いよいよ明日の深夜、11月18日(月)午前1時05分より、BSプレミアムシアターで、英国ロイヤル・バレエ「シンデレラ」が放送されます!

 

 

 

英国ロイヤル・バレエ「シンデレラ」

振付:フレデリック・アシュトン   

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ 

<出演>   

シンデレラ:マリアネラ・ヌニェス   

王子:ワディム・ムンタギロフ   

シンデレラの義理の姉たち:アクリ瑠嘉 、ギャリー・エイヴィス   

シンデレラの父:ベネット・ガートサイド   

仙女:金子 扶生 ほか   

 

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマで大好評のため、アンコール上映まで実現した、美しい舞台が、まさかのテレビ放送!

バレエファンが絶賛した舞台が、ご自宅でご覧いただけます!

 

 

シネマ冒頭で流れるメイキング映像。

 

 

シンデレラ:マリアネラ・ヌニェス 

 

 

 

ヒロインのシンデレラを踊るのは、英国ロイヤル・バレエを代表するプリマ、世界が愛するマリアネラ・ヌニェス 。

この方が踊れば、もう間違いないです。

 

テクニックはもちろんですが、特筆すべきは、その音楽性!

さりげないステップの1つ1つ、一歩踏み出した足先からも、音楽が聴こえてくるのです。

プロコフィエフの複雑な音楽をすべてすくい取り、更にダイヤモンドのような輝きをプラスするかのよう。

 

どうして、ヌニェスが踊るバレエは、ここまで観る人を幸せにできるのでしょうか。

それくらいの幸福感が、舞台いっぱいに広がります。

 

 

アシュトン版の見せ場の1つは、第1幕のヴァリエーション。

家で留守番をするシンデレラが、「くよくよしていても仕方がないわ!」とばかり、1人ぼっちの舞踏会を開きます。

ボロを纏っていても、光り輝くガウンを着ているつもりで優雅にふるまい、夢の王子様は、相棒の箒。

 

小道具を扱いつつ、踊ることって非常に難しいのですよね。

箒や扇といったアイテムも、ちょっとしたことで事故が起こり得るので。

 

ところが、ヌニェスが踊ると、もうシンデレラが一人で喋っている声、心の揺れ動きまで聴こえてくるから凄い。

実は、シネマで観た時、この場面で、「あっ」と思う小道具のアクシデントがありました。

でも、それへの対処法も、シンデレラなのです。

 

以前、テレビ放送された、吉田都さんのバレエレッスンでも、このヴァリエーションが取り上げられています。

こちらをご覧いただくと、よりヌニェスの凄さがわかると思います。

 

 

 

 

王子:ワディム・ムンタギロフ 

 

 

こちらも、いつ観てもパーフェクト、まさに「Vadream」こと、「夢の王子様」であるワディム・ムンタギロフ 。

 

パ・ド・ドゥでは、パートナーの女性をどこまでも美しく見せて、ヴァリエーションでは、どこを切り取っても無駄がない。

個人的には、着地の5番ポジションの美しさは、世界一でございます。

 

ヌニェス&ムンタギロフであれば、まず一定数以上のパフォーマンスが保証されていると思っていますが、これって凄いことですよね。

いつ観ても凄いをキープするって、普通ではできないです。

 

ハッとさせられるラストシーン。

 

 

フィギュアスケートの振付も手がける、バレエ界の王子様、スケートファンの方々にもぜひご覧いただきたいです。

 

ワディムの自伝もぜひどうぞ。

 

 

シンデレラの義理の姉たち:アクリ瑠嘉 、ギャリー・エイヴィス  

 

 

 

このバレエのもう1組の主役は、シンデレラの義理の姉たち。

 

初演では、アシュトン自身が踊ったこの役は、マクミランやダウエルといった名優たちが踊り継いできた大切な役。

こちらの映像で、気が弱い姉(ピンクの衣装)を踊っているのがアシュトン。

 

一方で、「心の醜さが顔に現れる」をそのまま体現したような役どころは、時代が経つにつれて、アップデートを求める声も大きくなっていました。

今回のリバイバルでは、従来は「アグリー・シスターズ」であった役名も、「ステップ・シスターズ」へ変更され、男性が女装して踊る配役と同時に、女性ペアが踊るという初の試みも。

 

 

ギャリー・エイヴィスの職人芸ともいえる名優ぶりと、明るくフレッシュなアクリ瑠嘉のペアが、客席を笑いの渦へ巻き込みます。

(1幕のダンス・レッスン中、エイヴィスのアクセサリーを使った芸にもご注目を!)

 

ちなみに、舞踏会でこのシスターズに絡まれるイケメン役は、映画「バレエ・ボーイズ」で取り上げられていた、ルーカスです。

こちらの役、モデルが初代ウェリントン公爵で、対で出てくる、小柄な求婚者(イケてない設定)のモデルがナポレオン。

英国のブラック・ジョークが炸裂😅

 

 

リバイバルで10年越しに新しくなった装置・衣装も注目を。

 

特に、第2幕の宮殿は、実際に住めそうなサイズ感でびっくり!

 

Waterston Manorというドーセット州にあるマナーハウスと、フランスのシャトー(恐らくシャンボール城)から影響を受けたデザイン。

 

第1幕、仙女が魔法をかけると、薄暗いシンデレラの家が、彩りを増していく場面も素敵ですよ!

 

 

そして、シンデレラに欠かせないかぼちゃの馬車!

CGがなくても、かぼちゃが輝く馬車に変わります!

 

熊川氏が、「今は、映像技術で何でもできるけど、舞台は、目の前で魔法がかかる」と語っていましたが、この「シンデレラ」はまさにそうで、どこまでもマジカル!

 

真夜中の鐘が鳴り、シンデレラの魔法が解ける場面も、初見だとびっくりすると思います!

瞬きせずにシンデレラを追ってください!

 

 

同日は、クラシック音楽館で、「白鳥の湖」も放送されますから、素敵なバレエライフを!