◇ゼレンスキーの交渉カード立ち消え⇒トランプ節の和平
ゼレンスキーがプーチンの直接協議を提案してからプーチンの「無視」と30日間の停戦提案にもロシア政府の「無視」が続き、プーチン提案のウクライナ×ロシアのイスタンブールでの交渉が準備中となった。
トランプは、そこにトランプ節を炸裂した。
●ウクライナ和平交渉、突破口開くには「トランプ氏とプーチン氏の直接協議」必要と米長官
トランプが米大統領専用機エアフォース・ワンの機内でーーー
「ロシア代表団の顔ぶれに失望したかどうかBBC記者が質問すると、トランプ氏は、「いいか、プーチンと私が会うまでは何も起こらない」と答えた。」
トランプはプーチンのゼレンスキーとの直接協議に出なかったのを受けてプーチンを批判していない。逆に、ゼレンスキーにプーチンとの直接協議を提案したことへのカラクリを言っている感じだ。
ゼレンスキーは、ロシアの停戦さえあれば、イギリスなどの軍隊をウクライナに進駐させるつもりのところ、ロシアの停戦もないし、プーチンの出席もなく、トランプの言うままに動いてしまった。
それによってゼレンスキーは、ヨーロッパ列強がロシアの停戦開始と同時に平和維持軍を進駐させるつもりがあるのを世界中に示した格好になった。
ところが、ゼレンスキーは、イスタンブールでの立ち消えになった協議再開に前向きに取り組むことを公言したが、イスタンブールでのウクライナ×ロシアの直接協議は、16日になってしまった。
そんな中のトランプ節は、記事にもあるようにウクライナ和平は、トランプとプーチンの直接協議なしに何も進展しないと公言したわけである。
トランプの立場をアメリカ国務長官が代弁しているーーー
「トランプ大統領とプーチン大統領がこの件について直接やりとりするまで、(和平交渉で)突破口が開けるとは思わない」
つまり、イスタンブールでのウクライナ×ロシアの協議では、ウクライナ和平・ウクライナ戦争の停戦がありえないとトランプは見ているわけである。
◇ゼレンスキーの行動は何を示しているか?
ゼレンスキーが30日間の停戦を提案したり、プーチンとの直接協議を提案している背景は、ゼレンスキーとヨーロッパ列強が停戦開始と同時にロシアの再侵攻を防ぐという名目でウクライナにできればアメリカ軍も一緒に、イギリスやフランス軍とともにウクライナに進駐する目論見があるためである。
それだからヨーロッパ列強は、30日間の停戦に従わないなら制裁を行うと「警告」を発したわけである。
ゼレンスキーとヨーロッパ列強の和平の進め方は、ウクライナに平和維持軍を進駐させてウクライナをNATO圏内に引き込むことにある。その推進は、ロシアの同意を求めないものである。
従って、ゼレンスキーやヨーロッパ列強の思い浮かべるウクライナ和平の形は、停戦してからイギリス軍などをウクライナに進駐させて、停戦中のロシアの再侵攻にイギリス軍などとともにウクライナ軍が一気に占領地を奪還することを考えていることである。
◇トランプの和平の形はヨーロッパ列強と異なる
トランプの場合、ウクライナ進駐は、やるつもりがないもので、停戦協議での議題にすべきものとして考えているところがあるらしい。ただ、イギリスやフランスが乗り気なのでそれはそれ、いいんじゃないの、くらいの軽い返事をしている様子だ。
トランプの目指すウクライナ戦争の停戦とは、とにかく停戦することだけである。
しかし、停戦の仕方や停戦後の戦争終結に関する考えを出していない。
停戦の仕方と戦争の終結に向けた包括的な停戦の仕方については、ゼレンスキーとヨーロッパ列強は、停戦ラインの設定による停戦とイギリスなどの有志連合のウクライナ進駐による停戦の長期化である。
トランプーーーとにかく停戦
ゼレンスキーとヨーロッパ列強ーーー停戦ラインと有志連合の軍隊のウクライナ駐留による停戦の長期化
違いは、停戦と停戦の長期化の違いでしかない。
