善意の心・・・ | むばたまの夜の衣を返してぞ着る

むばたまの夜の衣を返してぞ着る

~いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る~
平安時代の歌人小野小町の歌から。
愛しい人にどうしようもなく会いたくてしかたのないときは、
寝間着を裏返して寝るわ
(寝間着を裏返して寝ると恋しい人の夢を見ることができるという説があったそうで)

1月9日付「朝日新聞」の一面にこんな記事が載った。

忘れてた写真を追加(1/17)

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見出しは「大雪ぬくもり国道」

大晦日の豪雪は各地で被害や交通の混乱をもたらしたが、

鳥取県での交通渋滞はすさまじいものだった。

国道9号は琴浦町付近で約25キロにわたって約1,000台の車が

動けない状態になっていた。


元日の朝6時に起きた住民の一人は、入口を叩く音に気づく。

「トイレを貸してください」と真っ青な顔の女性。

見たこともない車の列に驚いた彼は、仕事場のトイレを使ってもらおうと決めた。

家業は看板屋。「トイレ⇒」と書いた看板を国道に掲げた。

公民館から大鍋を借りありったけの米を炊いて、

近所の人とおにぎりを作って配った人がいた。

「目の前に困っている人がいたから・・・。お互い様じゃけね」だって・・・

泣かせるじゃないか。


日没後、首に懐中電灯を下げてバナナを配って歩いた人もいた。

その人は16年前震災に遭い、避難所でボランティアに励まされた体験を持っていた。

神戸からの帰省中だったという。

「寒さ、空腹、不安を感じる人がいるのはあの時と同じ。自分だけぬくぬくとはできへん」

この言葉にも涙がこみ上げてくる。


「琴浦はそんな土地柄です」と言った沿道のお饅頭屋さんは1,200個のお饅頭を配ったという。

(ちなみにこのお饅頭、記事には名前が載っていなかったが、

おそらく⇒ふろしきまんじゅう  素朴だがとてもおいしい)


ボランティア、善意の心・・・といえば、

このところ話題のタイガーマスク運動もそうだけどね。


明日は1月17日。

あれから16年・・・。

あの日の前日もこんな大雪だった。

3連休を利用して神戸の友人のところに遊びに行っていた。

自宅についてから8時間後にあの大地震が・・・。

震度5の揺れで目覚めてからずっと、

祈るような気持ちでテレビを見ていたことを思い出す。

忘れてはいけない。

そして、失われたものは途方もなく多いけれど、

あの震災から育っていった多くのことを大切にしたい。


1月17日は「おむすびの日」でもある。

阪神・淡路大震災で被災し、

食べ物もなく、不安のどん底にいた人たちは、

ボランティアによる炊き出し(おむすび)に助けられたという。

そこで、食料の重要性やボランティアの善意を忘れないために定められたそうだ。

私の明日の昼食もおむすびおにぎり(早起きして作る!)


作ったおむすびの写真を追加(1/17)

右側は実は食べかけ・・・ena


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