新春浅草歌舞伎 【第二部】 | むばたまの夜の衣を返してぞ着る

むばたまの夜の衣を返してぞ着る

~いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る~
平安時代の歌人小野小町の歌から。
愛しい人にどうしようもなく会いたくてしかたのないときは、
寝間着を裏返して寝るわ
(寝間着を裏返して寝ると恋しい人の夢を見ることができるという説があったそうで)

新春浅草歌舞伎


むばたまの夜の衣を返してぞ着る



うーん。このところ感想が遅れがち・・・

浅草から2週間以上経ってしまった汗その間お正月休みで滞っていた仕事が押し寄せたり、「愛之助さん休演!」なんて衝撃的なニュースも入り、なかなか落ち着いて感想を書くという気分になれなかった。インフルエンザで一時は熱が40度以上あったそうだが、なんと15日にはもう復活だそうで。(やはりタミフルかリレンザか?)復活を祝して(?)感想を書くことにしよう(笑)


しかし・・・実は記憶がもう・・・OH

とはいえ、多少はネタバレあり!



2011年1月2日(日)

【第二部】午後3時 1階 さ列 上手より


お年玉〈年始ご挨拶)  亀治郎さん


初めての浅草だったので、このお年玉挨拶も楽しみだった。(愛之助さんの回にあたらなくて残念だったが)

亀治郎さんはとっても真面目に(?)口上ってな感じだったので、ちょっと意外であった。

永楽館の口上のような「素」をイメージしていたので汗(翌日の亀鶴さんは楽しかった)


前日の稽古で「水入り」をやったが、非常に寒かったとのこと、今日は客席の熱気で暖めていただきたい・・・というようなことをおっしゃっていたのを覚えているくらい・・・(記憶力ゼロor気合が入っていない)



一 壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)

座頭沢市/片岡 愛之助 ラブラブ

女房お里/中村 七之助



むばたまの夜の衣を返してぞ着る


愛之助さんの沢市は、善良で朗らかでかわいげがある。

女房お里の浮気を疑ったことを心底恥じ、これ以上お里に迷惑をかけまいと自ら死ぬ覚悟をする。

自ら死を選ぶという悲愴な決意は痛ましいが、それ以外はとてもほのぼのとした風情で、「堀川」の与次郎を思いだした。愛之助さんのこういった世話狂言は、実に味わい深いものがある(と思う)。これから、もっともっと情愛深くなっていくのだろうなあと思ったが、今回は一回しか観られないので、再演を期待したい。

七之助さんはどちらかというときれいなお姫様や、悪女(?)のほうが私は好きだな。

今度、孝太郎さんと愛之助さんでされてはいかがかと・・・。(上方のものだし)



二 猿之助四十八撰の内 黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)


忍岡道行より三浦屋裏手水入りまで  浄瑠璃「忍岡恋曲者」   

市川亀治郎三役早替りにて相勤め申し候


番頭権九郎/牛若伝次/花川戸助六/市川 亀治郎

三浦屋揚巻/中村 七之助

同 新造白玉/市川 春猿

白酒売新兵衛/市川 寿猿

三浦屋女房お仲/市川 笑三郎

鳥居新左衛門/中村 亀鶴

紀伊国屋文左衛門/片岡 愛之助 ドキドキ


むばたまの夜の衣を返してぞ着る


「助六」パロディというこの演目、「亀治郎さん祭り」という感じ。

登場人物は「助六」と共通しているけれど

まったく違った人物像の人も多く、

本家「助六」を知らなくても楽しいと思った。


序幕「忍岡道行の場」では、春猿さん演じる三浦屋白玉の、

美しいけれど冷たい態度が可笑しい。

また、それを全く読めていない権九郎の間抜けぶりが楽しい。

牛若伝次への早替りでは、上手寄りから見ていたためか、

入れ替わるところがはっきり見えてしまって・・・sei

池に突き落とされた権九郎が這い上がってきてからの入れごとは笑える。

ちゃんとせりふを覚えていないけど、

「龍馬を斬ったこの俺が、そっくりの顔のいとこに頼んで福山の全国ツアーのバックコーラスに入れてもらおう・・・」とかなんとか言ってたっけ。

福山雅治さんの曲が流れてエアギターに口パクでパフォーマンス音符

それはそれはノリノリで、客席も楽しそう。


二幕目は股くぐり。

ちょっと古めのネタから最新のお笑いネタまでいろいろ取り混ぜてた。

「ラブ注入LOVE」まであって驚いた。

このお笑い部分少々長くてだれる気がした。

愛之助さんの出番があまりに少なくて残念顔

紀伊国屋文左衛門の落ち着きも分別もまだ持ってほしくないわ(笑)


最後は水入り寒い
これを毎日やるとは・・・

亀治郎さん風邪いやインフルエンザにかかりませんように祈





で・・・やっぱり結論。

私は白塗りの愛之助さんが好きだキッパリ

一つ坊主なら、もう一つは白塗りであってほしかった・・・というのは我がまま?ミーハー?

そんなわけで、終演後のディナーで「胸がいっぱいで入らない~」ということは全くなかった(笑)

坊主談義苦笑に花が咲き、シャンパンも白ワインも美味しかったわ乾杯



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