
リクエストにお応えして、今回は市場で飛び交う「数字」について。
生鮮市場の競りや、スーパーのバックヤードなどで飛び交う(関係者しか分からない)数字を表す暗号…それを「符丁(ふちょう)」といいます。いわゆる「隠語」です。
①これはまず騒がしい市場などで「聞き間違い防止」のために使われています。
【例】 1(イチ)を2(ニ)と聞き違える
→ありそうですね。だから「チョンブリ」と言います(なんじゃそれ?(@_@)
②そして、隠語を知らない人には伝わらないので、接客中にお客さんにバレないように使います。(原価を知りたい、値下げはいくらまでOK?など)

☝️この符丁(暗号)は、鮮魚と青果、関東や関西などで、基本は一緒でも各地で独特なものもあります。
👤規則性があるかって?
あると言えばありますが、これはもう「暗記」するしかありません。
昔は新人はみんな覚えさせられたものです。(まあ1カ月もすれば身に付きます)
市場の競りでは、写真のような「指サイン」と共に発することもあります。
2枚目の写真のような「基本形」があり、十の位と一の位を組み合わせていきます。
【例】
12→「チョンブリ」(チョンが1、ブリが2)
15→「チョンメ」(チョンが1、メが5)
しかし、あまりに「応用形」が多いので、素人にはまず分かりません。
【例】
15→「チョンガレン」(意味不明)
25→「やっこ」(ヤッが2、コが5)
3→「ゲタメ」(下駄の緒には穴3つ)
11や22などゾロ目→「ピンマタ」
そして大事なのは、78円なのか780円なのか?『桁数は自分で判断する』ということです。
もう何が何だかわかりませんね(^^;
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👤ここで私は思うのですが…。
☝️お客さんはこんなの全く覚える必要はありません。
【結 論】
市場で専門家同士がやり取りするのは構わないが、店でこんなやり取りを耳にしたら疑ってかかった方がいい。ともあれ「符丁」は内緒話の暗号。
お客さんの前でこれを使うのは、プロを気取った“素人“の証拠です。若手社員でさえもう使いません。
内緒話を聞くのは、気持ちのいいものではありません。
それは業界の中だけに留めておくべきです。「符丁」は歴史を繋いできた「無形文化財」なのですから(^_−)−☆
【小林久ホームページ】