お薬にはよく似た名前のお薬がたくさんあります。
中でも『テオドール』と『テグレトール』は間違えやすいお薬として有名です。
『テオドール』の成分名は「テオフィリン」で、キサンチン系気管支拡張剤。
気管支喘息などに適応があります。
一方、『テグレトール』の成分名は「カルバマゼピン」で、向精神作用性てんかん治療剤・躁状態治療剤。
てんかんや三叉神経痛などに適応があります。
 
これらのお薬の取り間違えは20091月から両メーカーが注意喚起をしていましたが、よく似ている名前で、しかもどちらの製剤も100㎎と200㎎が存在するため、今も勘違い等によりとり間違えをする事例が複数報告されています。
 
病院や薬局では、処方前に複数人で間違いがないか「2重チェック」「3重チェック」などをし「正確な調剤」を心がけていますが、多忙時・緊急時はうまく機能しない場合があります。
特に、一包化されているお薬は、一度PTP包装からお薬を取り出し、再度、人の手によって分包している場合がほとんどです。
その再分包されたお薬は、人の目によって数回確認され患者さんへと処方されるのですが、「入れ間違い」や「見落とし」が全くない状態で処方されるとは限りません。
 
ですので、お薬が処方されたら「飲む前に処方通りきちんと処方されているか確認する」ことが大変重要になります。
 
お薬には必ず『識別コード』があります。
例えば、
『テオドール200㎎』は「THEO-DUR 200
『テグレトール』は「CG 214
と、すべてのお薬に『識別コード』が存在します。
その『識別コード』は、処方時に薬局等から渡される「お薬の説明書(お薬の写真など)」に必ず記入されています。
一包化されているお薬を確認するときは、この『識別コード』を確認するといいでしょう。
 
外用薬などには、お薬が入っている容器などの表示に『有効期限』の記載があるものがあります。しかし、『有効期限』は「お薬の説明書」には記載がありません。
ですので、「開封前」にそちらも確認すると「期限切れ」や「間違い」などを未然に防ぐことができます。
なお、内服薬・散剤などの『有効期限』は、お薬が入っていた箱に記載があるため、薬剤師等に聞かなければわかりません。気になる方は処方元に直接聞きましょう。
 
処方されたお薬を最後に確認することができるのは『処方された患者さんや周りの方』です。
時には「薬剤師・医師を疑う」ことも自身の適正な治療には大切です。
明らかにお薬が違うと分かれば、「即座に処方元に連絡」しましょう!
 
参考URL
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00050240.pdf (テグレトール 添付文書)
世の中にはたくさんの『抗菌薬』があります。
『抗菌薬』は、細菌を退治したり、増殖するのを抑える薬のことです。
 
『抗菌薬』には、「天然のもの」と「合成のもの」があります。
「天然のもの」は天然抗菌薬といい、【抗生物質】ともいいます。
①β-ラクタム系
ペニシリン系薬:ペニシリン、サワシリンなど
セフェム系薬:
・第1世代:ケフレックス、ケフラールなど
・第2世代:パンスポリン、セフメタゾンなど
・第3世代:セフゾン、メイアクト、トミロン、バナン、フロモックスなど
・第4世代:マキシピームなど
・βラクタマーゼ阻害剤配合セフェム系:スルペラゾン
カルバペネム系薬:オラペネムなど
モノバクタム系薬:ユナシンSなど
ペネム系薬:ファロム
②アミノグリコシド系薬:ゲンタシン、ハベカシンなど
③リンコマイシン系薬:ダラシンなど
④ホスホマイシン系薬:ホスミシン
⑤テトラサイクリン系薬:ミノマイシンなど
⑥クロラムフェニコール系:クロマイなど
⑦マクロライド系薬:
14員環マクロライド(クラリスなど)
含窒素15員環マクロライド(ジスロマック)
16員環マクロライド
⑧ケトライド系薬
⑨ポリペプチド系薬
⑩グリコペプチド系薬:バンコマイシンなど
⑪ストレプトグラミン系薬
 
