レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -400ページ目

ブックハンターKEN参上

7、8年程前、体調不良で行き倒れるように倒れて以来、

定期的にクリニックに通うように心掛けている。

体が悲鳴をあげるほど、働いている訳でもないが、

未だに、ゼンマイが切れたように動けなくなる事がある。

こうなると喘ぎながらしんどさが去るのを待つしかない。

自律神経のバランスが、もう一つ良くないらしい。

この一ヶ月、怒濤のように忙しい日々が続き、

ちょっとまずいなあと思っていたら、

案の定、そいつは遠慮なしに僕のエネルギーをもぎ取って行った。


そんな事もあり、昨日はクリニックに行ってきた。

「KENさん、入って。一応診察しますね」

なんだ、その「一応」っていうのは。おいらはしんどかったんだ。

で、いつもの問答になり、生活態度を改めるように強く指導を受けた。

このままでは説教は延々と続く。

話題を剣道に切りかえる方が良さそうだ。

先生のお子さんも高校で剣道をしているので、

すぐに食いついてくる。



頭をボリボリ掻いて反省し、その後、近くの本屋に寄った。

基本的には新刊屋なのだが、店頭にワゴンがずらっと並び

所狭しと古本が並べられている。

自称ブックハンターKENの眼光が鋭く光る。


今回は、既に持っている単行本を小躍りせんばかりに購入してしまった。

「風の歌を聴け」村上春樹著。氏のデビュー作だ。

何をありふれたものをと思われるが、ちょっと違うのだ。


$疾走する古本屋!成穂堂〔なるほどう〕店主の苦悩と爆笑の日々-風の歌




手に取ると、経年の日焼けはあるが状態はかなり良い。帯も綺麗だ。

これが初版だったらすんごいぞ~なんて思いながら奥付けをみると、

1979/7/25 第1刷発行とだけある。

「んっ?初版本?おいおい、ほんまかいな」と、つい言葉が出た。

思い切り目を細めようが、透かしてみようが、

その隣に第○刷という文字は見えない。

奇跡でも起こらない限り、本タイトルの初版本に巡り合う事はないと思っていた。

ものすごい冷静さを装っているが、もう地に足がついていない。

「よっしゃ~~」と言いながら精算に向かう僕。


要は中身でしょと、ごもっともなご意見もありましょうが、

(以前にも書いたが)僕は村上本に限ってはコレクターの如く初版本に拘っている。

大体、男というものは収集癖があるものなのだ。

まあ、理屈ではない人間臭さがあってもいいじゃないか。

そんな分かったような分からないような理屈で無駄買いをする僕を

意外にも家内は「洒落で済むような趣味だから」と、何も言わない。

玄関口に山のように飾ってあるフィギュアについても何も言わない。

なかなか物分りのよいやつよのう。


・・・いやいや、そんなに甘くはないはずだ。


何か、大どんでん返しが待っているような気がする・・・