皆さま


厄年(やくどし)は、人生の節目にあたり、災厄や不運が訪れやすいとされる年齢を指します。

 

現代日本では、男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳が本厄(ほんやく)とされ、前後の前年を前厄(まえやく)、翌年を後厄(あとやく)として三年間が注意すべき期間とされています。

 

特に女性の33歳と男性の42歳は「大厄(たいやく)」とされ、特別な注意が必要です。

数え年と厄年の計算


厄年は数え年でカウントされます。

 

数え年は、生まれた年を1歳とし、新年を迎えるたびに1歳ずつ加算する方式です。そのため、満年齢ではなく、生まれた年と現在の干支暦に基づいて確認する必要があります。以下の一覧法をご覧下さい。

 

 

令和七年の厄年一覧

女性
 

区分    年齢(数え年)    生年(西暦)    干支
 

前厄    18歳         2008年       子
本厄    19歳         2007年       亥
後厄    20歳         2006年       戌
前厄    32歳         1994年       戌
本厄    33歳         1993年       酉
後厄    34歳         1992年       申
前厄    36歳         1990年       午
本厄    37歳         1989年       巳
後厄    38歳         1988年       辰
前厄    60歳         1966年       午
本厄    61歳         1965年       巳
後厄    62歳         1964年       辰

 

――――

 

男性
 

区分    年齢(数え年)    生年(西暦)    干支
 

前厄    24歳         2002年       午
本厄    25歳         2001年       巳
後厄    26歳         2000年       辰
前厄    41歳         1985年       丑
本厄    42歳         1984年       子
後厄    43歳         1983年       亥
前厄    60歳         1966年       午
本厄    61歳         1965年       巳
後厄    62歳         1964年       辰

 

厄年の起源と歴史
 

厄年とは、災厄や不運が訪れやすいとされる年齢のことを指します。

 

この年齢は、人生の転換期にあたり、ライフステージの変化や体力、精神力が不安定になる時期とされています。


現代の医学が発展しているにもかかわらず、多くの人々は厄年を「注意深く過ごすべき年」として認識しています。

 

ここでは、厄年の起源やその意味、対処法について解説します。
 

厄年の起源は古代中国から伝わった「陰陽五行説」に基づいており、日本では陰陽道として独自の発展を遂げ、平安時代に広まりました。

 

もともとは公家の間で使われていた厄除けの風習が、後に武家や一般の人々にも浸透していきました。

 

特に江戸時代には、一般市民の間でも広く信じられるようになり、現在まで続く風習となっています。


興味深いことに、江戸時代では、厄年は「祝うべき年」として捉えられていたという記録もあります。

 

女性の19歳や男性の25歳といった年齢は、人生の大きな転換期にあたり、結婚や社会的な責任を果たし始める時期と考えられていました。

 

そのため、厄年は単なる不吉な年ではなく、人生の重要な節目としても認識されていたのです。


厄年は、一般的に身体や精神が不安定になりやすい年齢です。特に、女性は30代に2度の本厄を迎えることが多く、33歳は「大厄」として特に注意が必要です。

 

男性の場合、42歳が大厄とされ、語呂合わせで「死に」に繋がるとして不安を感じやすい年齢とされています。

 

どちらの性別も、本厄を迎える年には特にライフステージや健康面での変化が起こりやすく、大きな選択を迫られることが多いでしょう。


厄年には、一般的に結婚や引っ越し、大きな事業を始めるなどの決断は避けた方が良いとされています。

 

しかし、逆に大きな行動を取ることで厄を払い、良い結果をもたらすとも言われています。


「厄年だから」と必要以上に恐れるのではなく、むしろこれを機会に、心身の状態を見直し、丁寧な生活を心掛けることが大切です。

 

特に、健康に注意を払い、体調不良やストレスを予防するためのセルフケアが重要です。


厄払いは、現在の災厄を払うために神社などで祈願を行う儀式です。すでに身についている邪気や穢れを祓い、健康と安泰を祈るために行います。

 

多くの人は厄年の始まりである正月から節分までの間に行うことが多いですが、厄年でなくとも、厄除けを行うことは可能です。


一方、厄落としは、未来に訪れる災厄を防ぐために行うものです。例えば、高いところからお餅を撒いたり、赤飯を配ったりするなど、地域ごとにさまざまな風習があります。

 

