【報告】2・24一坪共有地裁判 柳川秀夫さん証言
一坪共有地裁判 柳川秀夫さんが証言
2月24日、三里塚一坪共有地裁判が千葉地裁民事五部(仲戸川隆人裁判長、清野正彦裁判官、島村陽子裁判官)で開かれた。この日は、反対同盟世話人の柳川秀夫さんが地権者である横堀現闘本部の隣の共有地(2802号事件、持ち分15分の3)、木の根の共有地(2804号事件、持ち分780分の1)に関する被告尋問が行われ、柳川さんが証言した。
現地から加瀬勉さん(大地共有委員会Ⅱ代表)、平野靖識さん(らっきょう工場)、静岡の塚本さんら30人が傍聴に駆けつけた。この日、加瀬さんは「2・24三里塚一坪共有地裁判闘争宣言」(別掲)を出した。
裁判では、清井礼司弁護士が提出してある証拠に沿って、柳川さんに質問。
91年からの公開シンポ・円卓会議で当時の運輸省・空港公団は、国家権力の暴力を使って推し進めたそれまでの空港建設のやり方を謝罪、二度と強制手段での建設はしないと「約束」。事業認定を取り下げた。
だが、成田空港会社は一連の「謝罪」「約束」を反古にして、B滑走路の北側延伸を行い、30万回化を進め、裁判を提訴した。
裁判では共有運動というのは名義を移しただけで、実際の土地所有は反対同盟のままであることを、再共有運動の契約書などを提出して立証。
さらにシンポ・円卓会議で今後強制手段はとらないと約束したのに提訴したのは不当で権利の乱用である。この二点について、提出してある証拠を補う形で質問。
柳川さんは、空港会社の担当者が提訴はしないと言ってきたが、それがウソとなり、一昨年の提訴の後、既に退職していた空港会社の担当者が約束を守れなかったと謝りに来たことなどを証言。
原告=空港会社側の質問は短いもので、続いて判決文を書く左陪席裁判官が様々な質問。反対同盟の正式名称に始まって、本件でも契約書は作ったのかなど。「いかなる強制手段をとらない」という反対同盟と国・公団との約束については「いかなるとはどういう中味か」と質問。
柳川さんは「この裁判も強制的な手段だと思っている」ときっぱりと証言した。
裁判後、裁判所前で集約を行い、清井さん、柳川さん、山崎さんらが発言。柳川さんは、「国は『話合いで解決する』と約束した。私はそれを守っているだけ。約束を破るのは許さん」と述べた。
◎カンパ送り先
三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)
〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4 電話&FAX0479─78─0039
振替口座 00290─1─100426 大地共有委員会(Ⅱ)
2・24三里塚一坪共有地裁判闘争宣言
2・24三里塚一坪共有地裁判闘争宣言
今日、我々は三里塚闘争一坪共有地1、100余名を代表して千葉地裁の法廷に立って闘いを開始する。我々が法廷に立つとゆうことは空港建設の権力犯罪を告発し彼らを裁く為のものである。裁かれるのは断じて我々ではない。裁かれるのは彼ら自身である。
三里塚シンポで政府は三里塚の農民に謝罪した。黒野(空港株式会社)も謝罪した。だが、彼らは強権政治、政策を改めようとしない。そればかりではない。30万回発着を企んでいる。「共有物分割補償」とゆう法の名をかりて、我々一坪共有者を被告人に仕立て新たなる土地強奪を企てんとしてきた。昨年12月に空港株式会社は、我々の証人尋問反対を裁判長に文書を持って申し入れた。問答無用とゆうわけである。この権利蹂躙の行為に断固として抗議をする。一寸の土地も売り渡すことはない。これが我々の不退転の決意であり生涯変わらぬ意志であることをかさねて表明する。
我々は、1,100余名の全国一坪共有者に心から訴える。権利とは、要求し主張し擁護する活動によってのみその存在意義を発揮する。我々の主体的行動がなければ権利は消滅し、一坪共有地は彼ら権力の手の中に落ちるのである。一坪共有者の強固な意志と行動で全国戦線を作り上げ、彼らを包囲し追い詰めてゆこうではないか。今日、千葉地裁の法廷にたった我々は、その先頭にたって闘うことを誓うものである。
「落花流水」三里塚激闘の40年余、我々は一度足りといえども目先の困難にひるんだことはない。権力犯罪、強権政治、独裁政治、侵略者はかならず人民の民主的要求行勤によって打倒され葬り去られる。これは歴史の教訓であり法則である。今、新たに起こりつつあるチュニジア、エジプト等中東の人民の戦いを見るがよい。これがが強権政治、独裁者の運命であり未路である。おごる自民党政権も権力の座から引きずり下ろされたのではないか。
