れ、中毒患者が50万人を超えるなどの社会問題となりました。
 
さて、『メタンフェタミン』は喘息の薬の研究中に偶然できた薬物と言いましたが、その喘息の薬は先ほど出てきた「エフェドリン」という薬物になります。
「エフェドリン」は漢方薬の「麻黄」に含まれる成分で、「気管支喘息」や「感冒に伴う咳」「鼻粘膜の充血」等に現在も用いています。(『メタンフェタミン』も限定的な治療や学術研究では使用されています。)
 
この「エフェドリン」から『メタンフェタミン』が生成されるので、「薬にも毒にもなる」という言葉がよく似合う薬物になります。
人類のためになるから、良かれと思って、という作成者の思いとは裏腹に、使用する人の欲で逆のことが起こることは、世の中には意外と多くあります。
覚せい剤は「ダメ!ゼッタイ!」です。
 
参考資料:
毒と薬の化学 (著:佐竹元吉)
参考URL
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69100778.html (アスリートとお薬の関係(ドーピングについて))
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69485373.html (「アドレナリン」と「ビタミンB1」の共通点)
https://ja.wikipedia.org/wiki/メタンフェタミン

日本の夏と言えば海水浴にプールですが、熱海や草津など日頃行けない「温泉」も人気でしょう。
暑い日に入る熱いお風呂の後の一杯、最高ですよね。
 
温泉に入るなら、「温泉宿」が一番ではないでしょうか?
1泊2日あれば、自分のペースでゆっくり入れて、夜はその地の特産品を使った料理がずらりと並び、家族や気の合う人の笑顔があふれること間違いなし。
「温泉宿」は明日からの活力を得る最高の場所の一つですよね!
 
さて、そんな「温泉宿」について部屋に入ると、机の上にポツンと『お茶』と『お菓子』が必ずと言っていいほど置いてあります。
『お茶』は茶葉やティーパック、『お菓子』はその地の銘菓だったり、その宿の売店で売られている商品だったりしますが、なぜその『お茶』や『お菓子』は置いてあるのか、知っていますか?
 
宿に来て最初に口にするであろう『お茶』と『お菓子』は、「おいでやす」という、女将のおもてなしの心?なのでしょうか。
この『お菓子』おいしいよ!あっ、売店で売っていますから帰りに買って帰ってね!という宣伝?なのでしょうか。
 
そのような目的もあるとは思いますが、本当の理由は違います。
 
『お茶』が置いてあるのは、「入浴時の脱水症状を防ぐため」です。
ホテルなどは「お水」や「コーヒー」「紅茶」が置いてありますので、水分補給なら「お水」でいいじゃん!なんて思った方いると思いますが、『お茶』は水分補給のほかに『お茶』に含まれるビタミンCによって「湯あたりを防ぐ」効果もあるため、「お水」ではなく『お茶』が置いてあるのです。
 
『お菓子』が置いてあるのは、「入浴中の低血糖を防ぐため」です。
「温泉」は、入っているだけでもいつものお風呂より体力を消費します。
もし、空腹の状態で入浴すると、「貧血」を起こし、最悪、「低血糖」を引き起こす可能性があります。
そのため、温泉に入る前に、空腹を防ぎ、血糖値を上げておく必要があるため、『お菓子』が置いてあるのです。
 
ですので、必ず『お茶』と『お菓子』は宿泊する人数分用意されているのです。
 
「温泉」は日頃入っているお風呂とは違い、成分も違い、温度も高めです。
温泉宿に着いた際は、ぜひ(子供に全部食べられる前に!!)『お茶』と『お菓子』を食べ温泉に入りましょうね!
 
参考資料:
知識の博覧会(著:曽根 翔太)
参考URL

『飲酒』は、一部の喘息患者さんでは喘息症状を【悪化】させる場合があります。
 
アルコール(エタノール)は、肝臓で「アセトアルデヒド」に分解され、アセトアルデヒド脱水酵素(ALDH)で分解、「酢酸」に代わり、その「酢酸」がほかの臓器や組織で「水」と「炭酸ガス(二酸化炭素・CO2)」に分解され、体外に排出されます。
しかし、日本人の約半数は「ALDH」の活性が低い遺伝子を持つため、日本人は「アセトアルデヒド」が分解されにくく「二日酔い」になりやすい人種、ということは以前お話ししました。
 
