『つわり』は「悪阻(おそ)」ともいい、主に妊娠初期に起こる「吐き気」と「嘔吐」のことを言います。
『つわり』は、妊娠5週頃から出現し、16週頃には軽快する方が多いのですが、妊娠後期や出産直前まで続くケースもあります。
『つわり』の語源はなんでしょうか?
『つわり』は「やまとことば」で、動詞「つわ・る」からきています。(「悪阻」は漢語。)
「つわる」は2つの意味があり、
①妊娠して『つわり』になる
②芽が出る、芽ぐむ、きざす
という意味があります。(ちなみに、宇和島の方言「つわる」は、「熟成」を意味します。)
②の「芽が出る」という意味が「新しい生命が宿る兆し」と重なり、妊娠初期に起こるこの症状を『つわり』と言うようになった、という説が有力です。
『つわり』の時期は、特に食事における「嗜好の偏り」が顕著です。
食事の「偏り」は、「糖分」と「水分」が十分にとれていれば問題はありません。
しかし、「鉄分」「タンパク質」「カルシウム」なども胎児には大変必要になる栄養素ですので、やはり食事はできるだけバランスを考え、糖分・塩分をとりすぎないように注意しましょう。
また、『つわり』時期に水分摂取量が低下すると「脱水」の状態に陥りやすくなります。「脱水」が進行すると、血栓形成を惹起する可能性があるので、そちらも注意しましょう。
「『つわり』症状の対処法」は以下のことを参考にしてみてください。
①普段の行動を置き換える。
・水を飲む。→「経口補水液」を飲む。(スポーツ飲料水は、半量を水で薄めて飲む。)
・湯船につかる。→体温が上がりすぎると気分が悪くなる可能性があるため、「ぬるめ」のお湯で、さっと「シャワー」を浴びる。
②対処法を置き換える。
・水分が足りない。水が飲めない。→氷を口に含む。(水の使用が多い食事にするなど。)
・冷えが気になる。湯船につかれない。→「足湯」で足元だけを温める。
・飴を舐めたいが、甘みが気持ち悪い。→「塩飴」に変更する。
・気晴らしをしたい!→スマホ、テレビなどではなく、「誰か」と話して気分転換。
・ブラの締め付けが苦しい。→「カップ付きキャミソール」に変更する。マタニティ用でも自身に合わない場合は「見直す」ことが大切。
③発想を転換する。
・バランスの良い食事がとれない。→赤ちゃんには「水分」と「糖分」が必要と考え、「今は何か口にできればそれでよし!」と思う。(妊娠中期以降から食事をとる工夫をしましょう。)
・気持ち悪くて何も考えられない!→『つわり』の時期は赤ちゃんのために体が準備をしている期間です。気をそらすよう心がけましょう。
④その他
・吐いてぐったりしていて、首や肩がつらい。→つらい部分を動かす「体操」をする。
父親はもちろん(というか当たり前に!)、周りの方も積極的に支えてあげましょう。
参考資料:
RP.+ 妊娠期のマイナートラブルとくすり(2017 夏 Vol.16 No.3)
参考URL:
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69553248.html (お腹の中の赤ちゃんへの声掛けはいつがベスト?)