7話(1) | 好きで、好きで、好き!

好きで、好きで、好き!

主に心動かされてきた人たち、こと、もの、漫画のことを自己満足で語ります。こだわりが過ぎるので、ご理解いただけない方は回れ右でお願いします。なお記事の二次利用はお断りしております。また現在アメンバー申請はお断りしております。

6話の衝撃的なラストからの

続き。

 

俺・・

 

ここで黒沢、息を吸って、まゆげがぴくりと動く。

少し、言いよどむ…感じ?

 

お前のこと、

 

        好 き

 

                 なんだ!

 

うわ・・・・。

どストレート!!!

こんな直球勝負。

黒沢も、大きく息を吸って言ったけど、

聞いてるこっちも思わず息を呑む。

 

こんな・・ストレートな告白・・・。

 

なかなかない。

たった10文字余りの短い言葉だけど、

しっかり見据えられて言われちゃうと、

圧倒的な想いの丈が伝わってくる。

 

そして言い終わった黒沢。

一拍おいて目の色が優しくなる・・・。

 

ぶつけられた安達。

びっくりしたんだろうなあ・・口開いてる…

 

鳩が豆鉄砲、ってこういう…?←

つば飲み込んで・・・・

 

目が大きくなってる…。

 

黒沢の勢いに、何をどう言っていいのかわからない

状況なんだっていうか・・・。

 

このわずかな瞬間の赤楚くんの反応が

本当に安達の混乱と、

でも嫌悪や拒絶ではない心情を伝えてくる。

 

息を整えてる黒沢。

 

黒沢にとっても、おそらく、初めて…の告白だから…。

 

少し前まで、近くにいれれば、

それでいいって思ってた。

 

ここでの黒沢の瞳、なんて優しい。


でも

 

近くに居たら・・・

 

欲が出た。

 

同じ漫画が大好きで、夜更かしの仕方が同じだったこと。

 

いつか…と思って買ってしまったパジャマを

着てもらうチャンスがやって来たこと。

 

それは、今まで、遠くでしか見ることができなかった

安達の体温すら感じてしまう距離に

入り込んでしまったということ。

 

家族以外に

おかゆを作ってもらったことがないって言った安達。

その喜びにあふれた笑顔を見てしまったこと。

その笑顔を閉じ込めておきたいと思っても

それは

仕方のないこと。

 

誰ともキスしたことがない、

 

そう言いながら、

自分がしたおでこのキスを

 

嫌じゃなかったと伝えてくれた安達。

 

そして、自分がそれ以上に踏み込もうとした時、

それを嫌がっていない安達を感じてしまったこと。

 

むしろ、安達のことになると余裕さえなくしてしまう自分を

受け入れてくれている。

そう感じてしまったこと。

 

ずっと安達を見てきたけれど、

こんなに一挙に距離が縮まってしまって・・・。

 

でも。

肝心なことは安達に伝えられていない。

安達のことをこんなに想っている人間がいることを。

安達にはたくさんいいところがあって、

自分にとって安達は「特別だ」って想ってきたからこそ、

だから、もっと自信をもって生きてほしい。

自分なんて、なんて、もう二度と思ってほしくない。

と思っているということを。

 

 

そして、さらに安達のいろいろな「初めて」を

もっと、もっと、と思う自分に気が付いてしまった。

それはつまり、

 

いろんな安達と一緒に過ごしていきたい。

一緒に生きていきたい、

 

という願いを持ってしまったということ。

 

そんな、恋をする人がだれでも持ってしまう、

当たり前の・・・欲。

 

ただ、ただ、黒沢の言葉を

じっと聞いている安達

 

 

同期としてとか

友達としてとか

そんなんじゃいやだ。

 

だんだん、黒沢の視点が定まっていく・・・

瞬き一つせず安達を見据えてる。

 

なんて愛おしげに見てるんだろう…

それは安達だけに向けられた瞳。

 

初めてなんだよ

 

誰かを

こんなに・・・

言い終わって見つめる黒沢の瞳。

安達が愛おしくて仕方ない。

それだけを伝えてくる、雄弁な瞳。

 

なんて温かな、慈愛に満ちあふれた瞳なんだろう。

 

何か、尊いものを見つめるかのような慈悲深き瞳。

 