もし、「ALDH」の活性が低い遺伝子を持つ喘息患者さんが「アルコール」を摂取すると、どうなるのか?
「アセトアルデヒド」は体内に残りやすくなり、「アセトアルデヒド」のヒスタミン遊離作用により気道が収縮、【喘息発作が起こる】可能性が出てきます。
この喘息発作は、通常、アルコールを摂取してから5分以内に誘発されます。(アルコール誘発喘息)
ですので、喘息患者さんは特に『飲酒』には気を付けなければいけません。
 
また、喘息の治療に用いられる吸入薬の中には「エタノール含有エアゾール剤」があります。
「キュバール」や「オルベスコ」「メプチン」などには、添加剤として「無水エタノール」が含まれており、これらの吸入薬を「ALDH」の活性が低い遺伝子を持つ喘息患者さんが吸入すると、逆に喘息発作を起こす可能性がありますので使用には注意が必要です。
 
アルコールに弱い方はどのようなお薬でも注意が必要ですが、喘息患者さんは特に注意が必要ですので、必ず医師・薬剤師に伝えましょう。
 
参考資料:

RP+ 気管支喘息・COPDの吸入剤 (Vol.17 No.1 2018

参考URL

早く『もぐもぐタイム』こないかなぁ、と午前10時くらいからお昼が待ち遠しい私ですが、皆さんは『もぐもぐ』好きですか?
 
「食べること」は元気の源で、『もぐもぐ』しながらかみ砕き食べることは一哺乳類にとって当たり前の行為ですよね。
 
この『もぐもぐ』する行為、食べるものを噛む行為、いわば『咀嚼(そしゃく)』は哺乳類だけの行為で、他の生き物は『咀嚼』をしません。ワニなどには歯がありますが、その歯は獲物を噛み切ったり、獲物が逃げないように引っかける役割しかあらず、ほぼ獲物は「丸呑み」され胃へ送られます。
 
哺乳類とその他の動物と違う部分は、「『咀嚼』するためのスペースや部位が有るか?無いか?」です。
哺乳類の口には「口蓋」と「頬」と「唇」がありますが、それが『咀嚼』するためには必要なものであり、他の動物にはそれらがあまり発達していないため「丸呑み」という行為しかできないのです。
 
『咀嚼』には、「唾液」もとても重要です。
かみ砕いたものはそれだけではうまく飲み込めません。
「唾液」はうまく飲み込むために大変重要で、また、咀嚼している段階で「唾液」に含まれる消化酵素で食物中の成分を溶け出させ、胃での消化を助けてもいます。
食事中の成分が溶け出すということは、それが食べ物の「味」となり、味覚が刺激を受けるということです。
 
最近は、食文化の変化(柔らかいものを好むなど)でよく噛まない人が多くなりました。
よく噛まないということは、顎の筋肉が弱くなったり、唾液が不足(虫歯増加)したり、脳の活性低下(IQの低下)や体重増加など、体にとって悪影響を及ぼしてしまいます。
「よく噛んで味わう」ことは、哺乳類にしかできないとも言えますので『もぐもぐタイム』はぜひ、よく噛んで素材の味を味わいながら楽しく行いましょう!
 
参考資料:
面白くて眠れなくなる人体 (著:坂井建雄)

「かかりつけ薬剤師」ではない、他の薬剤師にお薬を処方してもらったとき、あなたはその情報をどうしますか?
 
「かかりつけ薬剤師」は、自身のお薬の服用情報などを自身が決めた薬剤師に『一元管理』してもらわないと意味がありません。
『一元管理』とは、何もお薬だけではありません。ビタミン剤などのサプリメントや養命酒・青汁などの健康食品、自身が生活の一部として取り入れているものも管理してもらわないと意味がないのです。
 
患者さんは「かかりつけ薬剤師」を持つ際、必ず薬局側が用意する「同意書」というものにサインをしますが、その「同意書」は、薬剤師からの説明をきちんと受け、自身でくまなく読んでいますでしょうか?
 
