表紙の絵図のメインは薩摩ですが、長州に始まり長州に終わる第5巻でした
(前に読んだ20数年前、長州に住むことになるとは思いもしなかったので感慨ひとしお)
最初の『防長二州』の章、
竜馬の記述は4行で終わり
ここしばらく、眼を長州藩へ移そう。
(中略)
余談だがこの藩ほど、悲愴な藩はない。
一気に読ませます。
来島又兵衛を中心とする暴発、
高杉晋作の登場
そして、大坂で晋作に会う形で中岡慎太郎登場!
第2章『池田屋ノ変』
言わずもがなの池田屋事件です。
章終わりにはその反動的に起こる禁門の変前夜、長州軍が京を取り巻くように着陣するところまで行きます。
陣地は山崎・天王山、天竜寺などなど。
(ここでも龍ではなくて竜でした)
その塔頭弘源寺の刀傷はこの時のものだったのでした。
そして、禁門の変で長州側の惨敗、浪士たちは次々と切腹。
ここまで巻の約半分、一気読みでした。
長州は更に四ヶ国艦隊から攻め込まれ、幕府からは第一次長州征伐。「花神」総集編のサブタイトル”崩れゆく長州”の表現がピッタリです。
よく壊滅しなかったものです。
さて、竜馬さんはここで西郷さんと出会います。
で、出て来ました「鈴虫の逸話」。
小河ドラマで「鈴虫もフィクション」が結構面白おかしく描かれてたのですが、『そんなのあったっけ?』でした。
少なくとも2回はそれより前に読んでたとは
一方、竜馬の西郷評、
ちょうど大鐘のごとし。小さく叩けば小さく鳴り、大きく叩けば大きく鳴る
これはよく覚えてました。至言です。
第一次長州征伐終結に向けて登場するのが岩国・吉川氏。
岩国の数奇な運命・微妙な立ち位置が解説されます
いよいよ功山寺、薩長同盟と回天の兆しを見せたところで、完。