「合成のもの」は合成抗菌薬といいます。
A:キノロン(ピリドンカルボン酸)系薬
 ピリドンカルボン酸系またはオールドキノロン
 ニューキノロン系:キノロン系をもとに人工的に合成・発展させたもので、作用機序はキノロンと同一。
・第3世代キノロン(バクシダール、タリビッド、オゼックス、クラビットなど)
・第4世代キノロン(ジェニナック、ガチフロなど)
B:サルファ剤
 ST合剤:サルファメソキサゾール(サルファ剤)とトリメトプリム(抗菌薬)を51の比率で配合した合剤(バクタなど)
C:オキサゾリジノン系薬
 
【抗生物質(抗生剤)】は『抗菌薬』の一種で、『抗菌薬』は、感染症予防や治療に用いられる薬物「抗微生物薬」の一つです。
「抗微生物薬」使用の適応となる病態は、原則として「抗微生物薬」の投与が標準治療として確立している感染症と診断されている、又は強く疑われている病態です。
「抗微生物薬」には『抗菌薬』のほかに、「抗真菌薬」「抗ウイルス薬」などがあります。
・抗微生物薬
 ①抗菌薬
 ②抗真菌薬
 ③抗ウイルス薬
 ④その他
 
近年、「抗微生物薬」の適正使用が叫ばれています。
「抗微生物薬」は使用しすぎると「耐性」が問題になります。
「抗微生物薬耐性(AMR)」は、増加し続ける、細菌・寄生虫・ウイルス・真菌による感染症に対する有効な予防と治療に対する脅威となっています。
ここでよく出てくる問題としては、「感冒(風邪)に『抗菌薬』は本当にいるのか!?」という話です。
日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、感冒はウイルスによって引き起こされる病態であることから、『抗菌薬』投与は推奨しないとされています。また、感冒に『抗菌薬』を処方しても治癒が早くなることはなく、成人では、『抗菌薬』による副作用(嘔吐、下痢、皮疹など)が偽薬群(プラセボ群)と比べて 2.62 倍多く発生することが報告されています。
 
患者さんは、適切に処方された『抗菌薬』については、症状が改善したからといって途中でやめるのではなく、医師の指示通り「最後まで服用」すべきです。
また、『抗菌薬』が余る状況になった際には、それらの『抗菌薬』は適切に「廃棄」すべきです。
しかし、適切に処方されたのかなど、「処方された『抗菌薬』はなぜ処方されたのか?」という疑問が生じた場合は、医師や薬剤師に確認するほうがいいでしょう。
 
参考URL
『サルコペニア』って聞いたことあるでしょうか?
『ロコモティブシンドローム』は最近有名ですので、皆さんご存知でしょう。
じゃあ、『フレイル』は?
 
高齢者は特に、この3つの違いを知っておきましょう!
 
現在、高齢期に「運動器などの機能低下」によって、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)が損なわれる病態として『サルコペニア』『ロコモティブシンドローム』『フレイル』が注目を浴びています。
 
『サルコペニア』とは、「加齢」によって「筋肉量が減少」し、「身体機能が低下」した状態のことです。
『サルコペニア』は2種に分けることができます。
1次的サルコペニア:原発性サルコペニア、加齢性サルコペニアともいう。
加齢以外に明らかな原因がない場合。
2次的サルコペニア:活動・疾患・栄養が原因で発症。
 A:活動に関するサルコペニア・・・廃用症候群、寝たきり、外出する機会が少ない生活習慣など。
 B:疾患に関するサルコペニア・・・重症臓器不全、炎症性疾患、悪性腫瘍、内分泌疾患など。
 C:栄養に関するサルコペニア・・・低栄養、吸収不良、消化管疾患などに伴うカロリー不足やタンパク質低下。
 
なお、『サルコペニア』の有病率は2017年で65歳以上の129%、施設入所高齢者の1133%と明らかにしています。
 
『ロコモティブシンドローム』は、筋肉や骨、関節、軟骨、椎間板などの「運動器の障害」によって、「身体を動かす機能が低下」している状態です。
(ですので、『サルコペニア』は『ロコモティブシンドローム』の筋肉の障害に該当します。)
骨粗鬆症や骨折、変形性関節症、変形性脊椎症は『ロコモティブシンドローム』に該当し、『ロコモティブシンドローム』が進行すると、介護や介助が必要になることもあります。
 
