レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -8ページ目

成穂堂の今日この頃

毎度のことながらゴールデンウィークは長閑なものだった。

それを見越して、今年は本の大整理を行った。

色々と経緯があり、つい先日Amazon販売をやめたので、踏ん切りがついた。

そこで思い切って、ふる〜いコミックと何連分かの本を残して、残りの本を廃棄した。

僕は家族全員に「ちょっと本の整理をしたいから、手伝ってくんないかな。右のものを左に動かすだけだから」と、ごく平静を装い、家族を店に集めた。

家を出る時、「ちょっと腰が痛いから、今日は軽トラで行くわ」と。

で、本棚を前にして、「ここからあそこまでの本、ぜーんぶ軽トラに積み込むよ」と。

みんな「そういう事か。で、軽トラか。確かに右から左やわな」と、ぶつぶつ言っている。

二男が「これ、一回で積み切れるか?」と。

「いや、ちょっと無理やろな。まっ、何回か往復して廃棄しに行っておくれ。お前たちに任せるわ」と、僕。

その時、三男が「おとーさん、裏側にも同じように本があるよね。それはどうするの?」と、鋭い質問を。

僕は涼しい顔をして「まっ、ついでやな。がんばろかー」と。

そんな事で、二日掛かりで大量の本を廃棄した。

大手古本チェーンに持ち込めると良いのだが、あまりにも量が多い。

こうして本を廃棄する度に、その一冊の本に込められた思いを紙屑のように捨てるのかと、めっぽう後ろめたくなる。

そんな夜は、心に暗雲が垂れ込めたように気が滅入る。

整理が終わった翌日、ガランとした本棚を見て、「ものごとの終わりとは、実に呆気ないものだな」と思った。

そして「捨てなければ次に進めない」と、訳の分からない事を言いいながら、今後の計画に取り掛かった。

人とは得手勝手なものだ。

ついでながら、Amazon販売をやめた事自体は、実にすっきりしている。

僕だけかも知れないが、通販は店頭以上に気を遣う。

気を遣わない商売などないのだが、出来れば通販自体やめたいとさえ思う。

多分、好きなものを店頭に並べて、売れようが売れまいが、日がな好きなように過ごしたいのだ。

そんな事を言いながらも、この四月から三男に参戦して貰って、本格的に海外販売を始めるようになった。

その国々の慣習というか道徳観念の違いに慣れるまで、何年も掛かりそうな気がする。

海外販売に目を向けた経緯は端折るが、一言で言えば「好奇心」なのかなと思う。

勿論、市場規模や販売価格が日本より随分優るという事もある。

通販は嫌だと言いながら、やはり新しい通販に手を出している。

人の感情と行動は矛盾に満ち溢れている。

三男も就職という道を選ばず、うちに来たのだ。

担当は有無を問わず、海外通販。

時折、やつの後ろからモニターを覗き込むのだが、横文字の羅列に頭がくらくらする。

僕は店づくりをして遊ばせてもらう事にする。

さあ、もう一つ二つ面白い事をやってやろうじゃないか!