◇ロシアの考えは、トランプやヨーロッパ列強と異なる
ロシアは、戦争の終結を目指している。
その意味は、以下の二つである。
①ウクライナとロシアの国境線の画定
②戦争の原因となったものを取り除くこと
要は、ゼレンスキーに受け入れがたい戦争の終結である。
ロシアと西側の対立点は、上記で並べた二つのことである。言い換えると、戦争の終結を目指すか停戦を目指すかの違いである。
◇浮かび上がる根本的な違い
すでに述べたようにロシアの目指す和平とトランプやヨーロッパ列強とゼレンスキーの目指す和平とは大きく異なる。
ロシアは、戦争の終結を主張し、西側は、停戦を主張する。
言い換えれば、ロシアの戦争終結は、ウクライナの承認で国境線の画定の時に併合したウクライナの領土の割譲を求めるものである。それを条件に停戦と終結が成り立つと考えているわけである。
ところが西側の停戦は、以前反故になったミンスク合意と同じで停戦ラインの設定と兵力引き離しと平和維持軍の進駐から成り、結果的に戦争は終結することはなく、ロシアの再侵攻がない限り停戦状態が続き、いつでも戦争再開可能な状態にすることである。
西側の和平案では、戦争の終結ではなく、戦争の停戦を目指し、いつでも戦争再開可能な状態にしておくことである。
なぜなら、国境線の画定がないからである。
国境線の画定は、ゼレンスキーがロシアの併合した領土をロシアに割譲することなしには決して成立しないから、西側は、停戦ラインによる停戦を主張するわけであり、停戦が戦争を再開できる道を残しておくことになる。
そのため、ゼレンスキーなどは、停戦中のロシアの占領地を「一時的割譲」として扱うのである。
◇西側の停戦目的では第三次世界大戦の火種を作ることになる
その意味は、停戦中のイギリスなどの駐留軍がウクライナにあるから、実質ウクライナがNATO加盟しなくてもNATO加盟した勢力圏に収まるわけである。
停戦中という意味は、戦争を再開する可能性を残したものであるから、ミンスク合意が破たんした時のような停戦ラインでのいざこざがあれば、ロシアの再侵攻にイギリスなどの平和維持軍が交戦状態になり、世界の列強による直接的な戦争ーーー第三次世界大戦ーーーの引き金を作ることに等しくなるわけである。
それゆえ、西側の停戦和平には、要注意点がたくさんあるわけである。
停戦は、戦争終結の前提だという考えは、停戦中の停戦の仕方とその意味にちょろまかしがある。
そのちょろまかしの最大のポイントが停戦中のイギリスなどの平和維持軍のウクライナ進駐なのである。
平和維持軍が単なる停戦の引き伸ばしの意味しかないのは、世界各地の平和維持軍が示している。
最近では、レバノンに駐留する平和維持軍がイスラエルのレバノン攻撃の縦にはならなかったのがそれである。
その平和維持軍をイギリスなどは、有志連合と称したヨーロッパ列強の軍隊で組織するわけだから、停戦の引き伸ばしに過ぎない停戦というのは、停戦後の次の戦争の火種を作ることにしかならないわけである。
その結果から言えるのは、ゼレンスキーもロシアも戦争を終結する意思がないことである。
停戦というのは、表面的なものにすぎず、長いか短いかの違いでしかない。
★プーチンの狙いは、話し合いで国境線の画定をやってもいいぞ、くらいのものだということだ。それは、停戦してから協議などするわけがない。停戦したらイギリスなどがウクライナに軍を進駐するからである。
いまさらトランプがプーチンと直に話し合っても、ギアがかみ合わないだろうよ。根本が違うのだ。
西側の報道では、停戦ばかりだが、まあ、一種の大衆誘導のようなものだ。本質を見極めれば、戦争するしか解決方法がないものを停戦で解決するわけがないのである。
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