レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -398ページ目

本の魔力

本の読み始めにいつも思う事がある。

1ページをつまむと、数ミクロン程の厚みしかない紙が、

幾重にも重なって数センチにもなっている。

そしてその中に10ポイント前後の途方もない文字数が印字されている。

ごく冷静にみると、そんな膨大な文字数を書く方も書く方だが、読む方も読む方だ。

そして、幾重にも重なった薄っぺらい紙を1枚ずつめくり進み、

最後までたどり着くのは、奇跡的な作業ではあるまいかとも思う。

その本が、ローダンシリーズなんかだと、もう天文学的数字になるはずだ。

僕の中では決して手をだしてはならない本の一つだ。



でも現実には、確実にスピンを挟む位置はページ後方へと進み、やがてあとがきにたどり着く。

一冊、読み終える毎に、「おお~、読み終えたか」と、奇跡が起こったような気になる。

ちと大層か。


僕はその本たちにどれほど助けられてきた事か。

時には、摩訶不思議な世界にいざなってくれ、

慰めてくれ、勇気をくれ、知恵をくれ、

僕を現に留めておいてくれる。


作家のエネルギーが様々な職業の人たちの助けを得て

一冊の本となり読者へと伝えられる。

時として、そのエネルギーは様々な矢を放ち四方万里に伝播する。

何てすごいのだろう。

まさに本の魔力だ。



そんな取りとめのないことを考えるに、

僕に物書きの才が備わっていないのが残念だ。

だけど、本の力を手の届く範囲で伝える事は出来ると思う。

今の店はその為の手段としての原資を産まなくちゃいけない。

同時に、今できる事もある。

踏ん張れ我が店よ!