それは去年の5月末、県外の友人から連絡がきた。
👤「親友が社長を務める会社が倒産しました。彼が心配なので山梨に連れていきます。相談に乗ってやってください🙏🏻」との知らせ。
私も悩める経営者の相談には慣れているが、既に破綻した会社の相談は少ない。そうなりたくないから人に頼るのが一般的である。
☝️彼は歴史ある建設会社の社長で、地域でも顔が知られていた。私より年下(50代そこそこ)でもあり、これから訪れるであろう人生最大のピンチに際し、親友が気を利かせて「先輩」の私に引き合わせたということ。Good Jobだ。
👤まずは倒産ホヤホヤの彼を冷静にさせて、これから彼の身に振りかかることを時系列に説明していく。
「経験者」である私の話は、脅すこともなく、楽観させることもなく、事実だけを伝えていく。この段階で「そんなにビビることはないよ!命までは取られない。逃げなきゃ再起は可能だよ」と説く。
👤「せっかく山梨まで来たんだから、ほうとうでも食いに行こう!」クビに縄を付けて連れてきた友達もナイスアシスト。
『この味を忘れちゃいけんよ!絶対思い出に残る瞬間だからね』 彼にほうとうの味が分かったかどうか知る由もない。
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✅ 昨日その彼からLINEが来た!
365日24時間、経営者からのSOSを受け付けている私のLINE友達は、そのような立場の人ばかりだ。ゆえに夜中でも着信音は消すことができない。個人的なライン友達はほとんどいない(笑)
【以下抜粋】
👤 小林さん、ご無沙汰しております。
先週第1回目の債権者集会がありました。あと2回くらいあるみたいです。
債権者集会には30人ほど来ましたが、怒鳴ったりする人もなく、思っていたよりすんなりと終わりました。
債権者の人と会うのは嫌でしたが、会ってみたら励ましてくださる人が大半でしたので少し気が楽になりました。
今は先輩の会社に勤めていますが、やはり自分が今までやってきた建設業界に戻って個人事業者としてもう一度頑張ってみようか悩んでいます。どうしたらいいでしょうか?
仕事をいただいていた数社からも応援するからと良い返事ももらえました。以前の下請け会社さんも4社が協力すると言ってくれています。
☝️もちろん私の答えは「自分が思った通りにやってごらん!きっここの経験が生きるはずだから」
おそらく彼は現役社長時代、周りにも誠実に仕事をしてきたのだろう。
もちろんご迷惑をかけた人たちの中には許せない感情もあるとは思うが、私やその親友を含めて、彼のリターンマッチを邪魔する権利は誰にもない。(法的にもいけない!)
一度は暗闇の中でその身の処遇に悩んだ彼も、時間の経過と支援者の協力で再起のスタートラインに立てそうだ。
それぞれの春である。
次はそっちの名物を奢ってくれよ(笑)