夏の匂い
木曜日は休業日としている。
一応、シャッターは下ろしているが、実際は殆ど何らかの作業をしている。
しかし、昨日は疲れていたのか、昼まで爆睡していた。
それからだるい体を引きずりながら、散髪屋へと向かった。
ご近所さんさんからは、「まめに美容室に行ってるねんね」と言われるが、
多分、2ヶ月に一度くらいしか行かない。
それも美容室ではなく散髪屋だ。
僕は酷くはないが天パである。それが、パーマをあてているようにみえるらしい。
しかし、ある程度髪が伸びだすとピョンピョンはねだす。
まあ男だ。そんなことどうでもいいか。
曇り空で気温は多少ましそうだが、
湿度が高いようで、空気が蜘蛛の巣のように身体にまとわりつく。
道中、あまり人と行き違わない。
散髪屋に行く途中、郵便局に寄ると、ガランとしていて待ち時間もない。
いつも待ち時間を予想し、本を鞄に入れて行くのだが、
これだけシーンとしていると何だか妙な感覚になる。
一歩外にでると、セミだけがけたたましく鳴いている。
彼らの声に追いやられるように散髪屋に入ると
「お~、おひさしぶり。今日は暇ですわ」と。
洗ったばかりの髪を拭きながらマスターが言った。
「水浴びですか」と笑うと
「あまりに暇なんで、相棒に髪を切ってもらってましてん」と。
冷房のガンガン効いた店内。
散髪屋独特のにおい。あれは何のにおいだろう?
ラジオからは昭和40~50年代のフォークソング。
昔から何も変わらない。
扉1枚を隔てて、そこには違った時間が流れている。
散髪が終わっても、ついつい長居してしまう。
散髪屋を出ると、眩しい夏の太陽が照りつけていた。
立ちのぼった陽炎の向こうから、
麦わら帽子や野球帽を被り、捕虫網片手に肩から虫かごを下げた少年たちが
歓声をあげ走り寄って来そうな気がする。
よく見ると、それは少年時代の僕と幼馴染み達。
そんな事を思っていると、急に雷が鳴り出した。
空を見上げると、東の空に怪しい雲が広がっている。
おかしな天気だ。
8/6 15時頃 葛城山方面~左には二上山、右には金剛山がある

子ども達は「わぁ」と言いながら、
一目散に陽炎の向こうに消えて行った。
年中待っていた夏休み。
一日中駆け回り、笑っていた夏休み。
夕立の中、ずぶぬれになりはしゃいだ夏休み。
幼馴染たちもこの空を見上げているのだろうか?
そして、過ぎ去った日々を懐かしんでいるのだろうか?
「今度、一緒に遊ぼう」と、僕は呟いた。
しばらくすると、雷雲が空を覆った。
それも少しの時間で、気がつくとまた夏空が戻っていた。
夏なんだなあ・・・

一応、シャッターは下ろしているが、実際は殆ど何らかの作業をしている。
しかし、昨日は疲れていたのか、昼まで爆睡していた。
それからだるい体を引きずりながら、散髪屋へと向かった。
ご近所さんさんからは、「まめに美容室に行ってるねんね」と言われるが、
多分、2ヶ月に一度くらいしか行かない。
それも美容室ではなく散髪屋だ。
僕は酷くはないが天パである。それが、パーマをあてているようにみえるらしい。
しかし、ある程度髪が伸びだすとピョンピョンはねだす。
まあ男だ。そんなことどうでもいいか。
曇り空で気温は多少ましそうだが、
湿度が高いようで、空気が蜘蛛の巣のように身体にまとわりつく。
道中、あまり人と行き違わない。
散髪屋に行く途中、郵便局に寄ると、ガランとしていて待ち時間もない。
いつも待ち時間を予想し、本を鞄に入れて行くのだが、
これだけシーンとしていると何だか妙な感覚になる。
一歩外にでると、セミだけがけたたましく鳴いている。
彼らの声に追いやられるように散髪屋に入ると
「お~、おひさしぶり。今日は暇ですわ」と。
洗ったばかりの髪を拭きながらマスターが言った。
「水浴びですか」と笑うと
「あまりに暇なんで、相棒に髪を切ってもらってましてん」と。
冷房のガンガン効いた店内。
散髪屋独特のにおい。あれは何のにおいだろう?
ラジオからは昭和40~50年代のフォークソング。
昔から何も変わらない。
扉1枚を隔てて、そこには違った時間が流れている。
散髪が終わっても、ついつい長居してしまう。
散髪屋を出ると、眩しい夏の太陽が照りつけていた。
立ちのぼった陽炎の向こうから、
麦わら帽子や野球帽を被り、捕虫網片手に肩から虫かごを下げた少年たちが
歓声をあげ走り寄って来そうな気がする。
よく見ると、それは少年時代の僕と幼馴染み達。
そんな事を思っていると、急に雷が鳴り出した。
空を見上げると、東の空に怪しい雲が広がっている。
おかしな天気だ。
8/6 15時頃 葛城山方面~左には二上山、右には金剛山がある

子ども達は「わぁ」と言いながら、
一目散に陽炎の向こうに消えて行った。
年中待っていた夏休み。
一日中駆け回り、笑っていた夏休み。
夕立の中、ずぶぬれになりはしゃいだ夏休み。
幼馴染たちもこの空を見上げているのだろうか?
そして、過ぎ去った日々を懐かしんでいるのだろうか?
「今度、一緒に遊ぼう」と、僕は呟いた。
しばらくすると、雷雲が空を覆った。
それも少しの時間で、気がつくとまた夏空が戻っていた。
夏なんだなあ・・・
