レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -9ページ目

桜の季節に想う

3月30日のこと。

店近くの池端を通り掛かった時、目の前を黒い影が横切った。

んっ?と思い、少し水かさの増した池を見ると、5、6羽のツバメが行き交っていた。

彼らの飛来は、去年よりも少し早い気がする。

去年も同じ事を言っていたような・・・

年々、彼らの飛来時期が早くなっているのか?

一時、もうツバメはやって来ないのではないかと思ったので、

彼らの姿を見つけると「今年もやってきたか」と、少しばかり嬉しくなる。

桜も示し合わせたように咲き誇っている。

春なんだなあ。

桜といえば、3月末に大阪狭山池へ花見に行った。

少し早いかとも思ったが、早咲きの桜群は満開だった。

 



 

去年は誰とも日程が合わず、一人で大阪狭山池に行った。

そして、土手に設置されたベンチに腰をおろし、コーヒーをすすりながら、桜を見上げていた。

数年前まで、わざわざ桜を見に行こうと思う自分を想像できなかった。

僕の座るベンチの上にも、ハラハラと止むことなく桜の花びらが舞っていた。

みな、この桜の季節に何を想うのだろう?

少しばかりの寂しさと希望の入り混じったこの季節は、

水底で静かに眠る記憶をゆっくりと揺り起こす魔力を持っている。

僕の場合、それは決まって大学時代のバイト先の懐かしい匂いと共にやってくる。

その匂いは、おどろくほど濃厚なものだ。

なんの弾みで採用されたのか、兎も角、僕は卒業までそのバイト先の書店でお世話になった。

僕はここでのバイトで、とても多くの事を学んだ。

バイト仲間もでき、こぞってよく遊びに行ったものだ。

淡路島には保養施設があり、海水浴と釣り、それに新鮮な海鮮料理が楽しみだった。

そんな単純に輝いていた日々は、就職活動と共に自然と終わっていった。

それから何十年も経ち、再び僕たちは集まるようになった。

おかしなもので、それまでも個々にはみんなつながっていた。

うまく説明出来ないが、バイト先の仲間と大学の仲間とでは少し関わり方が違った。

クラスメイトとクラブ仲間の違いのような感覚に近いかも知れない。

そんな自分の学生時代を彷彿とさせるものに、今も惹かれ続けている。

もうファッションがどうのこうのという年でもないが、

例えば好みのプランドは未だにVAN JACであったりKENTであったり、Brooks Brothers、Ralph Ruebenであったりする。

僕の今の商売は、何かに導かれたというようなものではなく、

その時代から抜け出せない結果であるという事だ。

何か数珠繋ぎのような取り止めのない記事になってしまった。