先んずれば人を制す | 日々是好日

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「命尽きるまでの5年間が幸せならばその人生は成功である」
と信じて僕ぁ、残り人生を悔いなく大切に生きていきたいのである。
Yukihiro kodera is a chronic pancreatitis

とにかく、毎日のごとく、かみさんに叱られまくる僕。

 

妻は性格が几帳面なだけに、些細なことも気になるわけです。

 

僕も決してずぼらな方ではないのですが

 

かみさんの几帳面さには太刀打ちできません。

 

その几帳面さのエネルギーは何十年経ても

 

劣化しないのですから、それはそれで尊敬しとります。

 

しかも外出先でも大いに発揮されます。

 

例えばユニクロで誰かが陳列棚から手に取って戻した時、

 

しわしわに戻されていたのを目にしたら

 

奴の目はキラリと光ります。

 

その客が去るや否や速攻で

 

必ずきっちり畳み直さずにはおれんのです。

 

そうしないと気持ち悪いと言うのであります。

 

ユニクロさんにとってはエンジェルのようなお方です。

 

銭湯に行って自分の洗い場のタイルが黒ずんでいたら

 

ピカピカに磨いてから去るのであります。

 

自宅でも公共の場でも差別しない感覚は「偉い」を通り越して

 

まことに恐ろしい所業でございます。

 

叱られるのは日常茶飯事ですから、ほとんど右から左へ

 

聞き流しておりますがね。

 

しかしまぁ、いちいち叱られるのも癪ではあります。

 

苦節うん十年、ついに妙案を思いつきました。

 

奴は小言を言う前に必ずこう言います。

 

「あのさぁ・・」

 

例えば朝、顔を洗ってリビングに戻ると

 

背後から奴の「あのさぁ」が聞こえるや否や、

 

「たくぅ、この家にはカバがいるんかい、洗面所の床が

びしょびしょじゃないか、このジジイときたらぁ」

 

と電光石火で大声で自分を責めるのであります。

 

トイレからリビングに戻ると

 

「あのさぁ」が聞こえる訳です。

 

瞬時に対応します。

 

「なんど言えば判るんじゃ、このジジイはぁ、開けたら閉める

こんなこと常識じゃろがい」

 

とこれまた大声で自分を責めます。

 

そうすると、奴は二の句が継げません。

 

「んんん、判ってるじゃないのさ」

 

これで一件落着です。

 

しかし考えてみれば「あのさぁ」で自分の行為のまずさを

 

一瞬で気づくのですから、確信犯的ではありますが。