『フレイル』は、「筋肉の低下」によって「俊敏性が失われ」、「転倒」しやすくなるような身体的問題(身体的フレイル)や、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題(精神神経的フレイル)、独居や経済的困窮などの社会的問題(社会的フレイル)を含む概念です。
(ですので、『フレイル』は『ロコモティブシンドローム』の上位概念となります。)
 
以下にチェックリストを書いておきますので、参考にしてください。
①サルコペニア3項目のうち1項目でも該当すれば『サルコペニア』の可能性あり。)
 ・歩くのが遅くなった(横断歩道を渡り切れない)
 ・手すりにつかまらないと、階段を上がれない
 ・ペットボトルのキャップが開けにくくなった
②ロコモティブシンドローム(7項目のうち1項目でも該当すれば『ロコモティブシンドローム』の可能性あり。)
 ・片脚立ちで靴下がはけない
 ・家の中でつまずいたり滑ったりする
 ・階段を上るのに、手すりが必要である
 ・家の中のやや重い仕事が困難である
 ・2㎏程度(1Lの牛乳パック2個程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である
 ・15分くらい続けて歩くことができない
 ・横断歩道を青信号で渡り切れない
③フレイル(5項目のうち3項目以上で『フレイル』、12項目で『プレフレイル』の可能性あり。)
 ・6カ月間で23㎏以上の意図しない体重減少があった
 ・ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする
 ・軽い運動、体操、農作業など、定期的な運動・スポーツをしない
 ・握力の利き手の測定で、男性26㎏未満、女性18㎏未満の場合
 ・通常歩行速度が1m/秒未満の場合
 
「階段が上れるか?」が一つの目安ですね。
無理のない運動、食事を実践することが『サルコペニア』『ロコモティブシンドローム』『フレイル』の予防につながります。
元気なおじいちゃん、おばあちゃんを目指しましょう!
 
参考資料:
クレデンシャル(August 2018/No.119) ~スポーツ科学から見たサルコペニア予防~より
通常、人間の体温は脳の視床下部にある「体温調節中枢」がコントロールし、ある一定の範囲内に保たれています。
「体温調節中枢」では「平熱」が設定されていて、その温度と実際の体温とが常に一致するように調節しています。
 
しかし人間は、病原体に感染すると病気になり『熱』を出します。
『熱』が出るのは、外から侵入してきた「ウイルス」や「細菌」などから体を守るためです。
 
体内において、体温上昇作用をひきおこす物質「発熱物質」は2種あります。
「ウイルス」や「細菌」など外来性のものである「外来性発熱物質」と、それに反応して生体が自ら放出するもの「内在性発熱物質」です。
 
病原体が体内に侵入(外来性発熱物質の侵入)すると、それが体内の単球やマクロファージに作用し、「内因性発熱物質(サイトカイン)」が産生・放出されます。
「サイトカイン」は【感染が起きたから、「発熱」によって病原体を撃退してくれ!】という情報を持ち、「視床下部」に伝達しようと血液の流れに乗り「視床下部」まで行きます。
しかし、「サイトカイン」のままでは「血液脳関門」と呼ばれる「血液」と「脳の組織液」との間にある壁みたいなものを通過できません。「サイトカイン」のままでは、侵入しその情報を伝達することができない、というわけです。
ではどうするのか?
 
「サイトカイン」は、視床下部へ情報を伝達するために、「プロスタグランジンE2PGE2)」という物質を作り、「血液脳関門」を突破します。
その後、情報は視床下部の「体温調節中枢」へ伝わり、体の各器官に【感染が起きたから体温を上げるために「発熱」してね!】するように指令を出し、体が「発熱」するというわけです。
(なお、以前お話ししましたが、「熱」と「痛み」の原因には『プロスタグランジン(PG)』という物質が関係していましたよね。「解熱鎮痛剤」はこの「PGE2」の合成を抑制して発熱を抑える、だから「解熱」するのです。)
 
