<追悼>

 

 「布川事件」で再審無罪を勝ちとった桜井昌司さんが23日、直腸がんのため死去されました。

 

  

 

 こころから ご冥福をお祈りします。

 

 

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 毎日新聞 2023/8/23 16:43

布川事件で再審無罪、桜井昌司さん死去 76歳 冤罪根絶へ活動

 

桜井昌司さん=東京都千代田区で2022年10月24日、宮本明登撮影

 

 茨城県利根町布川(ふかわ)で1967年に大工の男性が殺害された「布川事件」で強盗殺人罪に問われ、無期懲役確定後に再審無罪となった桜井昌司(さくらい・しょうじ)さんが23日、水戸市内で直腸がんのため死去した。

 

 76歳。

 

  葬儀は31日午後1時、水戸市堀町2106の2の市斎場。

 喪主は妻恵子(けいこ)さん。

 

 桜井さんは利根町出身。67年8月、同町布川に住む当時62歳の男性が自宅で殺害され、現金約11万円が奪われた事件で同年10月、いずれも別件逮捕されていた桜井さんと杉山卓男さん(2015年に死去)が、長時間の取り調べを受けて殺害を認めた。2人は強盗殺人罪で起訴され公判で否認に転じたが、78年に最高裁で無期懲役が確定し収監された。

 

 判決確定後も無罪を訴え続けて収監中に再審を請求したものの棄却され、96年の仮釈放まで29年間にわたって拘置された

 

 01年からの第2次再審請求で、水戸地裁土浦支部は「別人を現場前で見た」との近所に住む女性の調書などを基に「自白は信用できない」とし、05年に再審開始を決定

 

11年5月に「自白の任意性に疑いをぬぐえず、目撃証言も信用性に欠ける」として、2人に無罪判決を言い渡した。水戸地検は「控訴審での新たな立証は困難」として控訴を断念、翌6月に無罪が確定した。

 

 桜井さんは賠償を求めて国や県と法廷で争いながら、冤罪(えんざい)根絶に向けた講演などでも精力的に活動。同じく再審で無罪になった足利事件の菅家利和さんらと交流し、冤罪の恐ろしさを訴えてきた。

 

事件は自白偏重の取り調べのあり方に一石を投じ、取り調べ時の録音・録画の範囲が拡大される一つの契機になった

 

 19年に直腸がんが見つかった。余命1年と宣告された後も、闘病生活を送りながら訴訟や講演活動のほか、趣味の音楽活動などを行っていた。【森永亨、長屋美乃里】

 

 

 

 

 

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桜井昌司さん、おめでとう!

 

布川国賠裁判  櫻井昌司さん 第1回裁判

 
 

雪冤 布川事件再審 無罪!

 

 

水戸地裁土浦支部(神田大助裁判長)で24日、布川事件の桜井昌司さん(64歳)と杉山卓夫さん(64歳)に再審判決で、無罪が言い渡されました。

桜井さん、杉山さん、恵子さん

杉山さんの奥さんと坊ちゃん

おめでどうございます!

晴れてやっと無罪!

地震で1か月以上も判決が伸びてしまいました。

どんなに長くて苦しい日々だったことでしょう。

自白強要とテープレコーダの改ざん

証拠のねつ造 ”無期懲役”に

警察と検察の犯罪行為は常とう手段!

1996年に仮釈放されたが、保護観察がついていた。

21世紀の日本は、冤罪ラッシュに弾圧ラッシュ!!

2008年10月、
桜井さんは初めて飛行機に乗ってジュネーブまで行き、
自由権規約委員参加の公式ミーティングでは、
英語で自己紹介をして、

「日本では、警察の留置場の代用監獄で自白偏重の取り調べが行われ
検察が無実の証拠を隠したまま裁判が行われており、
全面可視化とビデオテープによる録画が必要だ」と訴えた。

そして、委員会は日本政府に代用監獄の廃止と取り調べを全面可視化するよう勧告した。

戦後、死刑や無期懲役が確定した事件の再審は、布川事件で7件目。

7件目も無罪だった!

許さない!絶対に許さない!

