先日、第1位まで発表したバレエ・ダメンズ・グランプリですが、実は、もう1つ発表がございます。

 

この度、皆さまからアツいご意見をお寄せいただき、審査員一同、検討を重ねた結果、急遽ゴールド・メダル(ローザンヌか😅)を設けることといたしました。

 

その受賞者は…

 

ゴールド・メダル🥇:アルブレヒト(「ジゼル」)

 

 

 

 

はい、バレエ界のダメンズの代名詞ともいえる、チャラ男こと、アルブレヒトでございます。

 

この貴族の兄ちゃんに対しては、物申したいことがたくさんございますので、1つ1つ審査していきますよ!

名付けて、「ミルタとウィリーが吠える夜〜チャラブレヒトにおしおきSP」😅

 

「ジゼル」の真面目なあらすじは、こちらの記事でもご紹介しておりますので、あわせてお楽しみください。

 

 

 

 

 

さて、まずはジゼルとアルブレヒトの登場シーンから。

 

このドアをノックしてから、物陰に隠れて、「あの方が来たわ!」と喜んで出てきたジゼルをがっかりさせる→落ち込んだところで、こっそり近づき、目が合ってキュン💕の流れ、非常にこなれております!

 

これ、初犯じゃないですね。

こういう無垢な村娘をどうやったらときめかせられるか、チャラ男が練りに練ったテクニックです。

 

ズルマ: 身の隠し方を練習するなら、もっと大事な剣とかマントをちゃんと隠しとけ!

 

 

 

物語のキーとなる花占い、結果が芳しくないことを悟り、その場を離れてしまったジゼルを見て、アルブレヒトがとった行動が、チャラ男ポイントを爆上げすることになるのですが…。

 

実は、その行動は、初演時にはなく、時代をくだるにつれて、付け足されたものという、興味深い見方もあります。

モイナ: 花占い=庶民の迷信だから、貴族であるアルブレヒトには意味が分からないため、花びらをちぎって結果を誤魔化すことはしない。ジゼルも、アルブレヒトから「ほら!こんなのどうだっていいじゃん!」って言われたら、細かく数を確認せずに一途に信じちゃう!ってことやね。

ズルマ: 急に賢いアピールしてどうしたん?

 

↓こちらのボリショイバレエ(1956年)の映像、ジゼルが捨てた花を拾った後のアルブレヒトに注目

 

ジゼルに密かに想いを寄せる森番ヒラリオンを追いやり、ジゼルとの踊りを楽しむアルブレヒト。

村娘が夢見る王子様を体現しているのがニクイ。

 

ぶどう畑で働くボーイズには、こんなことはできないでしょうから、ジゼルはお姫様気分というわけ。

 

でも、ただ遊んでいるだけという演じ方もあれば、本当に身体が弱いジゼルを大事にしているという演じ方もあるので、ダンサーの腕の見せどころ!

 

 

そこへ大公と貴族たちが、狩の途中で立ち寄る旨を知らせる角笛が響き渡り、正体がバレたくないアルブレヒトは慌てて隠れます。

 

てか、婚約者のスケジュールくらい事前に確認しておけよ!

土壇場で逃げようとするから、ヒラリオンに怪しまれたんやんか!

 

ズルマ: アルブレヒトの従者もさ、絶対に大公のスケジュール知ってたやろ!あと、わざわざ村に来るのにマントと剣、要らなくない?セコムもない民家をロッカー代わりにするから、ナイフで鍵を開けて入られたやんか!

モイナ: いや、従者が教えなかった説は、陰謀論みたいやからやめてもろて😅 良い子の皆さん!家のセキュリティ、見直しましょうね!

 

 

ジゼルと、自分の婚約者のバチルド姫が、いつの間にか出会っているとは夢にも思わず、のこのこ戻ってきたアルブレヒト。

 

それを見たヒラリオンは、ジゼルと彼の間に割って入り、アルブレヒトの正体をばらします。

「嘘でしょう?」というジゼルを安心させるアルブレヒト。

こら!誠実さの使いどころ、間違えてるわ!