この「同意書」は、日本薬剤師会でダウンロードできる資料を基に作成されている場合が多いと思います。この資料を基に、薬局側が薬局名を入れれば簡単に「同意書」が作成できるからです。
そこには『医療機関を受診したり、ほかの薬局を利用される際には、「かかりつけ薬剤師」を決めていることをお伝えください。』と記載があります。
 
その「同意書」にサインをした、ということは「他の薬剤師に処方してもらったという情報を「かかりつけ薬剤師」に報告しなければならないという【義務】が患者さんに発生する」ということです。
また、薬局側は「「かかりつけ薬剤師指導料(73点)」を毎回(処方箋受付1回につき)とっていいよ!と、患者さん側から同意を得ることができた。」ということなのですから、無駄な73点になるか、有益な73点になるかは患者さん次第なのです。
 
また、「かかりつけ薬剤師」には24時間相談をすることができます。
「かかりつけ薬剤師」は自身のお薬に関する悩み(残薬や家にある薬を飲んでいいかどうかなど)を一手に引き受けてくれて、なおかつ24時間いつでも電話していい!という特典が付いているようなものです。
疑問に思った時、すぐに相談をすることができるのに、「かかりつけ薬剤師」に会った際に相談を受けるという行為は正直、73点という医療費を考えるうえでは、もったいない行為と言えるのです。
会ったときにお薬の相談することが多い方や、残薬が自分で調節できる方などは、無理に「かかりつけ薬剤師」を持たないほうが、自身の自己負担的にも国の医療費的にもいいのです。
 
「かかりつけ薬局」や「かかりつけ薬剤師」は、きちんと患者さん自身で考え同意することが大切です。
 
正しい医療は、病院や薬局が儲かることではなく、正しく適切に医療行為や調剤行為が行われることです。そのためには患者さんも正しい治療を行う「構え」も必要なのです。
情報をたやすく得られる時代にもかかわらず、言われていない、知らなかった、ではやはり無駄を増やすだけなのです。
 
薬剤師をうまく使い、賢く付き合うことができれば医療の無駄はなくせる!と思います。
 
参考URL

イメージ 1

最近、うちの薬局に『真空管アンプ』と『レコードプレーヤー』で、『レコード(LP)』を聴くスペースを設けました。
 
今までの店内のBGMはインターネットラジオでしたが、家にこれらがあまり使われず置いてあったため、ちょっと店頭に置いてみようと思い、試しで店内のBGMとして使用しています。
おかげさまで、年配の方にはすこぶる良い評判をいただいております。
会話のネタにもなるので、患者さんとのコミュニケーションを取る一つの方法として活躍しています。
 
さて、「『レコードの音』と「CDの音」、人間にとって心地いいのはどっち!?」と聞かれたら、たいていの人は『レコードの音』と答えるのではないかと思います。
『レコードの音』をそれほど聴いたことがない人でも「CDよりレコードの音のほうがいいんじゃね!?」と感覚で答えるのではないでしょうか?
 
2013年の放送ですが、「所さんの目がテン!」という番組で『レコードの科学』と題し『レコード』を様々な角度から検証したそうです。
その番組によると、「生演奏」「CD」そして『レコード』の3つの音の比較をした結果、
①「生演奏」は縦軸周波数で40000Hzまで。かなり上の方まで強く、いろいろな成分が出ている。
②「CD」は、22000Hzより上の方が全くない。「CD」はコンパクトディスク、すなわち、人が聞こえない範囲の音(22000Hz以上の音)は、データをコンパクトにするためあえてカットしている。
③『レコード』は、人には聴こえない高い音域まで収録されており、ライブの演奏に近い波形を示している。
(人間は、個人差はありますが、通常、下は20Hz程度、上は1500020000Hz程度までの鼓膜振動を音として感じることができます。)
 
また、「脳波」にも変化があります。
人間の「脳波」には、リラックスした時に出る脳波「α波」と、緊張した時に出る脳波「β波」があります。
『レコードの音』と「CDの音」をそれぞれ聴き比べると、『レコードの音』を聴いたほうが「α波」の優勢率が増え「β波」の優勢率が下がった方が多かった、という結果になりました。
ですので、『レコードの音』はリラックス効果があり、また「CD」にはなく「生演奏」にある、人には聞こえない高い音域まで収録されているため、『レコードの音』のほうが「CDの音」より、よりよく聴こえる、自然に聴こえる、となるんだそうです。
 
店頭では大きい音が出せないのが難点ですが、「リラックス効果」があるのはうれしい限りです。
 
日本では、あまり使われない『レコード』。
最近では、安価で見た目のいい「レコードプレーヤー」も売っているので、もしタンスの中に眠っている『レコード』が家にあるのであれば、ぜひ引っ張り出してきて休日のお供にするのもいいと思いますよ!
 
参考URL

耳鼻科で『ブロー氏液』をもらったことあるでしょうか?
 