冤罪の温床はなくなっていない。
未だに代用監獄があり、
いまだに、取り調べの全面可視化をさぼっている!

法務大臣は、全面可視化を決断せよ!

桜井さんと杉山さんを苦しめた警察・検察・裁判官を許さない!!

取り調べの全面可視化と証拠の全面開示を実現するまでたたかうぞ!!!

 

 

取調べの可視化で変えよう、刑事司法! 取り調べの全過程の録画 Q:外国ではどうなっているのですか

 

 

42年前の「布川事件」再審開始確定           桜井昌司さん杉山卓男さんの無罪確定を急げ

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写真:上  12月10日人権デーで個人通報制度の早期批准を求めビラ配布しマイクでも訴えた桜井昌司さん/霞ヶ関 総務省前

中: 桜井さんは、昨年10月国連人権規約委員会第5回日本政府審査で委員らに、自分は杉山卓男さんと共に強盗殺人罪で29年間投獄させられたが自らの無実を示す証拠も有り無罪であること。日本の警察官はうそつきで、これらの証拠を隠し続けている。取調べの全面可視化の必要性を訴えた。/日本政府審査会場パル・デ・ナシオンにて審査を傍聴

下: 昨年10月15日国連欧州本部(ジュネーブ)正門前で国際人権活動日本委員会のメンバーと中央に桜井さん

<< 12月15日に最高裁で布川事件の再審が確定しました!>>
 強盗殺人などの罪で無期懲役刑が確定した後、裁判のやり直しを求めていた桜井昌司さん(62)と杉山卓男さん(63)=いずれも96年に仮釈放=の再審を認める決定をした。
 事件発生から42年を経て、再審公判が水戸地裁土浦支部で開かれる!

 殺人事件の犯人として起訴され無期懲役刑が確定していた布川事件の再審2度目の請求で水戸地裁が再審決定し、東京高裁、最高裁まで検察が決定不服として争っていた事件の再審が決定した。
 証拠採用された自白調書と録音テープ、録音テープには途中改ざんされた後があることを弁護側から申し立てている。

 このまま、裁判官の胸算用で証拠の全面開示もせずに、現在のずさんな裁判員制度の下で、密室の代用監獄で自白強要の取調べが続けられればさらに多くの国民が新たに冤罪に陥れらる!

 取調べにおける可視化は、絶対に必要だ。
 検察、警察、裁判所は国連の勧告を受け入れろ!

政府は、勧告に従ってすみやかに関係法の整備等とともに個人通報制度を批准せよ!
 
■自由権規約委員会による最終見解(勧告) パラグラフ 18・19/全34中 ) 日本より提出された第5回定期報告書審査 :自由権規約委員会第94回会期2008年10月13~31日ジュネーブにて


18.委員会は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律上、取り調べと拘留の警察機能の公式上の分離にも拘わらず、容疑者を23日間まで取り調べができる警察の拘留施設に収容が可能な代用拘留システム(ダイヨウカンゴク)は、保釈の可能性もなく、また逮捕後、最初の72時間の間は特に弁護士と限られた接見が出来るが、取り調べの延長と自白を得ることを目的とした暴力的な取り調べの危険性が増大している。(第7条、9条、10条、14条)

     締約国は代用拘留システムを廃止し、規約14条に含まれているすべての保証項目に完全に順応するようすべきである。また、すべて容疑者は取り調べ中であっても弁護士との秘密接見や、犯罪容疑の性格に関係なく逮捕時から法的援助と連絡でき、医療診察同様、事件に関係するすべての警察資料に触れることができる権利を保証されなければならない。更に、起訴以前の保釈制度を導入すべきである。 


19.委員会は、警察の統制下で収容されている容疑者の取り調べに関する不十分な時間制限や、容疑者に真実を暴露させようとする取り調べの機能を減少させるとの想定から、取調室からの弁護人の排除、また、取り調べ中の電子監視方式による部分的で選択した使用や、容疑者による自白の記録に特に限定することに懸念を抱いている。また、主として自白に基づく極めて高率な起訴の割合に対しても懸念を繰り返す。この懸念は死刑判決を伴うこれらの起訴を考えると増大する。(第7条、9条、14条)

