駐車券 | 日々是好日

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「命尽きるまでの5年間が幸せならばその人生は成功である」
と信じて僕ぁ、残り人生を悔いなく大切に生きていきたいのである。
Yukihiro kodera is a chronic pancreatitis

かみさんと、21世紀美術館に行く。

催し物は、「ホキ美術館名品展~驚きの写実絵画」

写真としか思えない超写実描写に大いに感嘆す。

かみさん

「ひえ~、髪の毛、実物そのものじゃん。」

「ぎょえ~、この肌、まさに本物じゃん」

「あっらぁ~、この草原描写、根気あるわねぇ~」

 

 

全点を食い入るように見続けたので、退館した時は

へろへろになっちゃいました。

「いやぁ、大した技術だねぇ、人間の能力って凄いねぇ」

「1300円の入場料、元取ったわねえ」

とか言いつつ、デパ地下で総菜でも買って帰ろうかと。

 

2000円分のレシートで駐車料金が1時間サービス。

ということは1時間以内なら無料。

駐車券にハンコをもらった時点で残り時間8分。

かみさん

「時間ない。走るわよ。転ばずついてきてね」

脱兎のごとく、走り出すかみさん。

「割引なくてもいいじゃん。このくそ暑いのに走れってか」

「わしを殺す気か?」

かみさん、全然僕の叫びを聞いとらん。

走る、走る。

欲の力は恐ろしいもんで、かみさんやたら速い。

わしは鑑賞疲れの上、手荷物持たされて、

走る姿はアチャコになっとります。

(注釈)アチャコとは花菱アチャコ氏のことです

多分高齢者しかピンとこない走り方でありましょう。

 

途中赤信号で1回ストップ。。

「もう、早く青になってぇ~」

かみさん、足踏みしてます。

(お前はマラソンランナーか!!)

で、坂を下ってなんとか駐車場です。

残り時間1分。出口に車は並んでません。

「やったね、ほらね、間に合ったわよ」

大仕事を成し遂げたような誇らしげな安堵顔。

車に乗り込んでUターンして前を見たら。

1台の赤い車が出口ゲートにスーと。

 

ジャジャジャジャーン♪♪

ここはベートーベン運命が鳴ると 宜しいかと。

 

「ああああ、もう、県外車じゃん、やめてよ~」

「早く清算してよ~、なにモタモタしてるの~」

たかだか数百円の割引きにここまで熱くなるか?

で、順番きて、券を器械に差し込みます。

窓を開けて手を伸ばすが差し込み口に届かない。

ドアを開けようとしたが、障害物で充分開かない。

「ええい、くっそぅ」

で、窓から身を乗り出してなんとか差し込む。

金額表示は割増200円。

「ああああ、ほらぁ、あの県外車のお陰で時間切れじゃん」

「1分、たった60秒差で無料が200円よ、悔しいと思わん?」

「おう、悔しいのう」

(全然悔しくありません。200円がなんじゃい。わし、死ぬほど

しんどかったわ、炎天下にジー様走らすってどうなんよ)