『ブロー氏液』とは、ドイツの外科医で眼科医の「Karl August von Burow18091874)」氏が考案した点耳薬です。(当時は様々な皮膚の状態に使用されていたそうです。)
13%酢酸アルミニウム」を主成分とし、強力な「殺菌作用」と「収斂作用」がある一方、耳毒性がないので感染性耳疾患のほとんどに使いやすく、かつ著効を示します。
適応は、1)慢性中耳炎、2)中耳手術術後症、3)慢性外耳道炎、4)外耳道湿疹、5)外耳道真菌症、6)慢性肉芽性鼓膜炎などです。
1)、2)は約80%、3)~6)はほぼ100%治癒し、MRSA・緑膿菌・真菌にも効果があります。
 
この『ブロー氏液』は、いろいろな耳鼻科や薬局で「作って」います。
はい。「作って」います。
この作成がなかなか大変なんです。
 
~「迅速調整法によるブロー氏液」を作る時の調整方法~
①塩基性酢酸アルミニウム48.2g、酢酸41.5ml、酒石酸22.5gを秤量し、精製水400mlに懸濁する
②沸騰湯浴中(煮沸滅菌器)で80分~90分間加温溶解する
③ゆっくり自然冷却した後に、精製水で500mlにメスアップする
④密封ガラス瓶(遮光)に分注し、室温保存する
 
元々ブローさんが考え出した製法では35日かかって回収率が53割以下ですので、この製法のおかげで、作成に時間も労力も大幅に削減できるようになったのですが、1人薬剤師などの薬局での作成は、正直少し負担があります。
たくさん出るお薬ではないのですが、使用期限ももって半年くらいなので、そう多く作り置きもできません。
 
以前、耳鼻科では「耳垢水」という、頑固な耳垢を柔らかくしてとりやすくするお薬も作成していました。
現在ではこの「耳垢水」は商品化され、耳垢除去剤「ジオクチルソジウムスルホサクシネート耳科用液5%「CEO」」という、非常に長ったらしい名前で販売されています。
できれば『ブロー氏液』も商品化されてほしいのですが、まだまだ先になりそうです。
 
『ブロー氏液』は抗生剤でも無効な難治性の中耳炎を9割方治してしまうので、難治性の中耳炎などでお困りの方は『ブロー氏液』を考えてみてもいいと思います。
 
参考URL
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69385509.html (『外耳炎』と『中耳炎』と『内耳炎』の違い)

高校野球の応援歌といえば!?
名曲『サウスポー』を思い浮かべる方も多いと思います。
 
『サウスポー』とは「左利き」の人のことを意味しますが、なぜ「左利き」は『サウスポー』というのでしょうか?
 
『サウスポー』の語源には「野球場の設計」が関係しています。
「野球場」は、ホームから2塁を結ぶ直線が【東北東】を向くように設計されています。
このことは、公認野球規則の競技場という項目に「努力義務」として記入もされている事項です。
 
ホームから2塁を結ぶ直線が【東北東】を向くように設計された球場では、一塁側、三塁側共に大半の席がデーゲームでも直射日光が当たらず「日陰」になります。
観客にとってはまさに理想の設計なのです。
 
ちなみにアメリカのスタジアムはほとんどが【東北東】ですが、日本は場所によりさまざまです。
・広島市民球場・・・東北東(観客にとっては理想の球場!)
・明治神宮野球場・・・北北東
・横浜スタジアム・・・北北西
・阪神甲子園球場・・・南
・宮城球場・・・南南西
・千葉マリンスタジアム・・・南西
 
日本の球場の多くは、「国民体育大会」や「学生野球」といった「教育の一環」として建設されており、興行面を重視するよりも、守備に就くプレイヤーが午後のデーゲームで太陽が視野に入らないよう配慮した設計をしているため、規定を無視して本塁を「北から北北東」に設置する場合が多いんだそうです。
 
で、話を戻しますが、そんな理想の球場(ホームから2塁を結ぶ直線が【東北東】を向くように設計された球場)でボールを投げる投手が「左投手」だった時、前足を【南】の方向に向け振りかぶりボールを投げることになります。
 
そう、『サウスポー』は「South Paw」=「南の前足」という意味からきているのです。
左手で投げるから『サウスポー』ではなく、左手でボールを投げると前足が南を向くから『サウスポー』だったです!
 
