鉱物採集:黄鉄鉱(飯豊鉱山、和賀仙人鉱山) | なんだかんだの石集めと与太話

なんだかんだの石集めと与太話

鉱物を初めて手にしたのは、小学生の時。それからずっと中断。
2011年頃より、やっと暇になったので、また石の世界へと羽ばたき始めたけど。

 黄鉄鉱というと、「愚者の金」とか言ってあまりいい感じがしませんね。黄鉄鉱は、その形態がよく研究されていて、その形態の要因まで考察されています。(参考1)黄鉄鉱を少しでも理解し、その形態の変化を理解することが、鉱物をより理解する早道だと感じられます。

 

 なので、今回は黄鉄鉱の結晶を探しました。黄鉄鉱は、基本3つの結晶形のものからなると考察されています。なのでできるだけ理想形に近い、(六面体(立方体)、八面体、五角十二面体の)3つを探しましたが、立方体と五角十二面体のものは簡単に見つかりますが、八面体の物が...。

 

 ということで、黄鉄鉱については、2つだけ。八面体のことは、そのうちに追加で書くことにします。

 

 で一つ目。手持ちの黄鉄鉱で、比較的きれいな六面体(言い換えれば、立方体)の結晶が採集できるところで有名なところは、新潟県にある飯豊鉱山でしょう。市岡元気がここで黄鉄鉱を採集する様子がYoutubeにアップされています。(参考2)

 

 この産地は、坑道の中に入るので危険を伴いますが、それよりも坑道入口に行くまでが急傾斜地を行くので非常に危険です。落ちたらダム湖に真っ逆さまです。私は、10年以上前に単独で採集に行こうとダムの上を通って、登山道で藪の手前までは行きましたが、単独だったので事故が起きたらいかんと思って引き返しました。人から手書き地図を貰っているし、今までいっしょに行こうという話はありましたが、話だけで結局行かずじまいです。鉱物採集には単独で行くことがありますが、ここは単独では危険すぎるわいという判断で行っていません。誰かいっしょに行こうという人は居ませんか。複数の人数なら助けも求められるでしょうから。

 

 で、飯豊鉱山の黄鉄鉱は頂き物ですが以下に示します。

    

写真1 黄鉄鉱(FeS2、新潟県飯豊鉱山産、

       譲受品、一辺の長さ約18mm)

 大分表面が酸化気味ですが、ハイドロハイターに漬けておけば綺麗になると思って全然処理してませんが...。あちこち欠けていますが、まあ比較的きれいな六面体です。

 

 二つ目は、五角十二面体の黄鉄鉱です。

 こちらは、和賀仙人鉱山の黄鉄鉱です。ここでも立方体の黄鉄鉱を採集できるようでしたが、私が採集に行った時にはきれいな立方体の黄鉄鉱を採集できた覚えがありません。ただ忘れているだけかもしれませんが。

 

 以下に、和賀仙人鉱山で採集した五角十二面体の黄鉄鉱です。

    

写真2 黄鉄鉱(FeS2、岩手県和賀仙人鉱山)

        2011年に採集、右の黄鉄鉱サイズ:約7mm

 

 和賀仙人鉱山には、盆休みで単身赴任していた秋田から戻る途中で、採集に出掛け、千葉の自宅には遠回りして帰ってきました。採集したのは、川を渡っての、金肌鉱床です。(位置については、こちら参照のこと→ 和賀仙人鉱山での採集)

 

 金肌鉱床では、黄鉄鉱の他に、鏡鉄鉱(赤鉄鉱)、方解石、灰礬柘榴石や集める人はあまり居ない灰鉄輝石なども採集できます。

 

 次に、八面体の物を示せば黄鉄鉱の基本三構造が示せます。この三つの構造が基本となっていろいろの黄鉄鉱が構成されていることが砂川線せぃの論文(参考1)で示されています。だが、八面体の物が手元にないので、手抜きですが、あっさりとここでお終い。いや湯ノ沢鉱山の黄鉄鉱があったわ。けれど八面体だけど集合体、きれいな八面体でないわな。残念。(参照 → こちらの中で書いてます)

 

 

参考

1.砂川一郎,地球化学,21,p23-30(1955)

  → こちら

2.市岡元気の飯豊鉱山での黄鉄鉱採集

   (こちら → youtube)