また、物を断捨離したり、大切にしていたものを落とすなど、自ら災厄を「落とす」ことで未来の災難を避けるという考え方もあります。


厄年は、人生の節目としての重要な時期を意味し、慎重に過ごすべき年です。厄除けの儀式を通して、精神的に落ち着きを取り戻し、災厄を防ぐための知恵として現代にも活用されています。
 

 

厄年にやるべきこと
 

1.神社や寺院での厄払い
 

厄年には、神社や寺院で厄除けの祈祷を受けることが推奨されます。特に立春前後(2月3日前後)に行うのが効果的とされています。

2.厄除けの品を身につける
 

陰陽五行説に基づき、厄年には自然のエネルギーを整えるための品を身につけることが推奨されます。五行(木・火・土・金・水)のバランスを意識し、以下のようなアイテムを活用しましょう。

☆長寿を象徴する「長いもの」……五行の「木」のエネルギーは成長や発展を意味します。ネクタイ、スカーフ、マフラーなど、縦に長い形状のアイテムは「木」の象徴として、持ち主の運気を伸ばし、健康や長寿を促します。

☆五行を調和させる「色」……風水では色が五行に対応しており、それぞれの色が異なる災厄を防ぐ力を持つとされています。以下の色を取り入れたアイテムを身につけると良いでしょう。

  • 木(緑色):成長と癒し
  • 火(赤色):活力と守護
  • 土(黄色):安定と繁栄
  • 金(白色、金色):純潔と富
  • 水(青色):浄化と知恵


☆生命力を高める「うろこ模様」……「水」のエネルギーは生命力や再生を意味します。魚や蛇を連想させるうろこ模様は、生命の流れを活性化し、魔除けや厄払いに効果的です。特に財布やバッグなど日常使いのアイテムに取り入れると良いでしょう。

☆風水アイテムを取り入れる……風水では、「災厄を跳ね返す」力を持つとされる特定のアイテムを身につけることも効果的です。たとえば、邪気を跳ね返すアイテムとして、コンパクトミラーや装飾鏡を持つ。風水で「厄を断ち切る」とされる赤色の紐やブレスレットを手首や足首に巻く。

 

☆五行を象徴する天然石……五行に対応する天然石を用いた品を持つと、個々の力を最大限に引き出します。身輪(ブレスレット)、ブローチ、ネックレスなどがあります。

  • 木(成長と調和): 翡翠、アベンチュリンなど→ 成長を促し、人間関係や自然との調和を助けます。
  • 火(活力と守護): ガーネット、ルビーなど→ 情熱や活力を与え、厄災から持ち主を守ります。
  • 土(安定と繁栄): イエローカルサイト、タイガーズアイなど → 安定感を高め、地に足の着いた繁栄をもたらします。
  • 金(富と純潔): ゴールドルチルクォーツ、シトリンなど → 富や純潔を象徴し、金運や幸運を引き寄せます。
  • 水(浄化と再生): アクアマリン、ラピスラズリなど → 浄化作用を持ち、持ち主の心身を癒やし、再生を促します。

 

五行相生・五行相克の図

 

 

厄除けアイテムを取り入れる際には、自分の体質やライフスタイルに合ったものを選び、毎日の生活に取り入れることが重要です。五行や風水の力を活用して、厄年を穏やかに乗り越えましょう。

 

まとめ

厄年は、人生の重要な節目にあたる年齢であり、不安を感じやすい時期でもあります。しかし、その背景にある陰陽五行説や風水の知識を活用することで、厄年をポジティブに乗り越えることができます。

 

本記事で紹介したように、神社や寺院での厄払い、厄除けアイテムの活用、生活習慣の見直しといった具体的な方法を実践することで、災厄を予防し、運気を高めることができます。

 

厄年は単なる迷信ではなく、自己を見つめ直す機会でもあります。これを機に、自分の心身の状態や生活のあり方を丁寧に振り返り、新たなスタートを切るための準備期間として活用しましょう。

 

厄年を恐れるのではなく、人生を豊かにする一つのステップとして前向きに捉え、心穏やかな日々を過ごしていけるよう願っています。

 

皆さまが厄年を安心して過ごし、明るい未来への一歩を踏み出せることをお祈り申し上げます。

 

(了)


 

参考文献

吉野 裕子 2021 陰陽五行と日本の民俗 新版 人文書院 

 

 

 

飯倉 晴武 2003 日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心 青春出版社

 

 

 

 

 

 

以下の過去記事を読んでいると本記事の理解がはかどります。

 

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