消耗品部隊が血を入れ換えて再集結「エクスペンダブルズ ニューブラッド」を観て | パンクフロイドのブログ

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私たちは何度でも立ち上がってきた。
ともに苦難を乗り越えよう!

エクスペンダブルズ ニューブラッド 公式サイト

 

チラシより

自らを“消耗品”と名乗る最強無敵の傭兵集団〈エクスペンダブルズ〉を率いるバーニー・ロス(シルベスター・スタローン)はCIAから下された新たなミッションに挑むため、かつての相棒であるリー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)の元を訪れる。バーニーと共に再び組むことを決意したリーがアジトに足を運ぶと、そこにはかつての仲間だけではなく、新たなメンバーが顔を揃えていた。新戦力を迎え【ニューブラッド】として生まれ変わったエクスペンダブルズだったが、敵の卑劣な策の前にミッションは失敗に終わり、大きな代償を払うことに・・・。失われた仲間の意思を継ぎ、そして仇を討つために再びエクスペンダブルズが立ち上がる----!

 

製作:アメリカ

監督:スコット・ウォー

脚本:カート・ウィマー タッド・ダガーハート マックス・アダムス

原案:スペンサー・コーエン カート・ウィマー タッド・ダガーハート

撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ

美術:リッキー・エアーズ

音楽:ギヨーム・ルーセル

出演:ジェイソン・ステイサム 50セント ドルフ・ラングレン トニー・ジャー

        イコ・ウワイス ランディ・クートゥア アンディ・ガルシア

        シルベスター・スタローン

2024年1月5日公開

 

一応、前の3作全て観ていますが、過去作を観ていなくても何も問題はありません。過去作はおろか、関連映画や配信のドラマまでチェックしないと、真の楽しみを味わえず、観る側に負担を強いるマーベル映画とは、その点が大きく異なります。往年のプログラムピクチャーのシリーズものが好きな者としては、シリーズの途中から観ても十分楽しめる、親切設計の本作のほうを断然支持します。

 

この映画は過去作に比べると、80年代に活躍した大物のアクションスターは少なく、小粒になった感は否めません。ただ、寄る年波には勝てずに全盛期に比べ動けなくなったことを思えば、それは致し方ないでしょう。前作からは9年も経っていますしね。新しく血を入れ替える意味も含んでの副題が「ニューブラッド」なのですから。

 

チラシに【脳ストップ】アクションと銘打っているように、派手なアクションが売りのシリーズですから、劇場の大きなスクリーンで観ることに越したことはありません。その反面、どんな話だったのか全く思い出せない類の映画であることも事実。過去作のドラマ部分を憶えていないように、この映画もおそらく3日も経てばきれいさっぱり忘れているでしょう。それでも、アクションの爽快感を味わうだけで、話の筋を忘れてしまったほうが、この手の映画には相応しいかもしれません。

 

とは言え、敵の黒幕に意外性があったり、ラスト近くにリーが驚く展開があったりと、一応ドラマの部分に工夫を凝らしたと思われる部分もあります。ただ、配役を見れば黒幕の正体は見当がつきますし、予告編を観る限りでは罠に嵌められた裏には何かあるのでは?と予想もつきやすいです。案の定、こちらの予想した通りの展開だったので、寧ろ拍子抜けしたほど。これが死んだ筈のバーニーが実は敵の黒幕の正体だったら、心底吃驚しますし拍手喝采したくなりますわ。尤も、そんなオチだとシリーズが終了しかねないのですが・・・。

 

個人的にはアクションより、消耗品である傭兵同士が憎まれ口、へらず口を叩き合いながら、親密な遣り取りをするのを楽しみました。かつてTBSラジオで放送していた「ウィークエンド・シャッフル」の映画コーナーでこの映画が取り上げられた際に、打ち上げがメインの映画と評していたことがあります。これは当たらずと言えど遠からずな批評で、シン・リジーの「ヤツらは町へ」が流れ、任務完了後の飲み会で仲間同士がじゃれ合えば全てOK。極論すれば『エクスペンダブルズ』シリーズはそんな映画です(笑)。