     締約国は、容疑者の取り調べ時間の厳格な制限や、これを遵守しない場合の罰則を規定する法律を採択し、取り調べの全期間を通してビデオ録画機器による系統的な使用や、偽りの自白を防ぎ規約第14条における容疑者の権利を保証する観点から、取り調べ中での弁護人の立ち会いを許す容疑者の権利を保証すべきである。また、刑事事件捜査における警察の役割は真実を確立するのではなく、寧ろ裁判のために証拠を収集することであり、容疑者の黙秘は有罪とは考えられないと確認し、裁判所に対して、警察の取り調べで作成された自白に拠るのではなく、現代の科学的な証拠に信頼を置くよう促すことを認識すべきである。

 
 

【布川事件】 1967年8月30日、茨城県利根町布川の大工玉村象天さん=当時(62)=が自宅で殺害されているのが見つかった。同年10月、別の事件で逮捕されていた桜井昌司さんと杉山卓男さんが、玉村さん殺害と現金10万円の強奪を自白。強盗殺人容疑で逮捕、起訴された。公判で2人は無罪を主張したが、水戸地裁土浦支部は70年、2人に無期懲役判決を言い渡し、最高裁で78年に確定した。2人は83年に第1次再審請求を申し立てたが、92年に最高裁が棄却した。

【朝日新聞】
 1967年に茨城県利根町布川(ふかわ)で大工の男性(当時62)が殺害されて現金が奪われた「布川事件」で、最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)は強盗殺人などの罪で無期懲役刑が確定した後、裁判のやり直しを求めた桜井昌司さん(62)と杉山卓男さん(63)=いずれも96年に仮釈放=の再審を認める決定をした。事件発生から42年を経て、再審公判が水戸地裁土浦支部で開かれることになった。

 第二小法廷の決定は14日付。再審開始を維持した東京高裁の判断に誤りはないとして、「再審を認めるための明らかな新証拠がない」という検察側の特別抗告を棄却した。再審が認められるまでの審理で、有罪の根拠となった証拠の価値が揺らいでいることから、2人は再審で無罪となる公算が大きい。

 事件では、桜井さんと杉山さんを犯行に直接結びつける証拠が捜査段階の「自白」のほかになく、2人の自白とアリバイ主張、「犯行時間帯のころに現場近くで2人を見た」という目撃証言などの信用性が争点になっていた。

 78年に最高裁で確定した有罪判決は自白の信用性を認め、2人が被害者の口に下着を押し込み首に布(下着)を巻き付けたうえ、のどを両手で強く押さえて殺害したと認定した。これに対し、再審請求審では弁護側が捜査資料を詳細に検討。「殺害方法が自白と異なる」という分析結果をまとめた鑑定書などを新証拠として提出し、裁判のやり直しを求めた。

 水戸地裁土浦支部は05年9月の決定で(1)首を手で押さえた所見は認められず、下着で絞めた可能性が高い(2)首を絞めたのが先で、その後から口に下着が詰められた合理的疑いがある――と判断。「自白は核心部分で実際の遺体の状況と矛盾する可能性が高く、信用性が揺らいでいる」と述べて再審開始を認めた。

 検察側は即時抗告したが、08年7月の東京高裁決定は、検察側が再審請求の段階で初めて開示した、新たな目撃者の「事件現場で見た男は杉山さんらではない」とする供述調書なども考慮し、目撃証言の信用性について「重大な疑問がある」と判断。2人の自白に食い違いがある点などについても、「実際には体験したことではないため違いが生じた疑いがあり、秘密の暴露もない」などと述べ、再審開始の判断を維持していた。

 「足利事件」に続く今回の再審決定で、死刑または無期懲役が確定しながら再審が認められた戦後の重大事件は7件となる。足利事件より前の再審開始事件は、すでに無罪が確定している。桜井さんと杉山さんは、足利事件で無期懲役が確定した菅家利和さん(63)と同様、捜査段階の自白について「強要された」と主張しており、再審開始は取り調べの全過程の録音・録画(全面可視化)の導入に向けた取り組みにも影響を与えるのは必至だ。(中井大助)