おまけ:「甲子園球場」ネタでもう一つ。
「甲子園球場」の「甲子」は十干十二支が関係しています。
「甲子園球場」は、ニューヨークにあったニューヨーク・ジャイアンツの本拠地「ポロ・グラウンズ」をモデルに設計され、完成するまでの名称は「枝川運動場」という名前でした。
全国中等学校優勝野球大会の開催を主目的として建設され、起工式が1924311日、竣工式は同年81日に行われました。
1924年は十干十二支の最初の組み合わせである「甲子年」という縁起が良い年であったため、後に『甲子園大運動場』と命名、1964214日に現在の『阪神甲子園球場』となったとのことです。
*十干:時間と空間を表す
*十二支:時刻や方角を表す
*十干十二支:年や日を表す
 
参考資料:
知識の博覧会(著:曽根翔太)
参考URL
https://ja.wikipedia.org/wiki/阪神甲子園球場
https://kotobank.jp/word/十干-521143#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
https://kotobank.jp/word/十二支-77292#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
https://kotobank.jp/word/十干十二支-73969#E3.83.96.E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85.E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8

『ビタミンC』とっていますか?
ビタミンといえば、この『ビタミンC』を思い浮かべる人は多いと思います。
レモンなどの柑橘系はもちろん、ウーロン茶などの酸化防止剤や女性にうれしいコラーゲンの合成にも関与と、人間にとって大変重要なビタミンの一つです。
 
さて、生命を保つためにはこの『ビタミンC』は不可欠で、不足してしまうと「壊血病」という症状を引き起こしてしまいます。
「壊血病」は、『ビタミンC』の不足により「コラーゲン」が正常に作られなくなるために起こります。発症すると、強い疲労感と衰弱、皮膚を押すと凹んだままで張りを失ったり、鼻や口から出血、全身の皮膚の下に紫のあざができたり、下痢、関節の痛み、歯の脱落などが起こります。(なお、乳児の「壊血病」は「メラー=バーロー病」といいます。)
 
「壊血病」は、古くからの人類の悩みの種でした。
古代ギリシャ時代には「ジステンパー」という名で類似の症例が知られており、新石器時代の遺跡からもそれらしき人骨が発見されています。
また、9世紀ごろのバイキングや13世紀の十字軍にも「壊血病」とみられる記録が残っています。
明確に「壊血病」として記録が残るのは、15世紀末の大航海時代が始まってからです。
 
大航海時代では、船乗りたちのほとんどがこの「壊血病」に悩まされます。
船の上では『ビタミンC』の源となる新鮮な野菜や果物が腐りやすいため持ち込むことができず、長期保存できる食材(堅焼パン、塩漬けの肉など)しか口にできなかったからです。
ヴァスコ・ダ・ガマの航海(14971499年)では、第1回航海のアフリカ最南端の喜望峰を回った時点で、すでに160人(4隻で170人)中100人以上の船乗りが「壊血病」にかかり亡くなっています。
149778日、リスボンから出発
149783日、ヴェルデ岬を出航
1497114日、セントヘレナ湾(アフリカ大陸最南端の喜望峰の北約200㎞地点)に到達
*北上へ転回した頃から「壊血病」を発症して命を落とす船員が出始める
149832日、モザンビークでスワヒリ族と接触
 
18世紀半ばでも、イギリス海軍が4年かけて航海した間に1000人以上を「壊血病」で失っています。(この間、戦死した者はわずか4名だったそうです。)
 
一方、中国では5世紀ごろに『ビタミンC』を含むショウガが「壊血病」に対して有効であることが知られており、船中でその鉢植えが栽培されています。
1601年には、イギリスを出港した東インド会社の艦隊の旗艦に「レモン果汁」を積み込んでおり、「壊血病」を発症した者は、さじ3杯飲むよう指示が下されていました。
 
このように「壊血病」の解決方法があったのにもかかわらず、そこまで広く普及しなかった理由として、
①古代ギリシャのヒポクラテスやガレノスが唱えた「体液学説」の影響があった。
②「壊血病」は「梅毒」などに似た部分があり、区別がしっかりとつけられていなかった。
③船倉の悪い空気が原因(感染症)という説。
④船員が怠けているから。
など、病気の原因や治療法の整理がついていなかったことが原因とされています。
 
