処女の泉(’60)
監督は、イングマール・ベルイマン
アダルトではないですよ(笑)
アカデミー外国語映画賞 も受賞した名作です。
アダルトではないですけど、性欲が残酷な形で描かれた
とてもショッキングな内容です。
中世の北欧伝説を原案に作られていて、舞台は16世紀、スウェーデンの寒村
裕福な地主(マックス・フォン・シドー)の娘(ビルギッタ・ペテルソン)が
教会へローソクを捧げに行く途中、3人の羊飼いの兄弟に犯され殺されてしまう。
この事件には、仲間内の嫉妬が絡んでいたりする。
少女レイプという当時としては衝撃的な題材を扱っただけあって
公開時には、かなりの物議を醸したようです。
アメリカでは近年DVDが発売するまで、一般家庭では検閲が入ったバージョンしか
視聴できない状態だったそうで、日本公開時には映倫によってレイプシーンが丸ごと削除
ちなみにベルイマン監督は、このシーンを黒沢 明監督の 『羅生門』 に影響を受けたと語っています。
フェリーニも手本にしていたと語っていましたし
『羅生門』って名匠にとっても教科書的存在なのですね。
こういう衝撃的なシーンはもちろんなんですけど
“無音の間” が、怖いというか・・・・ 体に力が入ってしまうんです。
“沈黙” がこれほどまで訴えかけているのって、そうそうない。
ベルイマン監督って牧師の息子だったんですね。
日本人には到底理解できるものではないと思いますが
神について、とことん向き合って作ったのだと思います。
愛娘を殺された父マックス・フォン・シドーがこう言います。
「神よ、あなたのお気持ちがわかりません」
ラストは、神々しい美しさに感動です。
神様はいるのですね。
イングマール・ベルイマン監督作品
巨匠イングマール・ベルイマンが、キリスト教的信仰心を忠実かつ繊細に描いた問題作。キリスト教を深く信仰する娘が、その優しさが仇となり殺されてしまう。
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