あるイラン女性の声@イタリア、プーリア州 | イタリア専門の旅行会社発、世界遺産に触れる海外旅行

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● あるイラン女性の声@イタリア、プーリア州

こんにちは。内山奈美です。

昨日、W杯の話題に関し、ドイツ選手団のLGBT(性的少数者)への人権侵害についての抗議の様子もお便りしました。



同じ大会でイラン選手団は自国の女性への人権侵害へ抗議。初戦での国歌斉唱を拒否しました。

同選手団は9月に行われた国際試合の国歌斉唱でも、国旗があしらわれたユニフォームを上着で覆い、抗議しています。



ヒジャブ(髪を隠す布)の被り方が正しくない、としてマフサ・アミニさんがイラン風紀警察に殺されたことに端を発し、女性の自由や権利を求める動きが大きくなっています。



イタリアでも連日、大きく報道される中、ここ南イタリア、プーリア州マルティーナ・フランカで

Women、Life、Freedomー女性、命、自由

と題した講演会のご案内をいただき、息子と一緒に拝聴してきました。メインパネリストは、イラン人女性映画製作者のラヒミさんと、ジャーナリストのジュスティーノさんです。



暴力的な内容、ショッキングな内容もあるかもしれませんので、まず息子に意思確認をしたところ、行く、とのこと。

イタリア版子供新聞の記事を一緒に読んで予習しました。


(講演会前、取材を受けるラヒミさん)

生のお声を伺うと、報道だけでは知らなかったイランの顔もたくさんありました。ラヒミさんやジュスティーノさん曰く

イランでは女性には髪型や服装の自由がない、遺産相続も男性より少ない、女性からの離婚は難しい・離婚できても親権は得られない等、多くの女性差別があるそうです。


(ジュスティーノさんはトルコからオンラインでご参加)

イランは民主共和国ではありません。イラン・イスラム共和国、が正式国名であることからもわかるように宗教共和国。


イスラム教を中心に成り立ち、国のトップは民主的な過程で選ばれるのではなく、イスラム教最高指導者が就任する国。日本やイタリアとは国のシステムの根幹からして違います。



ただ、意外にも家庭内では自由があるし、進学率も高く、大学の女性比率は何と60%だそう!

そのような国内状況、しかもネットで世界と繋がれる現代。このムーブメントが起きたのは自然な成り行きに思えます。



今回のムーブメントが過去と違うのは「武器を持たぬ民衆がSNSで世界に現状を知らせ、世界の声をイランに向けさせることができること」とラヒミさんがおっしゃっていました。

写真下はアメリカ、タイム誌の表紙「今年のヒーロー、自由のために戦うイラン女性」。



最後、息子の親友くんが「イスラム教はどうして文化の進展や、男女平等を求めるために若者が声を上げた時、それを助けず逆に阻止するのですか?」と質問しました。それに対し

「イスラム教やイスラム教徒が悪いわけではないんだよ。現に私が住んでいるトルコはイスラム教徒が大半だけれど、自由や権利が認められているからね。

問題はイランが宗教の名のもとに人権弾圧をしていること」

というジュスティーノさんの回答で締めくくった会でした。

普段も観光名所だけでなくアートや文化、スポーツ、ゴシップ等、イタリアの様々な話題を交えて通訳ガイドしています

※一部、イタリア紙より写真お借りしました


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