『ビタミンC』の発見は、20世紀に入ってからでした。
1920年、イギリスの「ジョン・ドラモンド」がオレンジ果汁から還元性のある抗壊血病因子を抽出し、これを『ビタミンC』と呼ぶことを提案します。
1927年に、ハンガリーの「セント=ジェルジ・アルベルト」がウシの副腎から「ヘキスロン酸」を単離、モルモットで実験したところ「壊血病」を防ぐ効果があることを発見します。そして、1932年にこの「ヘキスロン酸」が『ビタミンC』であることが判明。
1933年に、イギリスの「ウォルター・ハース」がそれを『アスコルビン酸(「壊血病に抗する」という意味)』と命名し、同年、ポーランドの「タデウシュ・ライヒスタイン」らが『ビタミンC』の人工合成に成功したことで、人間は「壊血病」に完全に対抗できるようになりました。
 
現代では健康食品、サプリメントなどに当たり前のように入っている『ビタミンC』は、人類の苦労の賜物といえるでしょう。
 
参考資料:
世界を変えた薬(著:佐藤 健太郎)
参考URL
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴァスコ・ダ・ガマ#アフリカ沿岸航行
『つわり』は「悪阻(おそ)」ともいい、主に妊娠初期に起こる「吐き気」と「嘔吐」のことを言います。
『つわり』は、妊娠5週頃から出現し、16週頃には軽快する方が多いのですが、妊娠後期や出産直前まで続くケースもあります。
 
『つわり』の語源はなんでしょうか?
『つわり』は「やまとことば」で、動詞「つわ・る」からきています。(「悪阻」は漢語。)
「つわる」は2つの意味があり、
①妊娠して『つわり』になる
②芽が出る、芽ぐむ、きざす
という意味があります。(ちなみに、宇和島の方言「つわる」は、「熟成」を意味します。)
②の「芽が出る」という意味が「新しい生命が宿る兆し」と重なり、妊娠初期に起こるこの症状を『つわり』と言うようになった、という説が有力です。
 
『つわり』の時期は、特に食事における「嗜好の偏り」が顕著です。
食事の「偏り」は、「糖分」と「水分」が十分にとれていれば問題はありません。
しかし、「鉄分」「タンパク質」「カルシウム」なども胎児には大変必要になる栄養素ですので、やはり食事はできるだけバランスを考え、糖分・塩分をとりすぎないように注意しましょう。
また、『つわり』時期に水分摂取量が低下すると「脱水」の状態に陥りやすくなります。「脱水」が進行すると、血栓形成を惹起する可能性があるので、そちらも注意しましょう。
 
「『つわり』症状の対処法」は以下のことを参考にしてみてください。
①普段の行動を置き換える。
 ・水を飲む。→「経口補水液」を飲む。(スポーツ飲料水は、半量を水で薄めて飲む。)
 ・湯船につかる。→体温が上がりすぎると気分が悪くなる可能性があるため、「ぬるめ」のお湯で、さっと「シャワー」を浴びる。
②対処法を置き換える。
 ・水分が足りない。水が飲めない。→氷を口に含む。(水の使用が多い食事にするなど。)
 ・冷えが気になる。湯船につかれない。→「足湯」で足元だけを温める。
 ・飴を舐めたいが、甘みが気持ち悪い。→「塩飴」に変更する。
 ・気晴らしをしたい!→スマホ、テレビなどではなく、「誰か」と話して気分転換。
 ・ブラの締め付けが苦しい。→「カップ付きキャミソール」に変更する。マタニティ用でも自身に合わない場合は「見直す」ことが大切。
③発想を転換する。
 ・バランスの良い食事がとれない。→赤ちゃんには「水分」と「糖分」が必要と考え、「今は何か口にできればそれでよし!」と思う。(妊娠中期以降から食事をとる工夫をしましょう。)
 ・気持ち悪くて何も考えられない!→『つわり』の時期は赤ちゃんのために体が準備をしている期間です。気をそらすよう心がけましょう。
④その他
 ・吐いてぐったりしていて、首や肩がつらい。→つらい部分を動かす「体操」をする。
 
父親はもちろん(というか当たり前に!)、周りの方も積極的に支えてあげましょう。
 
参考資料:
RP.+ 妊娠期のマイナートラブルとくすり(2017 夏 Vol.16 No.3
参考URL
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69553248.html (お腹の中の赤ちゃんへの声掛けはいつがベスト?)
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69776826.html (妊娠高血圧症候群(PIH)による頭痛)
https://seikou38.com/uwajima/宇和島の方言「つわる」/