「三里塚ハブ空港の建設」はグローバル化を代表する政策であった。我々は強権政治、支配を許さなかった。強権政治、競争激化の社会、賀困と差別拡大の社会を許し容認するか、それても共栄、共存、「健康で文化的な生活」の社会体制を選択し創りあげるか。今、その岐路もこ我我は立っている。「三里塚に空港はいらない」「コンクリート社会はいらない」三里塚に緑の大地を三里塚に緑の田畑を、これが我々の要求である。「―坪共有地は断固死守する」我々は毅然として千葉地裁の法廷に立って闘いを開始する。
2011年2月24日
三里塚大地共有委員会 代表加瀬勉
【転載】◆アメリカ大使館抗議行動への弾圧に対する抗議声明◆
◆アメリカ大使館抗議行動への弾圧に対する抗議声明◆
2011年2月25日
辺野古への基地建設を許さない実行委員会
2月20日、沖縄・高江ヘリパット基地建設工事再開に抗議するアメリカ大使館に向けた行動に対し、警視庁・赤坂警察署は徹底した妨害・介入・弾圧を行い、二名の参加者を逮捕した。私たちは、この暴挙に対し強く抗議すると共に、二名の即時釈放を求める。
昨年末、高江では米軍ヘリパット基地建設工事が再開・強行され、反対住民の抗議の声を踏みにじりながら、今日まで、時には100名を超える沖縄防衛局職員、工事業者が押しかけるという緊張した事態が進行している。
辺野古に新基地を作らせず、普天間、高江をはじめとした沖縄の米軍基地が一日も早く全面撤去されることを要求してきた私たちは、「沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会」の呼びかけに応え、「ゆんたく高江」や、全国いや世界各地の仲間と共に2月20日、新橋駅前からアメリカ大使館までのデモと申し入れ行動を計画した。
ところが、警視庁、東京都公安委員会は、直前になって集合場所、デモコースを一方的に変更してきたのである。そもそもデモなどの表現行為は憲法でも保障された正当な権利であり、それを一方的に正当な理由もなく変更することは前代未聞の暴挙である。
こうした不当な介入によってねじ曲げられたデモはできないと判断して新橋駅前で宣伝活動を続けた私たちに対し、警察当局は、検挙をちらつかせた執拗な妨害行為を行った。その後、静かに歩道を歩いてアメリカ大使館に向かった参加者を大使館直前のJT(日本たばこ)ビル前で阻止し、大勢の警察官で取り囲み、申し入れに向かおうとした代表団すら通そうとしなかった。そして抗議の声をあげる参加者を強引に規制・挑発し、突然二人の仲間を逮捕したのである。その際、一人は髪の毛を引っ張り回され、顔面に肘打ちを食わされ、もう一人は全身打撲を負わされた。また、逮捕理由を聞いた一人に対して「そんなことは後でいいんだ」という暴言を吐くという、最低限の法的手続きすら無視した態度を取ったのである。
そして、不当逮捕の抗議と二人への差し入れ品を持った40名を超える参加者を、赤坂警察署手前の路上でまたもや阻止し、近くの公園に2時間以上も警察隊が包囲するという暴挙にも出たのである。二人は2月22日、10日間の勾留延長が付き、なおも拘束されている。
アメリカ大使館も、1月10日の行動では受け取った申入書を、事前のアポイントを取っていたにも関わらず、今回は受取すら拒否するという傲慢な対応に終始した。異常な警備についても警察にお任せしている、と開き直るばかりであった。
今回の一連の事態は、単に東京都公安委員会、警視庁・赤坂警察・警備担当者の判断、「暴走」では決してないだろう。繰り返し表明されている沖縄の民意を踏みにじり、沖縄差別に基づいて強引に米軍基地を押し付ける菅・民主党政権、戦後60年以上にわたって沖縄の人々の土地を奪い、侵略・人殺しの軍事基地を建設・強化し、数々の事件・事故を繰り返すアメリカ政府・アメリカ軍の意思、姿勢を反映しているものに他ならない。
私たちは、今回の弾圧・暴挙を多くの仲間の力ではねのけ、沖縄の人々と気持を一つにして、高江ヘリパット建設工事の中止と普天間基地の早期閉鎖・返還、辺野古新基地建設を止めさせる決意を新たにするものである。
辺野古への基地建設を許さない実行委員会
連絡先 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック(090-3910-4140)、
市民のひろば (FAX 03-5275-5989)
URL http://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/access.html