観ているこっちまで温かさで胸がいっぱいになってしまう。

 

 

ここの、町田くん・・・・本当に神がかっているというか、

神々しいというか…。

慈悲深き顔、ってこういうのを言うんだって、

深き愛情ってこういうのを言うんだって、

改めて見せつけてもらったというか…。

 

本当にすごい瞬間を魅せてもらえて、

胸がいっぱいになった…。

 

 

 

人が人を好きになる。

それは、どこにでもあること。

相手のことが好きでたまらない。

胸が張り裂けそうになるくらいの、

強い想いになることだって

それはどこにでもあること。

 

でも、こんな風に・・・。

 

相手への、愛おしさだけでいっぱいの、告白。

ただ、ただ、伝えたい、というだけの告白。

それは押しつけではないからこそ、

胸を打つ。

 

でも・・・

そう思う反面、

なぜ、こんなにも胸がひりひりするんだろう。

 

 

うまくいかないと思ってしまうから?

 

安達は、そこまで覚悟ができていないと思ってしまうから?

 

黒沢の想いは安達ゆえだとわかってるけど

それが安達には理解できているかどうか。

 

好き、という気持ちに含まれているものが

一般的な概念としての恋、だとか、

愛だとかしか浮かばないとしたら、

余計に二人の想いに違いが出てしまって、

その違いから起きることが予想できてしまって

胸が痛かった。

 

 

むしろ安達はこういう経験が少なくて

しかもその経験の少なさが

彼自身の心に大きな影を落としているがゆえに

余計に大きな溝を作ってしまう。

 

安達自身が隠れてしまうための、溝。

 

それが出てくることが怖かった。

 

それをよく表している、落ち着きのない安達の瞳。

 

それはこんな風に見つめられること自体も

安達の経験上、なかっただろうから

仕方ないこと、なんだけど…。

 

そこに、ゆっくりと手を伸ばす黒沢

それは、「こんなに」の

あとの言葉を伝える手。

 

 

ずっと見つめてきた。

こんなに目が離せなくなるなんて、思いもしなかった。

安達のいいところをたくさん知っている。

だから、もっと自信をもって生きてほしい。

自分にとって、どれだけ安達が特別か、

この胸を切り裂いてでもいいから

わかってほしい。

 

それは安達のことが

愛おしくて、愛おしくて仕方ない。

安達のことだけを考えて、

安達のために存在しているかのような

 

そんな、抑えられない気持ちが溢れている、

この手。

 

そんな黒沢をずっと見つめている安達。

その瞳は瞬き一つせず、ひたすら黒沢だけを見つめてる。

 

ゆっくりと伸ばされた手に、

均衡が破られたかのように

思わず瞳を伏せる安達

 

その、自分の行為に、

自分でも何かわからない自分に気が付いた?

 

ああ・・・・

やっぱり・・・。

 

 

安達は、黒沢の気持ちはわかってはいたけれど、

こんなにも早く、

しかも真正面から告白されるなんて

思ってもなかったことだろうから、

何をどう言っていいのか戸惑っていたんだろうことは

見てるこっちは予想が付くけど

黒沢はそれを知らない。

 

いくら心を読んでいたとはいえ

自分に自信がない安達に、

こんな突然の、

今までに経験のない好意を受け入れる余裕なんて

あるはずもないことは、

予想できてしまっていたから

ここでの戸惑いの様子は十分わかるけれど、

でも、黒沢にはむしろそれが

拒絶に写ることを予想できてしまった。

 

だからこそ、ここで安達が

何かを言えばいいんだろうけど、

安達自身も突然の出来事に

咄嗟の反応ができない。

 

それが、

ここでの落ち着きのない瞳の様子からうかがえる。

その様子に、

目の色が変わる黒沢。

安達の様子に、

我に返った・・

ああ・・・・受け入れてもらえない…と感じた瞳の色。

絶望の色に包まれている。

少しずつ、後ろにのけぞっていく黒沢。

ああ・・・・とでもいうかのように。

 

ゆっくりと下ろされる手が、黒沢の絶望を感じさせて…

 

胸が痛い。

 

 

下ろされた黒沢の手に

気が付いた安達の瞳に力が入る

黒沢の変化に気が付いた?