さらに、「ウイルス」や「細菌」などが一度侵入すると、人間はそのことを「記憶」します。
白血球の一種「リンパ球」は、一度倒した病原体を記憶し、次に同じ病原体に出会った際にすぐにその病原体を排除する働きをしています。これが「免疫」と言われるものです。
 
『発熱』の変化は4つに分けられます。
①前兆期:体温は「平熱」。「悪寒」や「ふるえ」といった症状が出る。
②上昇期:体温は徐々に上昇。からだの機能が20%ほど低下。「頭痛」や「だるさ」「頭がボーッ」とした状態になる。
③ピーク期:体温調節中枢の設定温度と、実際の体温が一致した状態。免疫細胞が活発に活動し、外因性発熱物質を攻撃している時期。
「解熱鎮痛剤」の使用はこの期に行います。38.5℃以上ならば服用。
④下降期:体温は徐々に加工。「発汗」は熱が下がりはじめたサイン。そのあと、体温は平熱に戻り、発汗も止まる。
 
このように、人間の『発熱』は生体防御反応の一つの症候であり、『発熱』することで、病原体の動きを鈍くし、反対に白血球たちの働きを活発化させているのです。
ですので、「ウイルス」や「細菌」などの感染による『発熱』は「無理に下げない」ほうがいい場合もありますので、ピーク期以外の服用など「解熱鎮痛剤」の安易な使用にはご注意ください。
また、高熱が続く場合や、体力の消耗がひどい場合は、無理せず医療機関を受診しましょう。
 
おまけ:ギネスブックにも載っている、ヒトの最高体温は【46.5℃】!
 
参考資料:
 
参考URL
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69678288.html (なぜ『解熱鎮痛剤』は「熱」にも「痛み」にも効果があるのか?)
日々欠かさず『血圧』を測っている人いると思いますが、測り方はきちんとされているでしょうか?
 
『血圧』は1日の中で穏やかに変動しています。
寝るときは下がり、朝から日中にかけては上昇します。
また、入浴や飲酒、温度差を感じている場合などの前後は変動がしやすく、イライラなどのストレスなどでも一気に血圧が上がったりする場合があります。
 
そう。「『血圧』は常に一定ということはない」というわけです。
『血圧』は常に変動しているため、「血圧を正しく測る」行為は大変重要になります。
 
『血圧』を日々欠かさず測っている方は、いつ測っていますか?
きちんと時間を決めて測っている方は問題ありませんが、測る時間がバラバラな方は要注意です。
測る時間がバラバラだと、『血圧』の変動(血圧変動)に異常があっても気づかず、適切な治療も受けられない場合があります。
 
病院の診察室で血圧の値が正常でも、家庭での測定では高い場合は「仮面高血圧」の恐れがあります。
また、早朝に血圧が異常に高い場合は「早朝高血圧」の恐れがあります。
「仮面高血圧」や「早朝高血圧」などは血圧が大きく変動し、血管にも負担がかかり傷つきやすくなるため、心筋梗塞や脳卒中など「心血管病」のリスクが高まります。
 
血圧を測るときに大切なことは「同じ時間」「同じ方法」「同じ状態」です。
測定は朝に1回、夜に1回。(12回)
時間は「お薬を飲む前」がいいでしょう。お薬を飲んでから測っても意味はありません。
「起きてから1時間以内の朝食前」「寝る前」など、お薬の効き目に左右されない時間を選ぶことが大切です。
さらに、静かな部屋で背もたれのある椅子に座り、12分安静にしてから測るとなおいいでしょう。
 
毎日続けていても、やみくもに続けるのは隠れた高血圧を見逃してしまう恐れがあります。
「気づいたときに計っている」「お薬を飲んでいるから大丈夫」などの方は、特に要注意です。
自身の1日の『血圧』の動きを知り、『血圧』を正しく測りましょう!
 
参考資料:
あなたの知らない高血圧 血圧と仲良く暮らすヒント(バイエル株式会社 20186月作成資料より)
 
参考URL
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69107023.html (血圧(高血圧と低血圧について))
人間のそばにはいつも動物がいます。
中でも『ブタ』は、主に食用として我々の胃袋を満たしてくれています。
「とんかつ」「ブタキムチ」「ブタしゃぶ」「とんてき」などなど、宗教・ベジタリアンなど理由がある人以外は『ブタ』を食べない週は無いのではないでしょうか?
 
