薔薇はいずこに、 | 日々是好日

日々是好日

「命尽きるまでの5年間が幸せならばその人生は成功である」
と信じて僕ぁ、残り人生を悔いなく大切に生きていきたいのである。
Yukihiro kodera is a chronic pancreatitis

かみさんの友人S子さんの誕生日を祝うために

我が家に招待する日がやってきました。

恒例行事ではありますが、僕自身は彼女に

プレゼントを差し上げたことはございません。

去年、還暦ということで赤いバラを数本渡したら

やたらと喜んでくれたではありませんか。

その時に

「そんなに嬉しいなら毎年贈っちゃるよ」

調子のいいこと言った僕は記憶が良いばかりに

己の発した言葉に縛られるのであります。

夕飯つくりに勤しむかみさんをしり目に

花屋に出かけました。

 

1件目は去年の花屋。

入り口に

「都合により臨時休業致します」

の張り紙が無情に僕を迎えます。

ここしか知らんのにどーすりゃいいの?

 

スマホという便利なものがございますよね。

検索したら近場に数件ヒットしました。

 

2件目

「目的地に到着しました、音声案内終了します」

でも、そこは花屋では無くて人気のない倉庫前。

「なんだよ、廃業かよ」

で、またまた検索

今度こそはと張り切って向かいます。

道中、やたら見慣れた景色が・・・

ムムム。。デジャブ???

しかし方向音痴県内ランク入り?の僕は

車内ナビの言いなりに走るしかないのです。

 

3件目

「目的地に到着しました、音声案内終了します」

あああああ~、ここって最初の臨時休業の店じゃん。

場所で覚えていて店名を知らなかったばかりに・・・

こうなると、意地でも手ぶらで帰れませんて。

私の眼はギラギラと燃え盛るのであります。

 

4件目、

「目的地に到着しました、音声案内終了します」

スーパーの横手に鉢植えが並んでおります。

ついに花屋に到着したのであります。

事を成し終えたような喜びに緩む頬。

 

「赤い薔薇はありますか?」

およそ花屋には似つかわしくない、いかつい

おばちゃんが言うのであります。

「時期的に赤いのは売れないから置いてない」

で、赤から黄色に変わっちゃいました。

 

かみさん、図星の眼差しで

「遅かったね、又しても道に迷ったか?」

僕は涼しい顔して言うのであります。

「うっ、うん、途中で知り合いと話し込んじゃってさ」