レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -578ページ目

筋肉痛とわかさ

ドアが勢いよく開く音で目が覚めた。

仰ぎ見ると、

「お店の方、今日はカード大会はないの?間に合うの?」

後手でドアを閉めながら家内が言った。

僕の頭は錆ついたぜんまいのように、

ぎしぎし音をたてながらゆっくりと回転した。

んっ? あったかな? あったような気がする。

あ~、あるよな~。

時計を見ると、10時過ぎ。

僕が店に行くのは11時。

ちょうどいい頃合だ。



以前にも書いたが、僕は目覚ましを掛けたことがない。

思惑の時間には、しっかり目がさめる。

特技と言ってもいいのではなかろうか。



今朝は、ちと様子が違った。

家内に起こしてもらうなんて、どうもおかしい。

10時には店にカードに詳しい御方が来ていて、

あれこれ手際よく準備をしてくれている。


でも、兎に角、起きなくちゃ。

それにしても爆睡した。

いつものように、起きあがろうとしたら、体中が痛い。

筋肉痛?それとも風邪か?

ノドは痛くない。鼻もでない。熱っぽくもない。

顔を洗いに行こうと思うのだが、

右手と右足が同時に出るようなぎこちなさだ。

少し頭が回転しだすと、

昨夜、久しぶりに剣道をしたのを思い出した。

アハハハ・・・筋肉痛だ。

一晩明けて、筋肉痛を起こすなんて、

それは若さの象徴ではないか。

すっかり嬉しくなった僕は、

台所にいる家内の所にナンバ歩きをしながら報告にいった。

「ねえ、体のあちこちが痛いねんな。

やっぱり、僕は二十歳くらいの若さを

持続しているんじゃないかと思うねんな」

「30分程度、子ども相手にしただけで、どれだけ爆睡してるの」

と、そっけない家内の態度。

「よく寝るのは若い証拠だって言うじゃないか」

「もう分かったから、都合のよいように解釈しなさい。早く用意して」

家内は、全然とりあってくれない。

しからば、子供たちに話さねば。

子ども達の所に行こうとしたら

「時間が迫っていても、段取りできない所だけ、

若いときのままよ。早くしなさい」

と、家内の金槌のような言葉に打ちひしがれる僕。

くそっ、ぐれてやる。


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