やんちゃ坊主、来る!
家内から、僕の留守中に20歳前後の人が、
僕をたずねてきていたと聞いた。
店が移転したのを知らず(おいおい、もう2年近くなるぞ)、
探し倒して来たらしい。
名前を聞いてすぐに分かった。クスモトケンジ。
小学校の時から、うちの店に通っていたやんちゃ坊主だ(いや「だった」)。
以下、家内からの話し。
時間を同じくして、店内で大声でほたえている学生どもがいて、
家内が
「静かにしておくれでないかい」
と、もの柔らかく言った。
学生どもは依然としてほたえている。
家内は
「静かにしておくれでないかい」
と、もう一度言った。
学生どもはやはり、ほたえている。
ここでケンジの一喝。
「おい、おまえら。この店の人たちのいう事はちゃんと聞いとけ!
他の店とはちゃうねんぞ!逆さ吊りにされるぞ!」
学生どもは一瞬にして静まり返った。
ケンジはうちの店の怖さを充分知っている。
筋道の違う言動をしたら、どやしつけられる。
へたをすると、本当に縛り上げられて木から吊るしかねられない。
僕は、一見とても柔和で、商売人向き。
その実、全然商売人向きではない。
それは充分承知している。
かといって、それを変える気もない。
それだけ青いちゅうことやね。
で、ケンジはまた出直してくると言って帰っていったそうだ。
よく叱った子どもほど、大きくなってもたずねてきてくれる。
不思議なものだと思う。