「『ブタ』は泣き声以外、捨てるところがない」とも言われているくらい、食用以外でも我々に貢献してくれています。
上のサイトによると、石鹸、気泡コンクリート、電車のブレーキ、ペンキ、弾丸、心臓弁などなど・・・『ブタ』は見えないところでも我々の生活も支えてくれています。
 
さて、そんな『ブタ』は「蚊取り線香入れ」や「ブタの貯金箱」の形としても活躍していますよね。
「蚊取り線香入れ」「蚊遣り豚」は、日本では江戸時代末期または昭和20年代以降に発祥したとされています。
「ブタの貯金箱」は14世紀ごろから現れ、ヨーロッパ全土に普及したのは、19世紀になってからと言われています。
また、子供をあやすときに使う「がらがら」。あれも元々は「ブタ型」だったそうです。
「ブタ型がらがら」は古代ギリシャ初期に多く見られます。当時は、「子豚が幼児の健康を守る」という信仰があり、その信仰を玩具に反映したものと見られています。
 
さらに、現在では、動物の臓器を人間に移植する「異種移植」で『ブタ』が注目されています。
現在『ブタ』は、チンパンジーなどよりも「臓器提供のための最良の候補である」と考えられています。
理由は以下の通りです。
・ブタは容易に入手可能である。
・ブタはヒトとの系統学的距離が遠いことから、他の動物と比べ、異種間の疾病の伝播のリスクは減少する。
・ブタの臓器は解剖学的にほぼヒトと同じサイズである。
・長い世代にわたって家畜としてブタはヒトと密接に接触しているため、未知の疾患がある可能性が低い。
現在「異種移植」は、ニュージーランドやロシアなどで『ブタ』から「人」への移植が200例以上行われています。
日本国内での実施例は今のところありませんが、明大・京都府大などのチームが臓器移植用ブタを作製し、2019年初めに供給開始するという予定だそうです。
『ブタ』が人間を救う日もそう遠くはありません。
 
参考URL
https://ja.wikipedia.org/wiki/がらがら_(玩具)
シップといえば久光製薬ですよね。皆さんご存知だと思います。
その久光製薬が出している医療用医薬品の中に、医薬品『モーラステープ』という貼り薬があります。有名なお薬ですので、たいていの方が知っていると思います。
 
さて、『モーラスパップ』という貼り薬もあります。知っていましたか?
 
じゃあ、『モーラステープ』と『モーラスパップ』の違いは分かりますか?
 
まず「テープ」。
「テープ」は1日1回使用です。便利ですね。
粘着力が強くはがれにくい製剤です。関節などに貼ってもはがれにくいため、よく動く部位には最適です。
が、はがすとき皮膚に負担がかかり、かぶれやすくもなります。「パップ」より接触性皮膚炎を起こしやすい傾向にあります。
また、「パップ」と比べ、皮膚からの吸収力も高く角質にも高い濃度で薬が移行します。
その吸収力の高さから『モーラステープ』は「リウマトレックス(メトトレキサート)」と併用注意となっています。
 
次に「パップ」。
「パップ」は「テープ」より吸収力が低いため、12回使用です。貼り替えを忘れる場合があります。
粘着力は弱いため、腰や背中などあまり動かさない部位には最適です。
はがすときの皮膚への負担も少なく、毎日同じ場所に貼り続ける場合は「パップ」のほうがいいでしょう。
(なお、『モーラスパップ』には『モーラスパップXR』という薬剤も存在します。
この薬剤は11回でOKな薬剤ですので、手の届きにくい部位に毎日張らないといけないなど、手間がかかる場合や高齢者などはXRをオススメします。)
 
・最高血中濃度の差
モーラステープ20㎎:135.85ng/ml
モーラスパップ30㎎:43.11ng/ml
・接触性皮膚炎の発生頻度
 モーラステープ:4.67
モーラスパップ:2.04
 