そして、黒沢を見上げる 。

 

やっぱり・・とでも言いたげにうなだれる黒沢

 

受け入れてもらえない、と思った黒沢の

奥歯を噛み締めている様が

気持ちを飲み込んでしまっているようで

 

やっぱり胸が痛い…。

 

 

ごめん

 

やっぱり、忘れて

 

 

そう言われて、

 

見開かれた安達の瞳。

 

え?どういうこと?

きっと状況が呑み込めてない

 

おれもそうするから

って言われて思わず、

・・・え?

 

 

余談だけど、本当にこういう表情が赤楚くんは

魅力的というか。

目が惹きつけられるというか。あせる

少し開いた唇が色っぽいというか…。

すみません、

シリアスな場で邪な目で見てしまいました・・・・(◎_◎;)

 

 

どうしても

気持ち

伝えたかっただけだから

 

って笑うけど、瞳は全然笑ってない。

むしろ…泣き笑いのような…。

 

え・・・と、それはどういう??とでも言いたげな安達は、

思考が付いて行ってない感じ

でも、ちゃんと顔をあげて、黒沢を見る。

何とか伝えなくちゃって思ってる・・・。

 

でも。

 

自分勝手でごめん

そう言われて、何か言いたげな安達。

 

 

ここでの安達の瞳。瞳が語る、ってよくあるけど、

とても雄弁に、

安達の混乱と

黒沢が自己完結してしまったことに対する自己嫌悪と

何か言わなきゃ、っていう焦りとを伝えてくる瞳。

 

黒沢も、初めて、なわけだから。

こんなにも、人を好きになるっていうことが…。

こんなにストレートに想いをぶつけたのも初めてだろうから、

安達の混乱の奥にあるものなんか、気が付けるはずもない。

 

次会ったら

 

・・・ここで自分の気持ちに決着をつけた?一呼吸する黒沢。

しっかり安達の顔を見てる。

 

もしかしたら、

もう二度とこんな風に正面から

こんなに近い距離で話すことはない。

 

そう思ってる??

 

全部元通りだから。

 

そんな張り付いた笑顔を見てる安達 

何か言わなきゃ、って思ってるけど、

喉の奥に言葉が張り付いてでてこない・・・

 

 

あ・・・・

 

引き留めなきゃ

 

けど、

 

引き留めてどうする…

・・・・・・

 

 

 

あ~・・・・・もうわっかんねえ・・・・

 

 

 

このシーン、本当に息を呑んだというか。

わずか、2分半くらいのシーンなのに、

またも胸をわしづかみというか…。

 

 

 

安達の幸せを願い続けてきたであろう黒沢の、

『同期としてとか、友達としてとか、そんなんじゃいやだ。

初めてなんだよ、誰かをこんなに・・・・』

の言葉に続く

「愛おしいと想ったのは…。」

が、言葉にならずとも伝わってきた、

このシーン。

 

ずっと見つめてきた安達の自己肯定感の低さを

何とかしたい、という、

想いからの「お前が好きなんだ」

 

全て、安達のため。

自分の気持ちを一方的にぶつけているわけじゃないって

わかってはいるけれど、

でも安達のキャパじゃ難しいことは

容易に想像できてしまったのも

辛かった。

 

 

先週(もう、先々週になるのかな)

ananの2237号で

町田くん自身、このシーンが

間が空いてしまったから不安があったけど、

新鮮な気持ちで演じられたのは、

毎回、赤楚くんの顔を見ると

自分の演技が変わるのが楽しかった、って言ってる。

それは、赤楚くんに対する信頼の証。

 

赤楚くんは赤楚くんで、

余り台本を読み込まず、黒沢の言葉を受け止めながら

って言ってる。

 

赤楚くんは「安達として生きます」って、

まさにその言葉通り。

黒沢の言葉を受け止めながら、って。

そして町田くんも、赤楚くんの演技を受けながら、

っていうことは

おのずと黒沢として生きてくれたっていうこと。

 

その二人の、

二人だからこその、

本当に色んな感情が押し寄せてきたことを

余すことなく

魅せてくれたこのシーン。

 

本当に、今更ながら、

一つ一つのシーンが宝物のような、

珠玉の瞬間であったことを思います。

 

 

陳腐だけど、

とても尊くて

二度とない瞬間。

 

 

 

そこに立ち会わせてもらえて、

 

本当に本当にありがたい…。