鞄を持った女(’61)![イタリア国旗](https://emoji.ameba.jp/img/user/ck/ckenbow/87107.gif)
監督:ヴァレリオ・ズルリーニ
幻の映画がついに! 鞄を持った“CC”にやっと出会えた!
その大きく重い鞄に、クラウディア・カルディナーレ演じるアイーダが
背負ってきた人生の重みが詰め込まれているかのようで・・・
夫に先立たれたナイトクラブの歌手アイーダ
(クラウディア・カルディナーレ)は、金持ちの息子マルチェロと
親しくなり旅に出るが、見知らぬ町で鞄ごと置き去りにされてしまう。
苦労してマルチェロの自宅を探し出したアイーダだが
出てきたのは彼女を追い払うよう兄に頼まれた弟
ロレンツォ(ジャック・ペラン)。アイーダを気の毒に思ったロレンツォは
金品を贈ったり、顔の効く高級ホテルに宿泊させたりと
何かと世話を焼くのだったが・・・・・。
クラウディア・カルディナーレ(22~3歳でしょうか)もう、めっちゃ綺麗
野性味溢れるセクシーさ の中にも初々しさもあって・・・・
で、相手役がなんと『ニュー・シネマ・パラダイス』で中年になった
トトを演じたジャック・ペランなんですよ。弱冠20歳(しかも、16歳という設定)
生きていくために男から男へと渡り歩く女性歌手と
金持ちのお坊ちゃんとの叶わぬ恋・・・・・という
ありがちと言えばありがちのラブ・ストーリーですが
“ネオ・レアリズモ”の流れを汲みながら、カルディナーレの
セクシーさは敢えて前面に押し出さず、プラトニックな
せつな~い恋物語に仕上がっています。
でも、やっぱり、野性味溢れるセクシーさ は隠せない(笑)
この映画、最大の見せどころは前半部分にあって
金がなくボロ宿のお代すら払えないアイーダにロレンツォは
お金を工面してあげたりするんですけど、家族がいない時間に
豪華な自宅に招き入れ、食事したり、お風呂に入れさせたりするんです。
お風呂からあがるアイーダを待っていたロレンツォは階下から
レコードを流す。流れてきたのは、ヴェルディの歌劇「アイーダ」のアリア
アイーダは、何してんの?って顔で流れる曲を聴くんですけど
そして君のもとへ♪ わが優しきアイーダ♪
な~んだ、そういうことねって笑い飛ばし、その気になって
階段をゆっくり降りてくる・・・・・その神々しいことっ
二人は見つめ合い、アイーダはバスローブの胸元を整える。
それは、彼女が16歳の少年を男として意識した瞬間・・・・・
素晴らしいシーンでした。
流れたアリアは、第一幕の「清きアイーダ」
この先、この歌を聴くと、カルディナーレの姿を思い起こすことでしょう。
幸せよ、背をむけないで! 青年の純愛にむせびなく流浪の女アイーダ!
「激しい季節」のヴァレリオ・ズルリーニ監督が描く切なく哀しい恋。
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