大好きな飼い主を殺された羊たちが犯人を捜し出す 「ひつじ探偵団」を観て | パンクフロイドのブログ

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ひつじ探偵団 公式サイト

 

チラシより

イギリスの田舎町で、愛するひつじたちと共に一人で暮らすひつじ飼いのジョージ。彼は毎晩、たくさんのひつじたちに探偵小説を読み聞かせています。彼らが物語を理解し、その時間を楽しみにしていることも知らずに・・・。ある日、そのやさしいジョージが死体で発見されます。これが事故だと信じようとしないひつじたちは、最も賢いリーダーのリリーを筆頭に、老若雄雌!?のひつじたちが結束して捜査を開始!手がかりを追ううちに、ジョージには47億円の巨額な遺産があったことが発覚!みんな、みんな、あやしい!果たしてひつじたちは犯人を見つけ出し、愛するご主人の無念をはらすことができるのか??

 

製作:アメリカ

監督:カイル・バルダ

脚本・原案:クレイグ・メイジン

原作:レオニー・スヴァン

撮影:ジョージ・スティール

美術:スージー・デイヴィーズ

音楽:クリストフ・ベック

出演:ヒュー・ジャックマン ニコラス・ブラウン モリー・ゴードン

             ホン・チャウ エマ・トンプソン

2026年5月8日公開

 

羊が探偵役となって飼い主を殺した犯人を見つけ出すという話からは、キワモノとしか思えませんでした。ところが実際に観てみると、正攻法な作りをしていて、犯人も意外性があり、アメリカ映画にも関わらず、英国の古典的なユーモアミステリーの味わいがありました。勿論、羊が直接犯人を捕らえる訳でなく、のどかな田舎町に一人しか居ない警官にヒントを与えつつ、逮捕まで導く話の流れになっています。

 

また、事件を捜査するデリー巡査が誠に頼りなく、少々間抜けなキャラクターがこの映画ではいい味を醸し出しています。序盤を観る限りでは安易に事故として処理しようとしたり、取材に来た記者のエリオットから現場に指紋がつくことを注意されたり、「この人、大丈夫?」と不安になってきます。それでも、羊たちに助けられながら次第にスキルが上がって行き、彼自身が成長していく過程がボンクラ好きにはツボに嵌ってしまいました。

 

捜査の途中、容疑者を見誤りつつも、最後に犯人からの嘲りを逆手に取って、グウの音も出ないほどの証拠を突きつけ美味しいところを攫うなど、本格ミステリーの王道な展開も小気味よかったです。他にも、CGによる羊たちが、頭脳明晰なリリーを筆頭に、孤高の存在のセバスチャン、記憶力抜群のモップルなど、それぞれ個性があり観ていて飽きませんでした。

 

その一方で、羊たちの思い込みや迷信、冬生まれの羊を排除する価値観など、人間社会を映し出す比喩表現も見られ、そこは些か小賢しい気がしないでもなかったです。それでも、冬生まれの子羊がデリー巡査に重要なヒントを与える手助けをしたり、最後は羊たちの仲間に入れてもらえたり、実に後味の良い終わり方をするので、全体として観れば好印象を残しました。