【寸劇・もしもスーパーで同じこと起きたら?】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々


 
製造メーカーが手塩に掛けて生み出し・育てた可愛い「商品たち」。なんとか沢山売れて会社を儲けさせて欲しい。そのためには売り込みも大切だ。ライバル商品との競争に勝つには「奥の手」だって使う。勝ってこそ正義、売れてこそビジネスである。
 
以前の商品の焼き直しだが、またもヒット商品が生まれた(^O^)/ 業界一位のメーカーの商品は、メディアも我先にとPRしてくれる。「これだけ最優先で宣伝するのだから、こっちも贔屓(ひいき)してくださいね」という利害の一致もある。

 
👤「あの会社、良い商品を作るんだけど、社長の評判が悪いんだよね…」
 
『まあそんなことはよくあることさ、うちのスーパーだって人に言えないことだらけだもの(^^ゞ。持ちつ持たれつ、それがビジネスの基本てもんさ』
 
👤「いいんですか?結構ヤバいらしいですよ。ウチの売場、その会社の商品で埋め尽くされてるから、何かあったら売場がガラガラになっちゃいます」
 
『大丈夫だ!それよりそんな話をしてメーカーの気分を逆なでるなよ!あそこは社長もだけど同族の経営者一族も無茶言うんだから』
 
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さて、ヒット商品連発の某メーカー、コンプライアンスより経営者の「欲得」が優先するため、儲けは出るけど、従業員の不満は時に爆発する。それでも売れる商品をスーパーが欲しがる(仕入れる)ため、何ごともなかったように経営は盤石であった。
 
✅立場が強いメーカー(問屋)とスーパーの関係とは、こんな感じになる。
 
・俺の言うことを聞かないなら、取り引きは一切停止する!
 
・ライバル会社の商品を売り込むなら、うちの商品は全部引き上げるぞ!
 
・最近人気のあの商品、売場から撤去しろ!そうすればうちの商品を優先的に回してやる。
 
・うちを辞めた社員を使う会社があれば、会社ごと潰してやる!分かってるよな?お前。
 
・人気の商品が欲しいなら、売れ残った別の商品も一緒に買ってくれよ、それなら売ってやるから。

 
☝️しかしそんなことが永遠に続くはずもなく、ちょっとしたほころびから全て白日の下にさらされることになる。まさにブーメランともいえる「自然の法則」である。
 
業界内の忖度を超え、これまで無視してきた「法律」や「世論」から批判の対象にされる。思ってもいないことは簡単に身に降り掛かるものだ。時すでに遅し…。
 
メーカーは経営体制を一新し商品を作り続けたが、これまでの様に爆破的ヒット商品は生まれなかった。そして最後まで「知っていたのに商品を売り場に並べ続けたスーパー」も、顧客の信頼を失い一緒に沈んでいった。

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社長一族が退任し、持ち株も全部売り渡すとのニュースがあった。辞めると言ったが人前には出て来ることさえなかった。

👩🏻「悪さを知ってたのに知らん顔してたスーパーも『共犯』なんだから、その株を全部買って社長になって、自分のスーパーで独占販売すればいいのに(笑)」
 
経済のことなんか分からないおばちゃんにも笑われるスーパーであった。

終わり(^_−)−☆

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