【毎日新聞】

解説:布川事件、再審確定 自白誘導、批判再び 「可視化」論議に拍車
 布川事件の再審請求で最高裁は、捜査段階の自白の信用性に疑問を突きつけた高裁決定を追認した。再審公判中の足利事件に続き、自白に依拠した捜査や立証の問題点が指摘されたことで、取り調べ全過程の録音・録画(可視化)実現論議が加速するのは必至だ。

 78年に2人の無期懲役を確定させた最高裁決定は「全証拠を検討した結果、2人の自白は信用できる」と判断した。約30年を経て結論が変わった決め手は、確定後に検察側が開示した証拠だ。(1)近隣女性の目撃証言(2)遺留毛髪が2人の毛髪ではないとする鑑定書(3)取り調べ録音テープ--の新証拠3点は再審請求後に開示され、高裁は「当初の裁判で提出されていれば有罪に合理的な疑いが生じていた」と述べている。

 また、録音テープに10カ所以上の編集痕跡があるとの弁護側提出の鑑定について、高裁決定は信用性を認め、「自白は取調官の誘導をうかがわせる」と言及した。いったんは容疑を否認した2人が拘置所から警察署に身柄を移され、再び自白した経緯についても「虚偽の自白を誘発しやすい環境に置き問題がある」と批判した。足利事件でも虚偽の自白を生んだ取り調べの在り方が問題視されている。

 取り調べの可視化は、導入を公約に掲げた民主党政権で現実味を帯びるが、司法取引など新たな捜査手法とのセット論もあり、「法案化には3年前後かかる」(法務省関係者)との見方が強い。しかし布川事件の再審開始で、日本弁護士連合会など推進派の勢いは増し、早期実現につながる可能性もある。

 再審公判では、警察・検察の捜査の在り方が改めて問われる。しかし、DNA再鑑定という無罪を明確に示す証拠があった足利事件とは異なり、検察側は有罪を主張するとみられる。【銭場裕司】

 ◇相次ぐ再審開始、裁判員に影響も
 再審は、有罪確定者に無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した場合などに行われる。以前は「開かずの扉」とも言われたが、最高裁決定(白鳥決定)は75年、新証拠判断の枠組みを示した上で、「疑わしきは被告の利益に」との刑事裁判の鉄則が再審にも適用されるとした。これ以降、80年代に免田、財田川、松山、島田の死刑確定4事件で再審が行われ、いずれも無罪が確定した。しかし、その後は請求が退けられるケースが相次いだ。死刑か無期懲役が確定した事件の再審は、島田事件(87年開始確定)以降なく、名張毒ぶどう酒事件では05年に再審開始決定が出たものの、翌年に取り消された。

 今年は22年ぶりに足利、布川の2事件で再審開始が決まった。足利事件の再審公判は宇都宮地裁で始まっており、DNA再鑑定が菅家利和さんの無罪を裏付けているとして、検察側も争っていない。布川事件の再審は、改めて捜査機関と裁判所に十分な証拠収集と慎重な判断を求めた形。裁判員制度に影響を及ぼす可能性もある。

 ◇見直しはやむを得ず--元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)の話
 「確定判決は真理なり」との言葉があるように、確定判決は法律家にとって客観的真実と同視できる重みを持ち、再審開始の判断は慎重であるべきだ。しかし、今回の再審請求では犯人性にかかわる目撃証言と、犯罪の実行行為の殺害方法という二つの中核部分に重大な疑問が生じているとされ、見直しはやむを得ない。可視化議論が加速することは確実だが、安易な全面可視化でなく現実味のある部分的な可視化の在り方を検討すべきだ。

 ◇足利事件でより慎重に--元東京高裁判事の木谷明・法政大法科大学院教授(刑事法)の話
 自白を裏付ける客観証拠もなく、確定判決は明らかに判断を誤っていた。今回再審開始決定が取り消されれば、DNA鑑定などの決定的証拠がなければ認められないことになり、制度の死滅につながりかねなかった。今回の決定は遅きに失したとはいえ意義がある。足利事件で最高裁の「お墨付き」が間違っていたと分かり、より慎重に判断しようという流れがあるのではないか。