二月花形歌舞伎@松竹座(午前の部) | むばたまの夜の衣を返してぞ着る

むばたまの夜の衣を返してぞ着る

~いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る~
平安時代の歌人小野小町の歌から。
愛しい人にどうしようもなく会いたくてしかたのないときは、
寝間着を裏返して寝るわ
(寝間着を裏返して寝ると恋しい人の夢を見ることができるという説があったそうで)

 
 
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二月花形歌舞伎
2017年2月5日(日)
午前の部 11時開演

開演前に「ご挨拶」
浅草のように役者さんが日替わりで幕の前に出て自由にしゃべる趣向となった。
この回は松也くん。
白塗りのメークが映えるお顔。演目の紹介と
携帯電話の注意。

「義経千本桜」渡海屋・大物浦
松也くん凛々しく男前になったなあ・・・としみじみ思う。
初めて見たころは女方だったからね。愛之助さん@京極内匠に殺されちゃうえーん
(去年の三月南座の鳴神上人や弁天小僧より印象が強い)
その次はやっぱりカルデロン神父だし。

壱くん@お柳・典侍の局 貫録すら漂っている。
特に典侍の局の拵えになってからの風格は、気高くて、
立ち姿も自害した後も気品が感じられたドキドキ

歌昇さんの弁慶はちょっと気の毒かな?
もすこしベテランの重量感のある役者さんのほうが・・・と思ったり。

「三人形」
若衆と傾城と奴、三体の人形が箱から出されて動き出す。
箱から人形が出てくるパターンの演目は好き。
「操り三番叟」や「京人形」・・・それぞれ趣向は異なるけれど
非現実の世界が違和感なく繰り広げられるところが面白い。
くるみ割り人形ぽい口笛
なんとなく傾城は梅枝くんかと思っていたら、新悟くん。
義経や阿毛斗のような中性的な感じがイメージだったけれど
傾城も美しいラブ
若衆が梅枝くんでびっくりでも背も高いし所作がきれいで見惚れてしまう。
最も目が離せなかったのは、やっぱり奴の種之助くんだろうラブラブ
弾んで回ってぴたりと止まって
特に優れた大腿四頭筋の持ち主と見た(笑)
観ていて、「あ~なんか鴈治郎さんぽい・・・」と思ったら
前に観た「三人形」の奴は鴈治郎さんだった口笛
もちろん若々しくて弾力も(笑)あるけれど、
可笑しみというか、黙っていても漂うユーモアが
相通ずるような気がするゲラゲラ

終演は2時10分
早い!だから昼の部ではなく「午前の部」なのね。
花形だし、短いし、ご挨拶もあるし・・・浅草ぽくするのなら
お値段もそうしてほしいところだけれど。