なお、『モーラステープ』と『モーラスパップ』は、どちらもはがした後「光線過敏症」に注意が必要です。張っていた部分に日光を当てると、皮膚炎を起こしてしまいます。特に使いまわしで起こります。
基本、はがした後4週間は患部を遮断したりし、直接の日光を防ぐ必要があります。
 
また、貼り薬は「勝手な譲渡」が行われる場合が多い薬剤です。
「私の使っているシップ、めっちゃ効くから使ってみ!はいどうぞ。」
なんてしていませんか?
もし渡した人に何かあれば(例えば「光線過敏症」。)、誰が責任を持つのか?
渡した薬剤師?処方した医師?
いいえ、「渡した本人」です。
ですので、(どんなお薬でもそうですが)お薬の「勝手な譲渡」は絶対しないようにしましょう!
 
ちょっとした違いですが『モーラステープ』と『モーラスパップ』を区別して使用すると治りがよくなるかもしれませんよ。
 
参考資料:
薬の比較と使い分け100(著:児島 悠史)
タバコを吸う人なら「タバコ入れ」は必需品ですよね!
 
え!?持っていない!?いやいや、持っているでしょう。手に。
持っていなくてその辺にポイ!なんてしている人でも、子供でも持っていますよ?手に。
 
そう、人間は手に「タバコ入れ」を常備しています。
嗅ぎタバコ限定ですが、手に持っています。
 
親指を反対側に伸ばした時に見える、「長拇指伸筋」と「短拇指伸筋・長母指外転筋」の間にできる『くぼみ』のことを『解剖学的嗅ぎタバコ窩』と呼びます。
 
別名「スナッフボックス」「タバチエール(フランス語)」というこの部位は、「嗅ぎタバコ」を嗅ぐときに使う道具の形に似ていたため、そう呼ばれるようになりました。
 
「嗅ぎタバコ」の歴史は、「紙巻タバコ」より遥かに長い歴史を持ちます。
ニコチンの由来となるジャン・ニコが、1559年にフランスの王妃カトリーヌ・ド・メデシスに「嗅ぎタバコ」を「薬草(頭痛薬)」として献上したことがきっかけで、フランスの宮廷で流行しました。
アメリカ大陸では、「タバコの葉」や「ハーブ」を粉にして吸う習慣があり、1641年にはスペインにスナッフ工場ができています。
また「嗅ぎタバコ」は、「百病を鎮める」という薬効があると言われ、中国でも大流行しました。
 
さて、『解剖学的嗅ぎタバコ窩』という部位名はいつついたのか?
(ここからは私の憶測ですので、参考程度で。)
オランダの画家レンブラントが「テュルプ博士の解剖学講義」を描いたのは1632年ですので、見世物だった「解剖」の時代には細かな部位の名前はあったかは定かではありません。
「解体新書」には手指を伸ばす筋と腱の図があります。「解体新書」は安永3年(1774年)に須原屋市兵衛によって刊行され、その元ネタの「ターヘル・アナトミア」は1722年にダンツィヒで初版、1732年に再版されています。
ですので、「1600年後半~1700年前半」についたのではないかと推測されます。
 
海外では「嗅ぎタバコ」は一般的ですが、日本人にはあまりなじみのないものですし、そんなくぼみに粉を置いて吸うなんて正直「怪しい!」と思ってしまいますね(><)
 
参考資料:
面白くて眠れなくなる解剖学(著:坂井 建雄)
参考URL
http://www.tabako.co.jp/kagi_ta.htm#嗅ぎタバコについて
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69677006.html (テュルプ博士の解剖学講義)
皆さんは『ピックアップターミナル』って知っていますか?
この『ピックアップターミナル』は「患者本人を確実に認証できる装置」のことで「自動搬入・払出装置」というものと連結しています。
 
現在、この『ピックアップターミナル』を用いて、「服薬指導後のお薬の受け渡しを「時間外」でもできるようにしよう!」という考えがあります。
 
現在は、処方箋を自分の好きな薬局に持っていき、①薬剤師に服薬指導などを受け、問題ないと薬剤師が判断したら、②調剤後、③受け渡し、という流れですが、調剤に時間がかかったり、病院などで思った以上の時間がかかり、薬局に行って待っていると次のことができない、なんてことがよくあります。
 
