レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -470ページ目

背取りというもの

若干体調不良で記事の更新もブログ巡りもあまり出来なかった。

やっと回復したかという感じで記事を更新した。


「せどり」という言葉に聞き覚えのある方も多いと思う。

一般に「競取り」と書く。

元々は「糶取り」という字が使われていた。

そんな言葉がウィキペディアにあるかどうか調べてみると、これがある。

抜粋すると『「糶取り」の「糶(ちょう、せり、うりよね)」とは、
「米を売りに出す」の意で、そこから「米の競り売り」や「行商」のことを指す。
漢字としては「出+米+?(=擢:抜き出す)」から成り、
貯蔵してあった米を選り出して売りに出すことを意味し、
そこから転じて多くの物の中から選び出して売ることを
「糶取る(動詞)」または「糶り取る」と言う。
「糶取り」とは「糶取る」の連用形である。』とある。

昔は、自らは店をもたず、自分の知識と目利きを頼りに

仕入れた商品を同業者に販売したり、

注文を受けた本を探し出して手数料を受け取ったりする

「せどり屋」という商売があった。

古本業界では、「背取り」と書く。

本の背タイトルをみて、本を抜き取るからか?

当時、古本屋にとっては痛し痒しの存在だったらしい。

今は、新古書店と呼ばれる大手チェーンで、

目ぼしい本やCDなどを買い集め、皆さんご存知のAマーケットプレイスで売る。

セドラーと呼ばれる人々は、店頭の商品をスマホ、極小のスキャナーを片手に

片っ端からバーコードを読みとり、Aマーケトプレイスで相場を探る。

ある意味、知識はそんなにいらないのかも知れない。

僕が最初にこの光景を見た時、その店の関係者かと思った。

或いは棚卸しかと思った。

そして、彼かが立ち去るまで、その棚には近づける雰囲気ではなかった。

背取りという行為は、

店に埋もれている価値ある商品に光を当てる役割をしているので、

それを探し求めている方にはあり難い存在なのかなと思う。

意図せず廃棄されかねない本を助ける事だってある。

ただ、そこはあなただけが出入りする場所ではないという事だ。

何かしら守るべき一線があると思う。

僕も人から依頼を受けて、

知人の古本屋に在庫を当ったり、近くの古本屋を回ったりする。

下手をすると、目利きもなにもない古本屋に持ち込まれ、

ゴミ同然に扱われている本たちの中から、

これはと思うものを救い上げる役目もしているのではないかと思う事もある。

店頭で面と向かい、事情を話し、

そういった本たちを日の当たる場所においてやりたい。

分けてもらえないかとも思う。

つらつらと、何か手はないかと思う今日この頃でもある。

或いは、そんな大儀は掲げずに、趣味で古本屋巡りをしている際に、

「おお~、見つけたり!」と喜んでいる方が性に合っていてよいのか。



人というのは、どんなに苦しくても一つの道を歩み続けると

光が見え、人が集いだすと信じたい。

道を拓くのは誰でもない。自分なんだ。

足元の石を蹴っているより、

悔し涙が浮かんだ目でもいいから空を見上げよう。


ベン・E・キング


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