それに逆ギレして、ヒラリオンに斬りかかろうとしたから、騒ぎが大きくなったやん!

 

 

 

ヒラリオンが角笛を吹いたことで、続々と貴族たちが集まり、バチルド姫も登場し、逃げ場を失ったアルブレヒト。

「こんな格好で何をしてますの?」と聞かれ、「ちょっとしたお遊びですよ」と誤魔化そうとしますが…。

 

ズルマ: せめてアルブレヒト本人から聞いていたら、まだ救いがあったかもしれへんのに!姫から、相手が正式なフィアンセで、自分が遊び相手と知らされたショックよ…。

ウィリーたち: 最後の最後、必死なジゼルの問いかけに答えないのもあり得へん!(ザワザワ…ガヤガヤ)

ミルタ: こら!上演中は静かになさい!ブラボーおじと一緒に別室に入れるわよ!

 

 

 

裏切られたショックのあまり、命を落としたジゼル。

アルブレヒトは、ようやく自分の出来心が、無垢な少女を死に追いやったことを悟ります。

 

モイナ: やけどさ、最後までヒラリオンと責任のなすりつけ合いしてるの、マジで見苦しくない?ねえ、お母様?

ジゼルの母: ほんまにそやねん。どの口が言うとるねんって思ってな…。大将、お代わり🍺

 

 

 

場面は変わって第2幕。

ジゼルの死を悔いるアルブレヒトは、ジゼルのお墓参りにやってきます。

 

しかし、そこは、迷い込んだ男を死ぬまで踊らせる乙女の精霊ウィリーたちの縄張り。

既に、ヒラリオンはウィリーたちに踊らせれた挙句、沼に突き落とされてしまいました。

 

ズルマ: ごめんな。ストーリーの都合上、あそこをフラフラされたら困るから、突き落としちゃった😅

ヒラリオン: 俺、悪いことしたかな…

ガムザッティ: まあ、私も舞姫にフィアンセとられて、寺院の下敷きになったし、元気出してこ!🍺

 

 

 

アルブレヒトも、ウィリーに見つかりますが、まだ彼を愛しているジゼルは、必死に彼を護ろうとします。

十字架とジゼルの愛の前には、我らがミルタ様も手が出ません。

 

ミルタ: ローズマリーの杖、弁償していただきたいわ…。なんで、ジゼルはアルブレヒトを許せたんやろ。

ニキヤ: 恋人の死に真正面から向き合ったことは、遅すぎとはいえ、うちのソロルよりマシ。

 

実際、アルブレヒトが踊るヴァリエーション、舞台を斜めに使い、十字架とウィリーの狭間を動く振付になっているのは、彼が改心、そして救済へ向かおうとする様を描いているんですよね。

 

 

そして、夜明けの鐘が鳴り響き、命を救われたアルブレヒトに、ジゼルは永遠の別れを告げます…。

 

 

なんで、ちゃっかり許されてるんやろって思いますが、そこを魅力的に描くのが、ダンサーの腕の見せどころ!

結局は、ダメンズに泣かされてしまうから、ダンスーズ・ノーブルって凄い!

 

2025年は、アルブレヒト・イヤーとでも言いたいほど、「ジゼル」の公演が盛りだくさん!

各バレエ団のチャラ男、ダメ男ぶりを、見比べるチャンス!

ウィリー一同、気合いを入れてお待ちしております!

 

ブラボーは音楽が止んでから!

劇場を自宅のリビングにしたら、ウィリーたちが許しません!

マナーを守って、2025年のバレエ鑑賞も楽しみましょう!

 

<チャラブレヒトが観られる公演>

 

・ウクライナ国立バレエ「ジゼル」

  1月上旬〜中旬 東京・愛知・西日本各地

 

 

 

・新国立劇場バレエ「ジゼル」

 4月10日(木)〜20日(日)新国立劇場

 

 

 

・東京バレエ「ジゼル」

 5月16日(金)〜18日(土)東京文化会館

 

 

 

・ヒューストン・バレエ「ジゼル」

 7月上旬 東京・愛知