この問題を解消すべく、対面で患者への服薬指導等を実施した後「薬剤師が問題ないと判断した」場合には、薬剤師が調剤した薬剤を「自動搬入・払出装置」に保管し、『ピックアップターミナル』を介して患者さんに「薬剤を受け渡す」ことができるようにしようと国は考えています。
 
201861日に経済産業省は、この『ピックアップターミナル』は医薬品・医療機器等の品質・有効性及び安全性の確保等に関する法律「第8条(管理者の義務)の規定に抵触しない」と回答したため、これからの薬局の新しいビジネスモデルとなる可能性が出てきました。
 
『ピックアップターミナル』を導入した薬局を利用した患者さんは、薬剤師が調剤しているときの「待ち時間」に外に出ることができたり、薬局の営業時間外に行っても『ピックアップターミナル』でお薬を受け取ることができるようになります。
 
ただ、患者側にとっては自分の時間に合わせて安心してお薬を受け取れるため、とても便利な機械となるでしょうが、薬局側はこのサービスを行う場合、2種類の機械を導入する必要がありますので、新規参入の薬局や大手薬局なら導入しやすいですが、小さい薬局ではなかなか普及しないような感じがします。(機械が一体型になれば導入しやすいかな。)
 
もしかすると、将来薬剤師もAIに食われるということも!?・・・現実味を帯びてきましたね。
現在の薬局は、「いかに待ち時間を有意義に過ごしてもらうか?」を考えていましたし、その時間は患者さんとのコミュニケーションをとる時間でもありました。ですので、人間味がなくなるのは少々さみしいと感じる方もいるのでは?とも思います。
 
なにはともあれ、『ピックアップターミナル』はこれからの一つの新しい「薬局のカタチ」となることでしょう。
 
参考URL
今日から使える、ムダ(?)知識をあなたに。
 
1つ目~
ちょっとウトウトしているとき、なりませんか?「ビクッ!」と。
私も、若いころはよく「ビクッ!」となって周囲を驚かせたものです。
・・・あの後、すごく恥ずかしいんですよね・・・(><)
 
さて、あの不意な「ビクッ!」にも呼び名があります。
『ジャーキング』といいます。
 
『ジャーキング』は、入眠状態へ移行するときに発生する「不随意の筋肉の痙攣(ミオクローヌス、自分の意思とは関係なく生じる痙攣の一種)」で「スリープ・スターツ」とも言います。
長時間起きているときや、眠いのを我慢しているとき、疲れている時に『ジャーキング』は起こりやすく、極端な場合は「周期性四肢運動障害(睡眠中に本人の意思に関係なく手足が動いたりする病気)」に分類されます。
(ちなみに「しゃっくり」は、横隔膜の「ミオクローヌス」によって起こる現象です。)
 
それではこちらをご覧ください。
参考URL
https://www.youtube.com/watch?v=BYpCqvwgs30 (67へぇのジャーキング)
https://www.youtube.com/watch?v=19hc0mIrVKE (ハムスターのジャーキング)
 
授業中や講演会などで『ジャーキング』をしている人を見かけたら、「疲れているんだな、お疲れ様。」と思ってあげてくださいね!
 
参考資料:
知識の博覧会(著:曽根 翔太)
 
2つ目~
知ってそうで知らない部位名。
「肘」と「膝」の反対側の名前は、なーんだ!?
 
「肘」と「膝」はだれでもわかりますが、その反対側にも名前はあります。
あなたは、子供に聞かれたら答えられますか?
 
「肘」の前面の窪みの部分は「肘窩(ちゅうか)」と言います。英語では「キュービタル・フォッサ」。なかなかかっこいい名前ですね。
 
「膝」の後ろの窪みの部分は「膕・引屈(ひかがみ)」。英語では「ポプリティアル・フォッサ」。また、「膕(よほろ)」「膕窪(よぼろくぼ)」とも言います。
 
参考URL