かみさんと、21世紀美術館に行く。
催し物は、「ホキ美術館名品展~驚きの写実絵画」
写真としか思えない超写実描写に大いに感嘆す。
かみさん
「ひえ~、髪の毛、実物そのものじゃん。」
「ぎょえ~、この肌、まさに本物じゃん」
「あっらぁ~、この草原描写、根気あるわねぇ~」
全点を食い入るように見続けたので、退館した時は
へろへろになっちゃいました。
「いやぁ、大した技術だねぇ、人間の能力って凄いねぇ」
「1300円の入場料、元取ったわねえ」
とか言いつつ、デパ地下で総菜でも買って帰ろうかと。
2000円分のレシートで駐車料金が1時間サービス。
ということは1時間以内なら無料。
駐車券にハンコをもらった時点で残り時間8分。
かみさん
「時間ない。走るわよ。転ばずついてきてね」
脱兎のごとく、走り出すかみさん。
「割引なくてもいいじゃん。このくそ暑いのに走れってか」
「わしを殺す気か?」
かみさん、全然僕の叫びを聞いとらん。
走る、走る。
欲の力は恐ろしいもんで、かみさんやたら速い。
わしは鑑賞疲れの上、手荷物持たされて、
走る姿はアチャコになっとります。
(注釈)アチャコとは花菱アチャコ氏のことです
多分高齢者しかピンとこない走り方でありましょう。
途中赤信号で1回ストップ。。
「もう、早く青になってぇ~」
かみさん、足踏みしてます。
(お前はマラソンランナーか!!)
で、坂を下ってなんとか駐車場です。
残り時間1分。出口に車は並んでません。
「やったね、ほらね、間に合ったわよ」
大仕事を成し遂げたような誇らしげな安堵顔。
車に乗り込んでUターンして前を見たら。
1台の赤い車が出口ゲートにスーと。
ジャジャジャジャーン♪♪
ここはベートーベン運命が鳴ると 宜しいかと。
「ああああ、もう、県外車じゃん、やめてよ~」
「早く清算してよ~、なにモタモタしてるの~」
たかだか数百円の割引きにここまで熱くなるか?
で、順番きて、券を器械に差し込みます。
窓を開けて手を伸ばすが差し込み口に届かない。
ドアを開けようとしたが、障害物で充分開かない。
「ええい、くっそぅ」
で、窓から身を乗り出してなんとか差し込む。
金額表示は割増200円。
「ああああ、ほらぁ、あの県外車のお陰で時間切れじゃん」
「1分、たった60秒差で無料が200円よ、悔しいと思わん?」
「おう、悔しいのう」
(全然悔しくありません。200円がなんじゃい。わし、死ぬほど
しんどかったわ、炎天下にジー様走らすってどうなんよ)