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先日、
「学校に行きたくない君へ」
(全国不登校新聞社)
を読んだ。
不登校や引きこもりの当事者・家族が、「取材に行きたい人」の元へ行って取ったインタビュー記事集。
不登校のみならず、親子関係や自己肯定感に悩むリアルな声、不登校の親としてだけじゃなく私個人にも響く言葉が多々あり、気づけば付箋だらけになってしまった。
中でも個人的に強烈だった部分を一部要約して抜粋👇
自分自身を生きている人は、不登校や引きこもりのなかにいます。ほとんどの人は狂ったシステムの中で平然と生きている。みなさんがふつうの人を見て「なんであんなことができるの」と思ったら、それは正しい問いなんです。
「学校なんか行くな、行かせるな」と伝えたいですね。学校はものすごく危険で無意味な場所だから。意味のない情報を詰め込まれたうえに、いじめられて自殺に追い込まれたり、教師がセクハラやえこひいきをする。なんでそんな危険なところに行かなきゃいけないんですか。
そもそも学校のモデルは軍隊です。昔は学校に行かないと何も習えなかった。どこにも知識がなかった。
今は本を自由に買えるし、インターネットがあるから学びたいことを学びたいだけ、タダで学べる。そんな時代に学校に行く意味なんて、そもそもないんですよ。
「人に無理やり知識を押し付けたって身につかない」、そんなこと本当は誰もが分かっている。だから不登校はまったく問題じゃない。
「不登校が問題になる社会」の方が問題なんです。
かなり、衝撃だった。
言われてみれば、色々その通りだと思う。
だけど悲しいかな、義務教育を受けることが至極当然で、それ以外の道を知らず選ぶこともほぼ無かった私たち親世代は、「学校に行く」という一本綱をどうにかして渡るもんだとの価値観に、どっぷり漬け込まれている。
綱から落ちてしまった時のことを考えるのが不安でたまらない。
その道が本当に先に繋がって、開けていくのか。
未知すぎてわからないから、怖い。
だから、子ども同様、時にはそれ以上に、親側の不登校へのショックや不安が膨れあがる。
でも、
学校がどうしたって合わない子。
学校に行くことで傷ついて辛くて堪らない子。
そういう子たちがいるのはよく考えたら至極当然で、当たり前だけど悪いことでも何でもない。
そんな子たちが、ただでさえ揺れやすい時期の幼い心をギュッと抱えて、歯を食いしばって、時には情緒を壊してまで行く場所では、確かにない。
この令和に、軍隊をモデルにした学校教育がまだ「ふつう」だと聞けば、怖くすらなる。
更に個人的に壁だと思うのが「格差問題」。
適応指導教室のような公的な場所は、無料で行きやすいけど、ウチの地域は原則学校に戻るルート=目的になっている。
でも学校が合わなくて戻るのが辛い子なら、無理に画一的で窮屈な場所に戻るより、他のもっと自由な場所に行けた方が、絶対いい。
だけど自由な場所、例えばサポート校やフリースクールは、ほとんど民間で有料だから、まぁまぁお金がかかる。
塾と一緒で、それなりに元手がなきゃ入れないし、入った後も、一部の活動は別料金で、それが払えないと参加できない場合もあるらしい。
更に入ったところが本人に合わなかったら、それまでかかった費用を捨てる覚悟で、また別の場所を探してリスタートするかもしれない。
考えただけで、ものすごい労力…
ただでさえ、不安を隠しながら、毎日子どもと向き合って生活するってだけで、親も大変なのに。
実際、不登校の子が「経験できる場所や量」は、親の収入で左右されるというデータもあるらしい。
……マジでこれ、
全っ然、子どもに優しくない
少数派だろうが個性派だろうが関係なく、もっと子どもに優しくあってほしい。
綱渡りから落ちないように、落ちちゃいけないと緊張と不安を抱えながら、ギリギリ細い綱の上を親子が歩き続けなくていいように。
受験という重すぎるプレッシャーを意識しなくても、学校以外でお金をかけなくても、ちゃんと未来に繋げられる。
そんな沢山の選択肢と保障や安心を、子どもも親も持てるように。
ついでに、外に出ること自体ハードルが高くて辛い子のために、訪問系の使いやすいサービスも広がってほしい。
例えば、意外と高齢者だけじゃなく子どもを対象にした所もある、訪問看護。
家で親以外の人と繋がれるし、通院と違って週1回とかこまめに関われれば、子どもの変化も出やすいし掴みやすい。
さらに医師の指示書があれば、医療保険の3割負担・年齢や地域によっては乳幼児医療助成で、金額が抑えられるのも大きい。
残念ながら私の地域まで訪問してくれる事業所はないけど、これだけ不登校が増えているなら、もっと色々、安価で使いやすいサービスが広がってもいいじゃないか。
そうして選択肢が増えたぶんだけ「学校に行く=ふつう・must 」のイメージが薄らいで、不登校への不安も感じにくくなれば、もっと子も親もゆとりを持って、罪悪感も感じずに必要な休息を取れるんじゃないか。
そんなことを感じた1冊でした。
長々と無いものねだりなこと書いちゃって、すみません
最後まで読んでいただき、ありがとうございました