【買い物難民の救世主がたった1年で閉店へ】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト



 

 

昨年9月、JA (農協)系のスーパー「Aコープ」が閉店してしまい、高齢者を中心に買い物をする店がなくなった鳥取県の街。ライフラインとも言える地域のスーパーが消えると、一気に生活が不自由になってしまう。

そこで地元住民などで作る協議会が、近くの市役所支所の建物を借りてスーパーを誘致。岡山県真庭市の会社に運営を委託してオープンにこぎつけた。

👤ここまで聞いた私は、

・出店要請に応えた業者は使命感が強かったんだろうな?

・店がなくなって困った地域住民は、積極的に買い物をしてこの店を守らなきゃダメだよな!


などと、自分が同じこと(閉店したスーパーへの居抜き出店: 12店舗)をしてきた思い出と共に、客と店の両方にエールを送った。



☝️ところがこの店が1年で閉店するというニュースである。

回りくどい記事を要約すれば、

①あれほど店を欲しがった地域住民もそれほど買い物に行かなかった
→店が無きゃ無いで、お客さん(高齢者)はどうにかして代替えの店に買い物に行くということ

②客が求める商品がない+思ってたより値段も高い!
→店の「有る無し」を嘆いていたのに、せっかく後釜が来たのに、「安い高い」「良い悪い」と評価が変わる(わがままとは言わないが)


👤そうなのである!

店側や誘致した人達の思いとは裏腹に、お客さんは「満足できない店には通わない」ということである。

情け容赦ない競争社会では、行政の思惑(住民が騒ぐからなんとかしろ!)とか、出店する側の「補助金を沢山もらえる?」「地域貢献でイメージアップできるよね?」などという安易な「目論み」はあっけなく消えてしまうということ。

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多少、業者の気持ちが分かる身とすれば、これ以上の出血を防ぐためにも早期の閉店に賛成する。

これはヨーカドーが閉店した後にロピアが入るのとは訳が違う。私も「スーパーが潰れた後に、あんたがスーパーやって上手くいくわけがない!」と何度も笑われたものだ。

そのときは「なにくそ」と思って(補助金も辞退して)頑張ったが、今の私の身の上を見れば、やはりそれが賢明だった(^^;

厳しいようだが、もう売り上げが落ちて閉店したスーパーがあるからと言って、他のスーパーを設(しつらえ)るのは考え直して欲しい。このケースのように1年で閉店したら元も子もない。「買い物難民」もそれぞれ何とかやり繰りしているのだから。それで餓死した人はいない。

自治体も、その街が商業地として成り立たなくなったことを自覚するべきです。欲しかった店が出来たとて、お客さんは絶対に満足しないのだから。

(経験者の暴論につきお許しを🙏🏻)

 

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